貴方には‘正しい償い’が出来ない―これを見てる貴方もね?

神宮 蓮見(かのみや はすみ)

貴方には‘正しい償い’が出来ない―これを見てる貴方もね?

1.裏切り?


なんで...何でこうなったんだろう

私は今ほんの数日前まで、私が虐めに加担させ、一緒に虐めていた人に虐められている。

(はは...何でこうなったんだろう?まあ私がある人を虐めたからか...)

「お前が悪い!!」

(そうだ。私が全て悪い。この人たちは、嘘に流されただけ)

「....確かに。私が全て悪い...」

「やっとか。やっと認めたな!」「まあ。今更謝っても意味ないけど(笑)」

「貴方は悪くない」

そこには私が、かつて虐めた人が血のように、真っ赤な夕日によって、オレンジに染められながらいた。

「そう。貴方はもう‘‘今死んだ’’からね。今の死んだ、貴方は、「これから」を苦しまず、‘今を’苦しむんだよ♪でも、貴方に罪悪感があって、‘死後の世界’があったら、死んでも苦しいかもね♪」

「ちょっとー、死後の世界はまだしも、こいつに罪悪感なんて、ないでしょ。」

「...え....?」

(お腹に、とても冷たい、そして、‘何かが’広がる。なんだろう―普通のナイフのはずなのに、そのナイフが、氷に思えた。はたまた、冷凍庫に入れたナイフみたいだった。

よく見ると、お腹に短いナイフが刺さっていた。喉に熱く、ドロドロの何かがこみ上げると同時に、気づいた。白い制服に、鮮明な真っ赤な血、

さっき見た夕日と同じくらい、真っ赤な血。余裕は無いはずなのに、心まで汚れている自分の血が、

とても、美しく思えた。―じゃなくて、美しく思ってしまった。自分ではなく、他人に傷つけられた血ってこんなにも綺麗なんだな...

いや、私の心が醜くて、綺麗な心の人が傷つけた、所から流れる血は、美しいんだ

でも、すぐに痛みはやってきた。やっぱり虐めっこは死ぬべきなんだ。苦しいことをされた後に...いや―死ぬときも苦しむのか...

必死に、「生きながらえる術」を探したが最早なかった。ナイフは、刺された直後すぐに抜かれた。自分の体から汚い赤いバラが散る

もう死ぬんだ...来世はちゃんと、まともに生きたいな...)

「「「「「さようなら」」」」」

きっと、最後に、こういったと思う。正直、私にはもう、聞こえなかった。

「....」

視線が痛い。今ここに居る。全員に鋭い目線を向けられている。

ナイフのように鋭い

もう、動いていないはずの心臓にも、またナイフが刺さるような感じがした。

やっぱり、虐めっこは、死ぬときも苦しいんだ...

最後に考えたのは

(いつの間に、親や、先生以外の、味方や友達がいなくなっていたんだろう。

「ごめんなさい。」も言えずに、来世へ行くのかな?来世で記憶がそのままあったら、今度こそ、謝れるかな。

そうだ。こんなに、私が狂った理由は、小さいころに、虐められたからだ。あの時に痛めつけられたせいで、今の狂っている私ができたんだ。

でも、改めて、この身をもって、知った‘虐めはダメ’ということに)

―数日後死体が見つかったが、親族と、先生以外誰も、悲しまず、葬式にも参列しなかった。と、聞かされた。



2.いじめに加担した子の視点


アイツが憎い。

私たちが思う「憎い」は正常な人が想像する範疇を超えていた。

ズタズタに苦しめた後に、

殺す。

そういう計画を立てた。

でも、現実はそうそう上手くいかない。

アイツは、ほとんど別の友達と話している。

だが、そんな私に機会が回ってきた。

その友達が休んだ日アイツは一人教室にいた。

落ちていく、夕日に照らされ、影を創るアイツを、「アイツの影はアイツの人生を現しているんだな」と皮肉そうに、小声で言った。

そして、計画を実行した。

正直アイツが認めるとは思わなかった。

これまで、自分の手を汚さず、別の人の手を汚してきた。アイツが...

でも、罪は認めた。それでも、許すわけがない。私は、ずっと教室の外で待っていた。‘彼女’に、合図を送った。


3.虐められた子の視点


私にできるかな?

