20xx/yy/zz1.2

出来上がった小説を読み返してみれば、なんとまぁ稚拙極まれり。思えば文章など、大学入試以来ろくに書いてこなかったのではないか。

いや、深夜テンションなだけか。

「無駄に自尊心が高いんだよな」

こんなことを思うのも己に失望したくないだけなのかもしれない。特別なものを持つ人間を巨万と見てきた。そのせいからか、自分を特別だと思わなければおおよそ正気も保てないのである。

「つくづく、自分は小心者だ」

こんな事を考えている間に、空は白みだした。秋に差し掛かったとはいえ、夜が明けるのはまだ早い。

思考を止めて、眠りに入ろうとする。

…しかしまぁ、すぐに気持ちなど切り替えられるわけも無く、やれ『何故生命体は眠るのか』だとか、

やれ『明日の昼は何しよう』だとか、『学校の課題やらなきゃな』だとかどうでもいい事(どうでもよくはない。みんなは課題をやろう。お兄さんとの約束ダゾ☆)を思考の海に投げ掛けては、帰ってくるわけもなく沈んでいく。このままじゃいよいよダメだ。…逃げちゃだめだ、逃げちゃだm(……。

本当に寝なくてはならない。早急に。

「おやすみ」

誰に言うでもなく放った一言は、乱雑にモノが投げ出された部屋に消え入った。

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