第23話 自慰の強要

  蓮の部屋のドアは厳重に閉じられた。内側から椅子でバリケードが作られ陽菜の無断侵入を阻んでいる。しかしその堅固な砦は陽菜の物理的な侵入を防ぐためだけのものだ。彼女が仕掛けるデジタルな挑発に蓮の心はすでに侵略されていた。画面いっぱいに表示された一日履いたパンティーの生々しい写真。そこから放たれる淫靡なオーラは蓮の理性の壁をいとも容易く突き破った。彼はもう勉強どころではなかった。参考書の上にペンが滑り落ちる。その音だけが静かな部屋に響き渡った。


  「一日オシッコしてほとんど拭かずにいたらこんなになっちゃった♡」


  追い打ちをかけるような追い打ちをかけるようなメッセージ。それは蓮の脳髄を直接揺さぶる言葉だった。清らかな優等生が一夜で淫らな雌犬へと変貌した。その驚くべきギャップが蓮の好奇心と欲望を際限なく増幅させる。彼はもうどうにでもなれという自暴自棄な気持ちに支配されていた。受験という重圧。陽菜という甘美な毒。その二つが彼の心を極限まで追い詰めた。蓮は椅子を乱暴に蹴り飛ばしバリケードを崩した。ガラガラとけたたましい音が部屋に響き渡る。その音すらもはやどうでもよかった。


  部屋を出た蓮は陽菜の部屋のドアノブに手をかけた。冷たい金属の感触が彼の興奮をさらに煽る。ドアを開けると陽菜はベッドに腰掛けスマホをいじっていた。しかしその顔は蓮の予想通り蕩けきっていた。彼女は部屋に閉じこもる蓮の様子をSNSで楽しんでいたのだ。蓮の視線に気づいた陽菜はスマホを放り出し微笑む。


  「どうしたのお兄ちゃん。勉強はもう終わり?」


  蓮は言葉を発さなかった。ただ彼女に近寄りベッドに押し倒す。陽菜はされるがままにベッドに沈み込んだ。その瞳は潤み切っており蓮を誘うかのように見つめている。蓮は陽菜の上にのしかかりその両手首を片手で抑えつけた。


  「お前は俺が勉強している間も俺のために感じてろ」


  蓮の低く支配的な声が陽菜の耳元で囁かれる。陽菜の身体はびくりと跳ね上がった。その言葉は彼女の最も奥深い欲望を呼び覚ます魔法の言葉だった。蓮の言葉に陽菜の秘裂は一気に潤んだ。彼はそのまま陽菜をベッドに残し机に向かう。


  「ほら早く始めろ」


  蓮はペンを手に取り参考書を広げる。しかしその視線は陽菜に向けられていた。陽菜は羞恥で顔を真っ赤に染めながらもゆっくりと指を秘裂へと這わせる。蓮の視線が突き刺さる。その視線が彼女の羞恥心を刺激し快感へと変えていく。彼女の指が秘裂の割れ目を優しくなぞる。


  「ふぅ……んぅ……」


  陽菜はか細い喘ぎを漏らした。蓮はペンを走らせる。だがその手は震えており文字は乱れていた。頭の中は陽菜の吐息でいっぱいだった。彼女の濡れた指が秘裂を優しく擦る。じゅくじゅくと水っぽい音が部屋の静寂を破る。


  「んんぅ……ひぃ……っ」


  蓮はペンを止め陽菜の顔を見つめた。彼女の瞳は潤み表情は蕩けきっている。乳首は硬く尖り秘裂からは蜜が溢れ出していた。自分のためにこんなにも乱れている陽菜を見て蓮の支配欲は満たされていく。そして股間は痛いほどに硬くなっていた。


  陽菜の指が秘所を擦るたび蓮の股間は脈打つ。彼女は自分の身体が蓮の視線に反応し勝手に感じてしまうことに羞恥と快感を覚えていた。


  「はぁ……はぁ……蓮くん……」


  陽菜は蓮の名前を甘く呼ぶ。蓮は何も答えずただ見つめていた。その無言の視線が陽菜をさらに興奮させる。彼女の指が動きを速める。


  「ぁ……あああああぁあ……っ!」


  陽菜の身体が大きく震える。腰が浮き上がり絶頂の波が押し寄せる。彼女の身体は蓮の視線を一身に浴びながら最高の悦びを感じていた。蓮はそんな陽菜の姿を見て自分の支配欲が満たされるのを感じた。そして同時に彼女の純粋な恋心がこの歪んだ行為を支えていることを悟った。彼は再びペンを走らせ始めた。もう文字は乱れていなかった。陽菜の喘ぎ声と濡れた水音が彼の集中力を高めていた。彼は陽菜を自分の支配下に置きながらも同時に彼女の愛を受け取っていた。その背徳的な快感に蓮は酔いしれていた。それはまさに究極の自己満足だった。彼はもう受験勉強に戻ることはできない。陽菜という甘美な毒が彼の日常を完全に支配していた。

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