最初、与えられた役目を見て、一番最初に思ったこと、でも、アイツは憎い、私は、悪くないのに...聞いた話だと、気分で虐めてたらしい。

「ふざけるなよ...」と私は、静かな怒りを抱いていた。

でも、元は復讐なんて、もってのほか...いや、もってのほか‘だった’のほうが正しい。

アイツと仲いいはずの、加害者の人に、「アイツに、復讐しないか?」と唆された。私は、以前まで、虐めていた。彼女らを、信用する気はなかった。でも、

私の心の中では、アイツへの、憎さが勝った。だから彼女たちに、「協力する。」といった。

そして、計画は実行された。私はアイツの腹を刺した後、狂気じみた言葉を言い続けた。

その間は、一瞬だった。

でも、後日考えると、私は‘人殺し’をした。

もしかしたら、アイツよりも重い罪。

........そっか。その時の私、アイツに、復讐する一心で、私も、狂っていたんだ。

それに、罪悪感を抱いた私は、静かに、首を吊った。

死に場所は、私が好きな、部屋だ。



でも、現実は甘くないらしい。夜のはずなのに、両親に見つかった。

その日、両親に心配されながらも、嘆いていた。でも、次の日、平然を装い、リビングへ行くと、両親が、「「大丈夫か?」」と聞いた。私は、

もう大丈夫だよ。と言い、「散歩へ行ってくる」と言い、外へ出た。

.........もちろん、自殺目的でね....

でも、また失敗した。最悪だ。両親にも、心配を掛ける。

――アハハ。私は、もう死ねないんだ。‘あの子’を殺した。ということを、償うまでは...


4.いじめに加担したこの視点part2


あの子(いじめっ子)が自殺未遂をした。という、報告を聞いた。

最初なんでかな?と、私たちは思った。アイツは死んで、ストレスは、ない.....はず

今は、まだ、病院で意識を取り戻していないらしい。

私たちは、意識を取り戻し次第、聞くことにした。

でも、ずっと...ずっと目を覚まさなかった。でも、数か月後、やっと目を覚ましたらしい。

でも、私たちは、すぐには行かなかった。なんか、聞いた話だと、ずっと目を覚ましてから、

「ごめんなさい。ごめんなさい。償います。ちゃんと、生きて償います。」って言ってるそうだ。

何のことだろう。と思っていたが、一つ心当たりがあった。でも、そんなわけない。........と思いたかった。

でも、彼女のことだ。とても優しかった。彼女のことだ。きっとそうだろう。

多分、私たちに唆され、狂っていしまった。...と思いたい。

でも、聞くことは大事だ。と思い、聞いた。

予想が、的中していた。何なら、罵られた。

おかしくない? 確かに、誘ったのは、私たちだけど、強制じゃないのよ?

おかしいでしょ(笑)だから、そいつとは、縁を切った。


5.数年後の再開



「ね?そうでしょ?」

「....」(その話に、何も私は言葉を発せなかった。)

「ねえ。一緒に、罪を償おう。」

(出てきた言葉に、びっくりした。昔みたいに、虐められるかと思った。)

「貴方。自殺しようとしたのって、罪悪感からでしょ?」

「....うん。....ねえ。その罪を償うところに、早くいこ?」

「なんだ、積極的じゃん。...いいよ。今すぐ、行(逝)こう」

「うん。」

「ここだよ。」

私の目の前に広がるのは、今にも崩れそうな、崖、落ちたら、死ぬ。ということを本能で察した。

落ちたら、死ぬとわかるはずの海は、濃く、深い青と、水色をしていた。まるで、快晴な時の空と、似ている色だ。

でも、その死ぬとわかるはずの海は、さっき、自分の過去について、掘り返された私にとっては、今にも、落ちたいと思う場所だった。

「ね?‘今の’狂った。あなたにはいい場所でしょ?」

「うん。そうだよ.....ねえ、一緒に死のう?」

「もとから、その気だよ。私の、仲間は、一足先に、逝ったよ」

「せーので飛び込もう。」

そういう相槌をとり、言った。

「「せーの!」」

ぐしゃぁ。…

二人の女性が飛び込んだ時、

一つの音がなった。

一つの音は岩に当たった時に頭がぶつかりつぶれた音だ。

遺体は、発見されず、葬式も、行われなかった。

(もういいよね?私は、十分、償ったと思ったよ...?だって、狂わなかったら、貴方は、優しいはずだから.....)





6.????の視点


「勝手に死んでくれてありがとうね?」

狂気的な笑みを浮かべる一人の女性。

「つぎはぎだらけの友情がやっと終わった」

「いや、つぎはぎすらも無かったぁ」

きっと皆さまが見たことの無い狂気的な笑みですよ。

えっ?私がだれかって?

言いません。ただ、一つ忠告を。


人から恨みは買わないようにね? だって




――貴方には‘正しい償い’が出来ない

のだから

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