幼馴染の檻、妻の鎖
舞夢宜人
鎖を愛と呼ぶとき、私は彼の妻になる。
#### 第1話:『触れそうで、触れない』
カフェの窓から射し込む午後の光がテーブルの上に柔らかな模様を描いていた。永遠はミルクティーのグラスを指先でゆっくりと撫でた。氷がカランと音を立てるたびに彼女の胸の奥で小さな痛みが弾けるような気がした。
向かいに座る碧はスマホの画面に目を落としたまま、口元に微かな笑みを浮かべている。その表情は永遠に向けられたものではなかった。隣のテーブルに座る女性たちと楽しそうに話す碧の声が永遠の耳に届く。
「へえ、和泉くんってそんなに絵が上手いんだ」
「いやそこまでじゃないですよ」
謙遜しながらも嬉しそうな碧の声が永遠の心臓をぎゅっと締め付けた。どうして彼は私といるときより彼女たちといるときの方が楽しそうなのだろう。そんな幼稚な嫉妬心が永遠の胸を焼いた。
ずっと隣にいた。生まれたときからずっと一緒だった。いつしかそれは当たり前になり、「特別」という言葉では足りないほど唯一無二の存在になった。しかしその関係は決して恋人という形にはならない。永遠はそれが怖かった。この穏やかな幼馴染という関係が崩れてしまうことが。でももし壊れなければ、私と彼はこのまま平行線のまま一生交わらないのではないか。
永遠はグラスから手を離し、その冷たさで火照った指先を落ち着かせようとした。碧がそちらの女性たちと話している間、永遠はただ静かに彼の横顔を見つめていた。少し長めの前髪が碧の涼しげな瞳の半分を隠している。時折見える彼の視線は優しくて穏やかだ。しかしその優しさは私だけのものではない。誰にでも分け与えられる普遍的な優しさ。それが永遠を一番苦しめる。
「永遠、どうかした?」
不意に碧の声が永遠を現実に引き戻した。
「ううん、なんでもない」
永遠は慌てて笑顔を作った。碧は永遠の表情をじっと見つめると「そっか」と短く答えて再びスマホに目を戻した。その簡潔な返事が永遠の心をさらにえぐり取る。永遠は分かっていた。碧に悪気はないのだ。彼の優しさは永遠にとっての鎖ではなく、彼自身の優しさの形なのだと。それが分かっているからこそ、永遠は何も言えなかった。言えばこの穏やかな時間が壊れてしまうから。
永遠はもう一度グラスに手を伸ばし、今度はゆっくりとそれを傾けた。冷たいミルクティーが喉を潤す。しかし胸の奥の熱は消えない。いつになったらこの熱は冷めるのだろう。それともこのまま熱いまま燃え尽きてしまうのだろうか。永遠は自分がどうしたいのか分からなくなっていた。ただこのままではいけないという焦燥感だけが永遠の心を支配する。
隣の女性たちが立ち上がって碧に挨拶する。
「それじゃ和泉くん、またね」
「はいまた」
碧は穏やかに微笑んで見送った。そして再び永遠に向き直る。
「そろそろ帰ろうか」
そう言って碧はいつものように永遠のグラスを手に取り、先に席を立った。永遠はその後ろ姿を追いながら心の中で叫んだ。
「私たち、いつまでこのままでいるの。」
カフェを出ると、夕方のひんやりとした空気が永遠の頬を撫でた。夏が終わりを告げ、秋の気配が少しずつ深まっていく。季節が変わるように、私たちも変われたらいいのに。永遠はそう願った。しかし彼と私の間に横たわる「幼馴染」という目に見えない分厚い壁はびくともしない。触れそうで触れない永遠と碧の関係。それは永遠にとって甘くて苦い檻だった。
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#### 第2話:『その日、境界線が溶けた』
カフェを出てから二人はいつものように並んで歩き始めた。夕焼けに染まる街並みが永遠の心を少しだけ穏やかにする。今日はやけに月が綺麗だなと永遠が思ったその瞬間、空が急に暗くなりポツポツと雨粒が落ちてきた。
「うわっ急な雨」
