第2話
月曜日。世間大体の人達にとって始まりの曜日。それは16歳になって間もない自分にとっても、変わらず等しくだった。
夜、10時過ぎ。家がある訳でも自分が通う学校がある訳でもない駅で降りる。
黙々と歩き進む中、横切ったとあるマンモス高校。足を動かし続けた先にある、公園。
園内に入りながら携帯で時刻を確認した。
10時21分。
液晶スクリーンの片隅に〝着信 1件〟と表示されていたけれど、そのままマナーモードに設定しポケットへ。大人しく沈む、スマホ。
夜とは言えども、しっかりと夏な7月の空気は少し蒸し熱い。生暖かい風が吹き去り、顔を腕を通り越す。
柔らかいその感覚に誘われるよう顔を前へ向ければ、同じ光景があった。
藍色の夜。
黄色い月。
よく分からないオブジェ達。
大きな柳の木。
その下にある、ベンチ。
「……また、来たの。」
そこにひとり、座る人物。
白いシンプルなTシャツ
ダークグレーの長袖ロングパーカー
黒一色で染められたスキニーパンツ
年季の入ったハイカットスニーカー
何もかもが、1週間前今日この日この時間にあったものと、同じだった。
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