第5話 ライバル組との全面戦争ギャンブル
「ボス……ついに来ました。あのライバル組『黒牙(こくが)』です。」
クロスが屋敷の窓から報告する。黒スーツに黒マント、鋭い目つきの連中が、街を囲むように集まっていた。勝負は一触即発、いや一振即発と言っていいレベル。
ルナは腕組みし、唇を引き結ぶ。
「ボス、今回は真剣勝負です。街全体を巻き込む前回の勝負とは桁が違います。」
ボボは目を輝かせ、飛び跳ねる。
「にゃはは!楽しそうー!ボス、全力でやろうー!」
カズマは軽く笑った。
「よし、勝つしかないな。前回より規模が大きいけど、作戦は同じ。笑いながら、ちょっとだけイカサマ。」
⸻
勝負の舞台は街の中心部。今回のルールは「複合ギャンブル戦」。ブラックジャック、ルーレット、サイコロ、そして街の人々まで巻き込んだ奇想天外な競技だ。
カズマはカードに微妙な魔法印を刻み、ルナは光の魔法で数字を読みやすくする。
ボボは相手陣に小さな混乱を巻き起こし、クロスは情報を操作して相手の戦略を少しずつずらす。
黒牙組も魔法と策略を駆使してくる。数字が次々に変動し、街全体が笑いと歓声、そして緊張で揺れる。
⸻
最後の一投。街の中心に設置された巨大サイコロが転がる。
相手のボスも魔法で操作するが、カズマは現代知識と微妙なイカサマを組み合わせ、勝利ラインをわずかに引き寄せた。
「……止まれ!」
サイコロが止まった瞬間、ボボがまた飛び上がり、相手のカードをくすぐる。黒牙組は慌てて数字を間違え、勝敗は桜井カズマの組に決定。
街全体が歓声で揺れる中、ルナは肩を落とす。
「……また、ギャグで勝ったの?」
カズマは笑顔で答える。
「ギャグもイカサマも、勝つための戦術だ。笑いながら勝つのが俺たちのやり方。」
ボボは跳ね回りながら叫ぶ。
「次はもっと大きい勝負だー!」
こうして桜井カズマは、ライバル組との全面戦争ギャンブルに勝利。街全体を巻き込む大騒動も無事収束した。
しかし、カズマの胸の奥には次の戦いへの予感があった――より強力な敵、より大規模なギャンブル、そしてもっと笑える混乱が待っていると。
桜井カズマの異世界マフィア伝説は、笑いとイカサマ、そして波乱に満ちたまま、まだまだ続くのだった。
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