永遠は慌てて鞄の中を探したが、折りたたみ傘はいつものように入っていなかった。
「あーあ、今日に限って」
永遠ががっくりと肩を落とすと、碧は自分の大きな傘を広げた。
「俺の傘に入りなよ」
碧は永遠に傘を差し出す。それはいつもと違う。いつもなら「じゃあ俺の部屋まで走ろう」と冗談めかして笑うはずだった。しかし今夜の碧はただ静かに傘の柄を永遠に差し出した。
「でも碧の部屋遠いし」
「大丈夫だよ」
永遠は碧の真意を測りかねた。彼の顔にはいつもの穏やかな表情が浮かんでいる。永遠は戸惑いながらも、彼の傘の下に入った。二人の肩が触れ合う。いつもより近い距離に永遠の心臓が早鐘を打ち始めた。
雨脚は次第に強くなり、まるで二人の関係を試すかのように激しく降り注いだ。碧は永遠が濡れないようにと傘を永遠の方へ傾けてくれた。その度に彼の肩が雨に濡れる。永遠はその優しさが嬉しくて、切なくて、複雑な気持ちになった。
「風邪ひくよ」
永遠が心配してそう言うと、碧はいつものように柔らかく微笑んで言った。
「大丈夫。それより早く部屋に着かないと永遠が濡れちゃう」
その言葉が永遠の胸を熱くする。いつもは当たり前に交わされる言葉なのに、今日のこの雨の中で聞くその言葉は永遠の心に深く染み渡った。
碧の部屋に着く頃には、永遠の制服は肩口が少し濡れていた。碧の部屋のドアを開けると、見慣れた匂いが永遠の鼻をくすぐる。それは碧の部屋の匂いでもあり、幼い頃から慣れ親しんだ永遠にとっての「家」の匂いでもあった。
「タオル使って」
碧は永遠にタオルを差し出した。永遠は何も言わずにタオルを受け取った。その手に触れた彼の指先が熱い。永遠の心臓はさらに速く高鳴り始めた。
「シャワー浴びる?」
碧の問いかけに、永遠は小さく頷いた。
「着替え貸すから」
そう言って碧は自分のクローゼットからTシャツとスウェットを出してくれた。永遠は着替えを手に取りバスルームへ向かう。シャワーの温かい湯気が永遠の濡れた身体を包み込んだ。温かさと共に永遠は自分の心の中にある熱を自覚した。今、私は碧の部屋にいる。しかもこの雨のせいで今夜はここに泊まることになるだろう。こんな展開、まるでドラマみたい。永遠の心は期待と不安で揺れていた。
シャワーから上がり、碧に借りたTシャツとスウェットに着替える。Tシャツは碧の匂いがして、永遠は無意識のうちにその匂いを深く吸い込んだ。
バスルームから出ると、碧はソファに座って待っていた。永遠の着替えを見た碧の表情が、少しだけ硬くなったような気がした。
「なんか変かな?」
永遠がそう聞くと、碧は慌てて首を振った。
「ううん、全然。似合ってる」
いつものように穏やかな声でそう答えた碧の言葉は、永遠の心を温かく満たした。
その夜、永遠と碧の間に流れる空気はいつもと少し違っていた。それは雨のせいか、それともこの部屋に二人きりという状況のせいか。永遠はソファに座り、碧は床に座って向き合っていた。互いに言葉を探しながらも、どちらも口を開かない。沈黙が重く二人を包み込む。永遠は碧の瞳をじっと見つめた。その瞳の奥に、いつも隠されている彼の本音が垣間見えるような気がした。
そしてその夜、二人の間にある境界線はゆっくりと溶け始めた。
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#### 第3話:『初めての痛み、初めての甘さ』
リビングの沈黙が、永遠の心臓の音をより鮮明にさせた。ソファに座る永遠と床に座る碧の間にはたった数センチの隙間しかなく、そのわずかな空間が二人を隔てる境界線だった。
永遠は碧の顔をじっと見つめる。いつもは穏やかな彼の瞳が、今夜は少しだけ揺れている。永遠は自分の胸に手を当ててみた。ドクン、ドクンと不規則に脈打つ心臓の音は、まるで彼に触れてほしいと願っているかのようだった。
