一人称で淡々とつづられていく文章は綺麗で優しい。足跡を振り返っているのか――いや、未来への期待なのか――いやいや、不安なのか――いやいや、それとも、感謝なのか――それは読者の心に大切な「何か」を残してくれます。
大切な品々と触れ合う様子や、物語の進行に伴う心境の変化が細かに表現されています。締めくくりの温かみや、表紙に戻った際にタイトルが飛び込んでくるところも素敵だと感じた作品です。