第4話

 「ここは何処?」

大介はあたりをみまわした。白い浴衣を着た老若男女が河原を川の方へと歩いている。プロレスラーよりガタイのいい兄ちゃんが鋭い目つきでところどころに立ち、あちらに行け!とばかりに川の方を指さしている。

なんでみんな白い浴衣?河原で夏祭り?

首をひねった大介にガタイのいい兄ちゃんが声をかけてきた。

「なにボーッとしてんの、あっちに並んで。さっさと船に乗って。」

「あの、俺はこの人たちとは違うんで。」

「何が違うの?」

「いや、だってあんな格好してないし。」と、言ったところで大介は自分も同じ白い浴衣姿だと気がついた。ショックを受けてあ然とした大介に兄ちゃんは気の毒そうな眼差しを向けた。

「ああ、アンタ、事故系か。ビックリだよなあ。大丈夫、死んだらみんなおんなじだから。今のアンタがすることはとりあえず船に乗る列に並ぶこった。」

憐れむような目になった兄ちゃんに肩を叩かれて大介はフラフラと列を目指して歩き始めた。


これって三途の川ってやつ?マジか?

トボトボと歩いて列に並んだ。船のそばに立つ係員はかなりの年のおばあさん。しかも高飛車。列の中には船に乗せてもらえない者もいるらしい。

船に乗れなかったら地獄か?

大介はソワソワするも、おばあさんは大介をチラリと見ると船に乗れる列にまわしてくれた。

順番が来て、船に乗ろうと足を上げた。

「ンゴッ!」

大介はいきなり胴を大きな手のような何かに掴まれ、引きずりあげられた。


その頃、赤い髪の男は救急車を呼ぶとスマホを切り、自分の髪を一本抜いた。そしてうつ伏せの大介の背中の上、空中に浮かぶ見えない何かを掴んだ。

「ンゴッ!」

一瞬目をむいた大介の口から息が漏れた。赤い髪の男は構わず自分の抜いた髪を掴んだ物にくくりつけると、くくったのと反対側の髪の毛を指でつまみ、大介の背中に押し込んだ。

「応急処置はしたものの…どこまで保つか。」

赤い髪の男は唇を噛んだ。


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