第21話 痴女に捕まった三流絵師 もう逃げられねぇぞ

 ブースの撤収を終えた二人は、一緒に色々な同人誌を見に行く。むにぎりはコスプレをしたままの姿である。

 どうやらむにぎりは、男性向けエロ同人誌に強い興味があるらしい。エロコスプレした女の子と一緒にこういうエロいものを物色するのは人生初体験であった。江口は今このとき、今までの人生で一番楽しかった。


(あ~…生きててよかった……)


 むにぎりの姿をチラ見する。先ほど運営スタッフにチェックされたときは、露出対策のボディタイツを着ていたはずだが、今は着ていない。


(なぜだ!?いつの間に着替えたんだ!?手品の早着替え!?)


 そしてイベントが終わった。むにぎりが話しかけてきた。


「はるまき先生、お疲れ様でしたー。よかったらこの後ボクとご飯どうです?」


「行きます!!!」


(女の子からご飯に誘われたうれてぃいいいいいいいいいいい!!!!!!)


 そして女子更衣室に行き、速攻で着替えてきたむにぎり氏。例のスケスケドスケベ私服である。


https://kakuyomu.jp/users/Tamalilis/news/822139837471182627


「あ、はるまき先生ー!いこいこ」


 改めてむにぎりの私服を眺める江口。


(うわ何度も見てもすっげぇ私服……コスプレじゃないんだなこれ。ってかパンツ穿いて無くない?ブラジャーも着けてなくない?ノーパンノーブラシースルー私服???やばない???)


 二人は一緒にファミレスで食事をした。


「ボクけっこう奮発しちゃった。この後一緒に読もうね。はるまき先生。あー楽しみだなぁ」


「えっと、どこで読むんでしたっけ?」


「え?言わなかったっけ。ホテル手配してるよ」


「ほ、ホテっ……」


 一瞬、江口の頭の中に邪念が渦巻いた。


(これもしかしてオフパコできるのでは??)


 だが江口は邪念を振り払った。


(イカンイカン!!!親切にも売り子やってくれた人にそんな目を向けちゃイカン!!)


 しかし股間は正直だった。江口のズボンの中で、半勃ちのナニかが脈動し始めている。


(鎮めろ!!!血の滾りを鎮めろ!!!そういうんじゃないから!!きっとそういうんじゃないから!!)


 食事を終え、むにぎりに案内されるがままにホテルへついていく江口。むにぎりはフロントで鍵を受け取った。


 ……鍵は一つだけだった。



 鍵 は 一 つ だ け だ っ た 。


 江口はおそるおそる尋ねる。


「む、むにぎりさん、鍵一つだけみたいですが……?」


 むにぎりの様子を見ると……、むにぎりの頬は紅潮し、荒い息遣いをしていた。


「え?はるまきせんせいはイヤ?ボクと同じ部屋で寝るの」


「イヤ……じゃ……ないです……」


 江口はズボンの前にテントが張ったのをはっきり感じ取り、即座にバッグで股間を隠した。


(そうだ、きっと宿泊料金浮かせるためだな!?むにぎりさんって経済的だなぁ!!うん、俺の下心、バレてませんように、バレてませんように……!)

 

 そう天に祈る江口。その様子を横目で見るむにぎりの目は……、肉食獣のようにギラついていた。


 


 ホテルの部屋に入った二人。むにぎりは伸びをする。江口は正直、これから何をするのかよく分かっていなかった。自分は何に誘われたんだ?戦利品の読み合いっことは何なんだ?文字通りのことなのか?


「はぁ~、汗かいたー。シャワー浴びよ、はるまきせんせ」


「そ、そうっすね……」


「はるまき先生、先浴びてていいよ。ボク準備するから」


「あ、は、はい、ども……」


 江口はシャワールームに入り、シャワーを浴びた。股間のイチモツはずっとギンギンだった。


(いつもはそろそろフクロウミノミちゃんのエロ絵とか、むにぎりさんのエロ動画で一発抜く時間だな……。あ~しこりてぇ……!)


 その時、江口は改めて気づいた。いつもオカズにしまくっているドスケベコスプレイヤーと、今同じホテルの部屋に泊まっているのだ。興奮が収まらない。


(今日はさすがに女の人と泊まるんだからオナ禁しなきゃな……!あーでも過去イチ抜きたい!!!しこりたい!!!!!でも我慢しなきゃ!!!!)


 シャワーを浴び終えて、バスローブを着る江口。バスローブの下半身のところにはギンッギンにテントが張っている。バレないように、脱いだ服で前を隠しながら出る。


「上がりましたよー、次むにぎりさ……うお!?」


 シャワーから出た後の江口は、目の前の光景に驚いた。むにぎりは……


「んっ♥んっ、ふぅっ♥んくっ……♥」


 なんとむにぎりは、エロ同人誌を読みながら自らの股間をまさぐっている!!!


「なっナニしてるんですかッッッむにぎりさん!!!!??」


 これまで江口は、映像の中でむにぎりがこの行為をしている光景を見ながら、何発も何発もティッシュの塊を転がした。その光景が今目の前で繰り広げられている!

 江口の股間の発射台は過去イチの硬度と高度でガッチガチになっていた。


「ごめん、はるまきせんせ♥これから先生とするって思ったら、もう我慢できなくって♥んぅ♥手♥とまんない♥」


「する?するって、何を??」


「えぇ?一緒にエッチな本読むんですよぉ♥んっ、だったらぁ、一緒にするよね?えっちなこと♥ね?」


「!!??!?!??」


 むにぎりの発言に驚いた江口は、前を隠していた衣服を落としてしまった。ギンギンに張ったテントがバスローブを押し上げている。


「あはっ♥やっぱりはるまき先生も、そのつもりで来てくれてたんだね♥本の読み合いっこだけじゃなく、使い合いっこもしよ?」


「つ、使い合いっこって、何を……?」


「はるまき先生って普段するとき、オモチャって使ってます?なんとかホールとか」


「い、いや、て、手で、してるけど……」


「えへっ♪じゃあ今日はぁ、エッチな本読みながら、するときぃ……♥これ使って、抜いてみて♥」


 そう言うと、むにぎりはミニスカートをたくし上げた。スカートの下はやはり……!


「はっ、穿いてない…!!」


「えへっ♥その代わり、ボクにも先生のこ・れ♥使わせてね♥」


 そう言うと、むにぎりは江口のバスローブに張ったギンギンのテントを、つんつんと指で触った。


「はうぅ!!」


「ほんとは今すぐしたいけど……、ボクもシャワー浴びて来るね♥このままじゃ汗くさいし」


 そう言うと、むにぎりは江口の耳元に口を寄せて、ひそひそと囁いた。


「せんせ……、ハダカと、フクロウミノミちゃんのコスプレ、どっちがいい?」


「フクロ、ウミノミちゃんで、お願いしますッッ」


「うん♪」


 そう言うと、むにぎりはシャワールームへ入っていった。

 唖然とする江口。


「……え?今むにぎりさん……、何してた?これから何するって?」


 すっとぼけようがない。答えはギンギンに張ったテントが知っている。


(これワンチャンオフパコできるんじゃね?????????)


 江口は期待に胸を高鳴らせた。もしかしたら童貞卒業できるのでは???


 ベッドに座った江口は、一発抜きたくなる欲望を必死にこらえながら、むにぎりがシャワーから出てくるのを待った。


 

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