「ねえ、碧」
永遠は意を決して彼を呼んだ。しかし言葉はそれ以上続かない。碧は永遠のその声に顔を上げ、じっと永遠の目を見つめた。その眼差しは優しさと少しの戸惑いを秘めている。
永遠は彼に手を伸ばした。震える指先が碧の頬に触れる。少し冷たいような彼の肌の感触に、永遠は安堵した。
碧は永遠の手をそっと自分の手で包み込んだ。
「永遠」
碧の声が小さく永遠の名を呼ぶ。その声がまるで魔法のように永遠の心を解き放った。永遠は彼の顔を両手で挟み込み、ゆっくりと自分の顔を彼に近づけた。碧は抵抗しない。ただ静かに永遠を受け入れた。そして二人の唇がそっと触れ合った。
それは永遠にとって初めてのキスだった。初めての感触は想像していたよりもずっと柔らかく甘かった。しかしそれは一瞬で終わる。碧の唇が永遠の唇から離れた。永遠は名残惜しそうに唇を追う。碧は驚いたように永遠の顔を見つめた。
「夢じゃないよね」
永遠は心の中でそうつぶやいた。この瞬間が夢であってほしくない。でも夢だったらどんなにいいだろう。そうすればこの後の残酷な現実に直面しなくて済む。そんな矛盾した感情が永遠の心を支配した。
碧は永遠の唇を自分の指でそっとなぞった。そして再びゆっくりと顔を近づけ、今度は少しだけ力を込めて永遠の唇にキスをした。唇がずれてまた重なる。二人の呼吸が混ざり合い、永遠は自分が今生きていることを実感した。碧のぎこちないキスは決して上手ではない。しかしその不器用さが永遠の心を深く満たした。永遠は碧の首に手を回し、さらに深くキスを求めた。
碧は永遠の要求に応えるようにさらに深くキスをした。舌が絡み合い、唾液を混ぜ合わせる。永遠は初めてのキスの甘さに、身体中が痺れるような感覚を覚えた。しかしその甘さの中にどこか痛みが混じっている。それはこの関係が変わってしまうことへの喜びと恐怖だった。
永遠は碧の首にしがみつきながら、この時間が永遠に続いてほしいと願った。そして碧もまた永遠の背中に手を回し、永遠を抱きしめた。その抱擁は決して強くはないが、永遠を十分に包み込む温かさがあった。
二人の心は確かにこの瞬間結ばれた。しかしそれはまだ、幼馴染という境界線を越えたばかりの小さな一歩に過ぎなかった。この先に待ち受ける残酷な現実を、永遠はまだ知らなかった。永遠はただこの甘くて優しいキスを求めていた。
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#### 第4話:『熱い指先、濡れた音』
激しいキスの後、二人はゆっくりと唇を離した。永遠は息を弾ませながら碧の顔を見つめる。碧の瞳はいつになく真剣で、彼の頬は少し赤く染まっていた。永遠は自分の心臓がまだ高鳴っていることを感じながら、碧の胸にそっと顔を埋めた。
「碧」
永遠が小さな声で彼の名前を呼ぶと、碧は永遠の背中を優しく撫でた。その指先が永遠の背骨をゆっくりと下っていく。永遠の身体はぴくっと震えた。碧は永遠の身体が震えていることに気づくと、慌てて手を離そうとした。
「ごめん、嫌だった?」
碧の声が不安そうに震える。
「ううん、違うの」
永遠は碧の震える指を掴んで、自分の身体に押し付けた。
「もっと、触ってほしい」
永遠は自分の正直な気持ちを伝えた。碧は少し戸惑いながらも、再び永遠の背中を撫で始めた。そしてその指先はゆっくりと永遠の肩から鎖骨へと滑り落ちていく。永遠は目を閉じてその感触に集中した。華奢な首筋と鎖骨のラインに触れた碧の指先は、まるで宝石を扱うかのように優しかった。
碧の指は永遠のTシャツの裾から中へと入っていった。直接肌に触れるその感触に、永遠の身体はさらに熱を帯びる。碧の指は永遠の背中をゆっくりと撫で、胸へと向かっていく。そしてブラジャーのホックを外そうと探る碧の指が、永遠の胸をかすめた。
「っ…」
