滝口アルファ様による川柳と俳句を融合したような、575の作品集です。
個人的に俳句においての武器であり足枷であるのが、「季語」の存在だと思っています。その感覚から言えば、いわゆる無季俳句という世界を現代俳句は許容する事で、新たな世界の拡張を獲得しております。
現代俳句をわかりやすく言えば、「季語」を入れなくとも「情景」が浮かび、そこから推察できる「特定の条件」があれば、結論として「季語」と同義であると言う解釈でしょうか? その辺りの観点はベテランの方にお任せしたいと思います。
さて、本作において滝口アルファ様は「情景」を切り取るだけでなく、「独自の詩的世界」を圧巻の感性で詠まれております。例えば、
『暑すぎて夏が反転するかもね』
僕はすごく特殊な解釈として、いわゆる異常気象の果てのポールシフトの予測、なんて突拍子もない読み方をしたくなった句です。この場合の「季語」、実は春夏秋冬ではなくて地球規模の惑星的時間軸のピーク手前、なんて壮大な「歴史的季語」解釈です。伝統的な韻律に反則級の面白さのぶつける小気味よさ、とっても素敵です。
お勧め致します。
さらにいくつもの傑作が贅沢に味わえるように詠まれておりますので、ぜひ皆様にも知って頂きたいと強く思います。凄いです。
宜しくお願い致します( ;∀;)