第11話 布越しの愛撫


 僕の指は陽菜の尻肉を揉みしだく動きを緩めより繊細な動きへと変わっていった。指が優しく滑り下着の布をなぞるように動く。手のひらの下で彼女の身体がびくんと震える度に僕の征服欲は満たされていく。単なる衝動的な行為だった僕の動きに今は探求心とより深く彼女に触れたいという渇望が混じっていた。僕は知りたい。この布の下に隠された彼女の秘密を全て。


 僕の指先が食い込んだTバックの生地をなぞりそのまま尻の割れ目へと進んでいく。布の薄い生地越しに彼女の秘められた場所の熱を感じた。僕は親指の腹でその布を優しく押し当てる。すると陽菜の身体が再び大きく跳ね上がった。それは驚きでも痛みでもない純粋な快感に支配された反応だった。指先に伝わる布越しの硬く小さな突起の感触に僕の脳髄は痺れた。


 「ひゃっ♡」


 陽菜から漏れたのは甲高い悲鳴にも似た声だった。それは心の底から込み上げる快感に抗うことができない一人の女の叫びだった。その声が僕の耳に届き僕の理性をさらに揺さぶる。このままではだめだ。もっと。もっと深く。この布越しではなく直接触れたい。そんな抗いようのない欲望が僕の全身を支配した。


 陽菜は計算外の快感に思考が追いつかなかった。彼の指が私の尻を揉みしだいていた時は羞恥心と快感が混じり合っていた。だが今は違う。彼の指が布越しに突起を探り当て押し当てられた瞬間、全身の血液が一気に下半身に集まるのを感じた。脚が小刻みに震え身体が彼の指の動きに勝手に反応してしまう。布の下からじわりと熱い湿り気が滲み出て、それが彼の指に伝わる。その感覚に僕は究極の羞恥心とそれすらも上回る快感を感じていた。


 部屋には下着から滲み出す蜜の匂いが微かに漂い始めた。それは陽菜自身の甘い体臭と混じり合い僕の嗅覚を刺激する。僕はその淫靡な匂いにさらに興奮し彼女の身体を支配しているという実感を強くした。僕の指は布越しに硬い突起を押し当て続ける。陽菜の身体は快感に溺れもう僕の指を求めるように腰を揺らし始めていた。


 この状況はもはや僕のコントロール下にあった。彼女の身体は僕の意志に完全に服従している。僕はその事実に深い征服感と陶酔を覚えた。陽菜の身体から漏れ出る声も熱も匂いも全てが僕の欲望を増幅させていく。僕はもう止まらない。この布越しのもどかしさを解き放ち、彼女の全てを露わにしたい。そんな強い欲望が僕の心を支配した。


 陽菜はもう何も考えられなかった。ただ彼の指がもたらす快感に身を任せる。彼の指が触れているその場所だけが熱くそして身体の中心がねじれるような快感に襲われる。もうこの身体は彼のものだ。この快感に溺れるこの身体は彼によって引き起こされたものなのだ。僕は彼の指の動きに身を任せただひたすらに喘ぎ声を漏らし続けた。

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