永遠は思わず息をのんだ。碧の指は不器用で震えていた。しかしその不器用さが永遠の心をより強く揺さぶった。碧はブラジャーのホックを外すことができずにいた。永遠はそっと碧の手に自分の手を重ねて、ホックを外す手伝いをした。
ホックが外れた瞬間、永遠の胸が解放される。碧の指が永遠の柔らかな胸に触れた。熱い指先が永遠の乳首をそっとつまむ。その瞬間、永遠の身体はぴくっと硬くなり、下腹部から何かが漏れ出すような濡れた音がした。
「ひっ…」
永遠は恥ずかしくて声を出した。碧の指が永遠の乳首を優しく転がす。その刺激は、永遠が今まで経験したことのない快感だった。永遠は息を弾ませながら碧の指先を追いかける。碧は永遠の反応に気づき、ゆっくりと腰を落とし、永遠の足元に跪いた。そして永遠のスウェットの中に、震える指を差し入れる。
永遠のショーツの中に触れた碧の指先は、永遠の熱を持った下半身を探った。そしてゆっくりと永遠のデリケートな部分に触れた。永遠は全身に電気が走るような感覚を覚える。
「…っは…」
永遠は思わず声を出した。碧の指は永遠の濡れた部分を優しくなぞる。永遠は初めての快感に身体をよじった。
「永遠」
碧の声が永遠の耳元で小さく響く。永遠は碧の優しい声と熱い指先がもたらす快感に溺れていた。この瞬間、永遠は彼にすべてを捧げたいと強く願った。
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#### 第5話:『深淵へ、ゆっくりと』
碧の熱い指先が永遠の下腹部を優しく撫でる。永遠は自分でも驚くほど、身体が正直に反応しているのを感じた。熱を持った部分から溢れ出す愛液が、碧の指先を濡らしている。碧は永遠の濡れ具合に安堵したかのように息を吐きながら、永遠のショーツをゆっくりと脱がせた。
永遠の太ももからショーツがゆっくりと下りていく。その様子を、永遠は恥ずかしさで目を閉じて見ることができなかった。しかし心の中では、早く彼のものを受け入れたいという強い願望が湧き上がっていた。
碧の指が永遠の太ももを優しく撫でる。永遠は目を閉じながら、彼の次の行動を待っていた。そして碧はゆっくりと永遠の股の間に膝を入れ、永遠の身体を広げた。永遠は身体が勝手に反応するのを感じた。
「ひより、怖くない?」
碧の声が永遠の耳元で優しく囁かれる。その声は優しさに満ち溢れていて、永遠の心の中の不安を少しだけ溶かしてくれた。
「大丈夫だよ」
永遠は震える声でそう答えた。碧は永遠の言葉に安堵したかのように、ゆっくりと自分のものを永遠の入り口に当てた。永遠は目を閉じ、異物感への驚きを感じながらも、彼のものを受け入れたいという強い気持ちでいっぱいだった。
碧は永遠の表情を伺いながら、ゆっくりと永遠の中に入っていった。永遠は「くちゅっ」という生々しい音に、自分の身体が熱を持ってゾクゾクと震えるのを感じた。彼のものはゆっくりと深く、永遠の中へと進んでいく。永遠は足先まで力が入り、全身が震えるのを感じた。
「っ…っ……」
永遠は声にならない声を上げた。碧のものが永遠の一番奥まで到達する。
「ぁ…っ…」
永遠は思わず声を出した。その瞬間、永遠は彼と「繋がっている」という幸福感に包まれた。
碧は永遠の身体の反応を確かめるかのように、動きを止めた。永遠は彼の動きに合わせて腰をゆっくりと揺らす。碧は永遠の行動に驚きながらも、永遠の中にある温かさを感じ取っていた。
永遠は碧の背中に手を回し、彼を強く抱きしめた。この瞬間、永遠と碧は幼馴染という檻を壊し、新たな関係へと一歩踏み出したのだ。
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#### 第6話:『一番奥の熱』
