第22話 備えあれば
3m近いオークの倍近い背丈を持つ巨大な大仏
「造命?いや、ユニークモンスターのレアしか無いだろさすがに…」
ここは鎌倉でも無ければ奈良でも無い。寺の住職が魔王にでもなったかと思ったが
板橋区にも「東京大仏」という大き目の大仏があるのを思い出す。その縁で誰かが召喚したのだろう。
「奈良や鎌倉の大仏はどうなってんだろ」
と考えるが今は近所の板橋に目を向けなければならない
1瞬だが鑑定で見えたステータスには
物理耐久:S
「S」、遂にSが出るとは…体が金属で出来ているのなら確かに物理攻撃でダメ―ジを与えるのは難しいだろう。魔法耐性は不明だが、金属の塊にダメージは期待出来ない
それにオークの群れ。どう考えてもまともに戦うのはしんど過ぎるな
こうなったら俺も大仏を生み出すしかないとモンスター創造の画面とにらめっこして深夜になって答えが出ずに、朝方になってからようやく眠りについた。浅い睡眠から目覚めるとアリシアが朝の挨拶をしてくる
「おはようございます。ひどい顔ですね」
相変わらず気を使う事を知らないガキだ
「5歳ぐらい大人っぽく見えますよ」
鏡を見るとほうれい線がいつもより深く見える。体も怠いし、寝不足はやっぱり健康と美容の点滴だな。
眠い目をこすりながらコンビニの菓子パンを食べる。寝不足の胃だと甘くなきゃ入らん。腹ごしらえするとレンタカーを借り、ドンのキのホーテとホームセンターを往復する。
午後に女性陣が来た為昨日建てた作戦通りにパラメータ調整したユニークモンスターを造命し、女性陣と一緒に作業と実験を行う。
「なんて言うか、ちょっとセコい方法ですね…」
こんな事を口に出すのは打ち解けてきた証拠だと勝手に思っておこう
「まあ、相手強そうだししょうがないんじゃない?」
ミユは正直俺の事を後ろから刺してきてもおかしくはないが
さっき見せた映像の今度攻めてくる魔王の顔と、死んだ表情の女性の眷属を見てまだ俺の方がマシだと思ってくれてる事を祈ろう。魔王同士の戦いでは、魔王が死ぬと眷属の支配権は相手の魔王に渡されるらしい
侵入者制限を最小の50人に変更し、モンスターの召喚と必要なアイテムの錬成を行い準備が終わった
侵攻に備え、贅沢にもウーバーイーツで用意した夕飯を食べる
「最後の晩餐にならないといいですね」
こいつの憎まれ口も最後になるかもしれませんね。正直この軽口に腹を立てる余裕もない
なんて事を考えていると警報が鳴る
「侵入者確認:魔王 キクイリ」
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