言葉遊びなど雑談めく場所

白湯の氷漬け

好きな言葉50音+α あ行~な行

「#字書きが自分の好きな言葉を50音順にひとつずつ並べて自分脳内辞典を作る」

 このハッシュタグをご存じでしょうか。見た瞬間に惹かれ、アドレナリンのままに書き連ねたものを置いていきます。意味は調べたものをママ載せるわきゃいかん、ということで例文により味付けしております。

 長文のため数行ずつ分けて投稿していきます。



【(五十音) - (言葉)(読み)】(例文)


【あ - 青天井(あおてんじょう)】意を決して首を上げると、のっぺりと広がる青天井に見下ろされた。

【い - 幾許(いくばく)】幾許も無い硬貨を握りしめ、最後の賭けに挑む。

【う - 空五倍子色(うつぶしいろ)】コートも手袋も空五倍子色で、モカという呼び名が良く似合った。

【え - 厭世(えんせい)】厭世を唱えてもなお、蜘蛛の糸を待っている。

【お - 鷹揚(おうよう)】会場のオーナーは微笑み、鷹揚と歩を進める。


【か - 諧謔(かいぎゃく)】視線が互いの呼吸を読み合い、冷え切った空気を打ち破ったのは、へらへらとした諧謔だった。

【き - キセル(きせる)】キセルをくわえた隙間から、帯のように煙が漏れていく。

【く - 口遊む(くちずさむ)】そびえ立つ商品棚を見上げ、親を探して右往左往し、不安を抑えつけるよう童謡を口遊んだ。

【け - 倦厭(けんえん)】倦厭してきたツケが回ってきた。どうにも間に合わなかったようだった。

【こ - 昏々(こんこん)】冬の山は灰色と銀に覆われ、昏々と眠り続けている。


【さ - 冴ゆ(さゆ)】秋の早朝に街角で、冴ゆる声に耳を掴まれた。

【し - 娑婆(しゃば)】娑婆とは俗世間の事であるが、俗世間で言う娑婆は俗世間のこととはズレる。

【す - 素っ頓狂(すっとんきょう)】古びたキーボードは素っ頓狂なビープ音とともに眠ってしまった。

【せ - 淅瀝(せきれき)】老いた松は、佇む彼女さえもどこか淅瀝と儚くさせた。

【そ - そぞろ(そぞろ)】気もそぞろに手をこする彼は、神経質そうにひゅっと息を吸った。


【た - 袂を分かつ(たもとをわかつ)】袂を分かつ、最後まで互いのため。

【ち - 蟄居(ちっきょ)】休みにかまけて蟄居する日々が何より愛しい。

【つ - ついぞ(ついぞ)】ついぞ赤い星の最期に出会ったことはない。

【て - 体(てい)】警察と密告者は友人という体でパーティーに忍び込む。

【と - 徒跣(とせん)】徒跣で駆けだす。足裏に砂がめりこんで焼かれ、蜃気楼でなかったら、どれほど爽やかな灼熱であっただろう。


【な - 撫ぜる(なぜる)】風がすう、と頬を撫ぜ、涙が冷えてその筋を示した。

【に - 錦(にしき)】夢見た滝登りにはついぞ届かず、破れた錦は涙に濡れる。

【ぬ - ぬばたま(ぬばたま)】ぬばたまのごとく沈んだ森に手招かれる。

【ね - 根深汁(ねぶかじる)】深夜三時の根深汁に、救われた心地の息をつく。

【の - のらりくらり(のらりくらり)】銃弾のような言葉の雨をのらりくらりとかわしていく。

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