碧のものが永遠の一番奥まで深く入ってくる。永遠は身体中に電気が走るような衝撃を覚えた。それは想像を遥かに超える熱と重みだった。碧のものが永遠の中に入っていくたびに、永遠の身体はぴくぴくと震える。
「ぁあっ」
永遠は思わず甘い声を漏らした。その声に碧は安堵したかのように、永遠の首筋に顔を埋めた。碧の吐息が永遠の肌を熱くする。永遠は自分の身体が碧の形に合わせてゆっくりと変形していくのを感じた。
碧はゆっくりと永遠の中で動き始めた。永遠は彼の動きに合わせて腰を動かす。しかし碧はまだ永遠を気遣うように、ゆっくりと優しく動いていた。永遠は彼の優しさが嬉しかった。しかしそれでは物足りなかった。
「もっと、速く…」
永遠は碧の耳元で囁いた。碧は永遠の言葉に少し驚きながらも、ゆっくりと腰を動かすスピードを上げた。永遠は彼の動きに合わせて腰を揺らす。
「んっ…んっ…」
永遠は自分の身体が正直に反応していることに驚きながらも、快感に溺れていった。碧のものが永遠の中を行き来するたびに、「くちゅっくちゅっ」と水音が響く。それは二人だけの世界を奏でる特別な音楽だった。
碧は永遠の髪を優しく撫でる。
「永遠」
碧が永遠の名前を呼ぶ。永遠は碧の腕にしがみつきながら、この瞬間が永遠に続いてほしいと願った。
永遠は碧の背中に手を回し、彼の熱い背中を感じた。碧の身体も熱くなっているのが永遠にも伝わってくる。二人の身体はぴったりと密着し、汗ばんでいた。永遠は碧の身体の熱が自分の身体に伝わってくるのを感じながら、幸福感に包まれた。
碧は永遠の乳首を指で優しく弾いた。永遠の身体はぴくっと反応し、腰が勝手に跳ねた。碧の指は永遠の身体を弄びながら、永遠をさらに深い快感へと誘う。
永遠は碧の腕にしがみつきながら、彼にすべてを委ねた。碧の動きは次第に速くなり、永遠の身体は快感の波に揺られていた。永遠は自分が今どこにいるのか分からなくなっていた。ただ目の前にある快感だけがすべてだった。
碧は永遠の身体の反応を確かめるかのように、ゆっくりと永遠の中を動く。そして永遠は彼の動きに合わせて腰を揺らし、彼のものが一番奥に当たるたびに甘い声を漏らした。
「んっ…ぁあ…っ…」
永遠は快感に溺れながら、碧にさらに深く入ってほしいと願った。それは二人の関係をさらに深く結びつけたいという、永遠の無意識の願いだった。
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### 第7話:『止まらない愛の証明』
碧の動きは次第に激しさを増していった。永遠は彼の動きに身を任せ、快感の波に揺られていた。碧のものが永遠の中を激しく往復するたびに「ぬちゅ……ぬるっ……くちゅっ♡」と粘りつくような音が響き渡る。永遠はその音に自分の身体がどれほど濡れているかを知り、恥ずかしさと興奮で胸がいっぱいになった。
「もっと、来て……」
永遠は碧の肩を掴みながら懇願した。碧は永遠の言葉に、さらに腰を動かすスピードを上げた。永遠は碧の動きに合わせて腰を揺らす。二人の身体はぴったりと密着し、汗ばんでいた。
永遠は自分の下半身が碧の動きに合わせて開いていくのを感じた。そして碧のものが永遠の一番奥を突き上げるたびに、永遠の身体はぴくっと震える。
「ひぁ……んあっ……♡」
永遠は自分がこんなに感じやすい身体だということに驚きながらも快感に溺れていた。碧は永遠の甘い声を聴くたびに、さらに激しく腰を動かす。
永遠は碧の背中に手を回し、彼の熱い背中を掻きむしった。碧は永遠の行動にさらに興奮し、永遠の首筋に顔を埋めた。
「っ…永遠…」
碧の声が永遠の耳元で小さく震える。永遠は碧の声を聞きながら、彼が今どれほど興奮しているかを知った。それは永遠にとって最大の喜びだった。
永遠は彼が自分だけを見てくれているという確信を得たかった。この行為を通して、彼が自分を他の誰とも違う特別な存在として見てくれていると信じたかった。だから永遠は彼の動きに合わせて腰を揺らし、さらに深く彼を受け入れたいと願った。
「もっと、奥まで……」
永遠は碧の耳元で囁いた。碧は永遠の言葉にさらに深く腰を突き入れた。永遠は碧のものが自分の中を完全に満たしているのを感じた。それは永遠にとって最大の幸福だった。
碧は永遠の身体を愛おしそうに撫でる。
「永遠、愛してる」
碧の声が永遠の耳元で小さく囁かれる。永遠は彼の言葉に涙が溢れてくるのを感じた。それは嬉しさと安堵の涙だった。永遠は碧に強く抱きしめられながら、この瞬間が永遠に続いてほしいと願った。
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### 第8話:『熱い、甘い、結末』
激しい動きが続き、永遠の快感は限界に達していた。身体が震え、視界が白く霞む。碧もまた永遠の動きに合わせて腰を動かし、自分の身体が限界に近づいていることを感じていた。
「永遠……」
碧の声が震える。永遠は碧の背中に爪を立てながら、彼にさらに深く入ってほしいと願った。その願いに応えるように、碧はさらに深く腰を突き入れた。永遠は碧のものが自分の身体の奥を激しく突き上げるのを感じた。
「っ…あああっ……」
永遠は絶頂を迎え、身体が大きく震えた。碧は永遠の身体の震えに気づき、さらに激しく腰を突き入れた。そして永遠の身体の奥で碧のものがドクドクッと脈打つのが感じられた。
「びゅるっ…びゅくっ♡」
碧のものが永遠の中に熱い精液を放出する。永遠は自分の身体の奥に熱いものが流れ込んでくる感触に驚きながらも、幸福感でいっぱいだった。
碧は永遠の身体の中で動きを止めた。二人の身体はまだ繋がったままだ。永遠は碧の身体の熱を感じながら、このまま彼に抱かれたままでいたいと願った。
碧は永遠の首筋に顔を埋めたまま、永遠の背中を優しく撫でる。
「永遠…」
碧の声は優しさと安堵に満ちていた。永遠は碧のその声を聞きながら、この瞬間から自分と碧は恋人になったのだと確信した。
永遠は碧の背中に手を回し、彼の熱い背中を抱きしめた。それは永遠がずっと求めていたものだった。幼馴染という安全な檻を壊し、彼との「特別な」関係を築くこと。永遠はそれができたのだと心から信じた。
「これで私たちは恋人だね」
永遠は碧の耳元で囁いた。しかし、碧は何も答えない。永遠は碧の沈黙に少し不安を感じた。
「ねえ、碧?」
永遠が再度彼を呼ぶと、碧はゆっくりと永遠の身体から自分のものを引き抜いた。永遠は身体の奥から何かが流れ出る感覚に少しだけ寂しさを感じた。
「ごめん」
碧の声が永遠の耳元で小さく響く。永遠は碧のその言葉に驚き、顔を上げた。碧の瞳はいつものように穏やかだった。しかしその奥に隠された感情を、永遠は読み取ることができなかった。
永遠は碧の表情をじっと見つめながら「何がごめん?」と尋ねた。碧は永遠の問いかけに答えず、永遠の頭を優しく撫でた。その優しさが、永遠の心をさらに不安にさせた。
この瞬間、永遠は知らなかった。この幸福な結末が、実は碧にとっての新たな始まりに過ぎなかったことを。
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### 第9話:『凍る心、固い結び目』
碧は永遠の身体からゆっくりと離れ、タオルケットを永遠の身体にかけた。永遠は彼の行動に戸惑いながらも何も言えずにいた。碧は永遠の横に寝転がり、天井を見つめている。二人の間にはさっきまで存在しなかった距離ができていた。
「ねえ、碧?」
永遠が彼の顔を覗き込むようにして尋ねた。碧はゆっくりと永遠の方に顔を向けた。
「ん?」
彼の声はいつもと変わらない穏やかな声だった。しかし永遠はその声の中にどこか冷たい響きを感じた。
「さっきの言葉、どういう意味?」
永遠は勇気を出して尋ねた。碧は永遠の問いかけに答えず、ただ永遠の顔をじっと見つめている。永遠はその沈黙に耐えられなくなり、もう一度尋ねた。
「私たち、恋人だよね?」
永遠は碧に縋るようにそう言った。碧はゆっくりと永遠の頭を撫でた。
「…ごめん永遠」
碧の声が震える。永遠は彼の声の震えに希望を見出した。きっと彼は照れているだけなのだと。そう信じたかった。
「今までの関係、壊したくないから」
碧の言葉が永遠の耳に届く。永遠は自分が何を言われたのか理解するのに時間がかかった。今までの関係。それは幼馴染という安全な檻のことだ。永遠は碧が何を言いたいのか分からなかった。
「え…どういうこと?」
永遠は混乱して尋ねた。碧は永遠の瞳をじっと見つめながら続けた。
「永遠は俺にとって、すごく大切な存在だから。恋人になって、もし別れることになったら…俺は永遠を失ってしまう。それは耐えられない」
碧の言葉は永遠の心に突き刺さった。永遠の心がぐちゃぐちゃに溶けていたはずの心が、急に、凍る音を立てたと感じた。
永遠は自分がこの夜をどれほど特別だと思っていたかを思い出した。初めて彼に触れられ、初めて彼に受け入れられ、初めて彼に愛された。そう信じていた。永遠にとってこの夜は愛の証明であり、新しい関係の始まりだった。しかし碧にとってそれは単なる「維持」に過ぎなかった。
永遠は碧の言葉に絶望した。私の「特別」な瞬間が彼にとってはただの関係維持のための行為だった。永遠は自分が汚されたような気持ちになった。私は彼の優しさに騙されていたのかもしれない。
永遠は碧の横に寝たまま何も言えなかった。ただ涙が頬を伝って枕に落ちていくのを感じた。碧は永遠の涙に気づき永遠の頬に触れようとした。しかし、永遠は彼のその手を払いのけた。
「触らないで」
永遠の声は震えていた。碧は永遠の言葉に驚き、手を引っ込めた。永遠は自分の胸にできた固い結び目を感じた。それは碧への絶望と怒りだった。
永遠は彼の部屋で一晩中眠れなかった。朝が来るのが怖かった。太陽の光がこの残酷な現実を照らし出すのが怖かった。永遠はただこのまま時間が止まってほしいと願った。
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### 第10話:『新しい選択の誘い』
朝の光が窓から差し込み、永遠の部屋を明るく照らした。永遠は自分のベッドの中で昨夜の出来事を思い出していた。碧の部屋から帰ってきた永遠はそのままベッドに倒れ込み、一睡もできなかった。枕は涙で濡れていた。永遠は自分の胸にできた固い結び目を感じながら、その結び目をどうすれば解くことができるのか考えた。
絶望と怒りが永遠の心を支配していた。碧の言葉が永遠の耳元で何度も繰り返される。「今までの関係、壊したくないから」。その言葉は永遠の心を深くえぐり取った。永遠は自分が碧にとってただの幼馴染であり、それ以上でもそれ以下でもないことを突きつけられた。
永遠はベッドから起き上がり、スマホを手に取った。グループチャットに「今週末コンパがあるんだけど、誰か行かない?」というメッセージが流れてきた。永遠は普段ならこんなメッセージには見向きもしない。しかし今、永遠の心には碧への反発心と自分自身の存在意義を確かめたいという衝動が渦巻いていた。
私は碧だけを愛し、彼にすべてを捧げようとしていた。しかし彼は私の「特別」を無価値なものにした。だったら私はもう彼の「特別」を必要としない。永遠はそう考えた。
永遠はグループチャットに返信しようと指を動かす。しかし指が震えてなかなか文字を打つことができなかった。それは碧への裏切りであり、自分自身への裏切りでもあった。しかし永遠はもう後戻りはできないと感じていた。碧の言葉が永遠の心を深く傷つけた。その傷を癒すためには、新しい何かが必要だった。
永遠は震える指で「行くね」と入力し、送信ボタンを押した。メッセージはすぐに送られ、永遠の心の中の何かがストンと落ちる音がした。それは罪悪感か、それとも新しい自分への期待か。永遠には分からなかった。
永遠はスマホをベッドに投げ捨て、バスルームへ向かった。鏡に映る自分の顔はひどくやつれていた。目の下にはクマができていて、瞳は虚ろだった。永遠は自分の顔をじっと見つめながら、新しい自分に生まれ変わりたいと強く願った。
永遠は碧に何も言わずにこの決意を胸に秘めた。この新しい選択が碧をどれほど傷つけるか、永遠はまだ知らなかった。永遠はただ自分の心を癒すことだけを考えていた。
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### 第11話:『再会、そして出会い』
週末の夜、永遠は大学近くの居酒屋にいた。コンパに参加するのは初めてだった。騒がしい居酒屋の雰囲気と周りの人たちの楽しそうな声が、永遠の心をさらに孤独にさせた。永遠は居酒屋の隅の席に座り、グラスを回していた。隣の席に座る男が永遠に話しかけてくる。
「一人で飲んでるの?つまんないね」
男の言葉に、永遠は作り笑いで応える。永遠は男たちと話す気分ではなかった。永遠の心の中には、碧の言葉がまだ残っていた。永遠は自分の存在意義を証明するためにここに来た。しかし誰と話しても、誰といても、永遠の心は満たされない。
永遠はグラスの中の液体をゆっくりと飲み干す。これはただのオレンジジュースだった。永遠は酔って自分を解放することができなかった。
「飲みすぎないようにね」
穏やかな声が永遠の耳に届く。永遠は顔を上げて声の主を探した。目の前に立っていたのは藤蓮だった。彼はサークルの先輩で、いつも穏やかで優しい人だった。彼の目元はいつも優しさに満ち溢れていた。
「藤先輩」
永遠は驚いて彼の名前を呼んだ。藤先輩は永遠の横に座り、優しく微笑んだ。
「こんなところで会うなんて偶然だね」
藤先輩の言葉に、永遠は頷く。
「もしかして、無理して来た?」
藤先輩は永遠の顔をじっと見つめながら尋ねた。永遠は何も答えることができなかった。藤先輩は永遠のグラスを見て言った。
「水に替える?」
藤先輩の言葉は永遠の心に深く響いた。彼は永遠が無理していることを見抜いていた。そして永遠の気持ちを尊重してくれた。
永遠は藤先輩の優しさに触れ、胸の奥の固い結び目が少しだけ緩んだような気がした。永遠は藤先輩に話しかける。
「先輩は、どうしてここに来たんですか?」
「友達に誘われて。でも俺もそろそろ帰ろうと思ってたんだ」
藤先輩は永遠の言葉に優しく答えた。永遠は藤先輩との会話が心地よかった。彼の言葉は永遠の心を癒してくれた。
永遠は藤先輩と話しているうちに、少しだけ心が軽くなったような気がした。この居酒屋の騒がしい雰囲気が少しだけ遠く感じられた。永遠は藤先輩の言葉に耳を傾けながら、自分の中にある孤独と向き合っていた。
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### 第12話:『歩道橋の下で』
コンパが終わり、永遠と藤先輩は二人で駅に向かって歩いていた。夜の風が永遠の頬を優しく撫でる。居酒屋の騒がしい雰囲気から解放され、永遠の心は少しだけ落ち着いていた。
「今日はありがとう、先輩」
永遠がそう言うと、藤先輩は優しく微笑んだ。
「どういたしまして。でも無理しないでね」
藤先輩の言葉は永遠の心を温かく満たした。彼は永遠が抱えている心の傷に気づいているようだった。
二人は歩道橋の下に差し掛かった。ここで永遠は藤先輩と別れるつもりだった。しかし、永遠の足は止まらなかった。永遠は藤先輩の隣を歩き続ける。藤先輩も永遠に何も言わずに隣を歩き続けた。
「ねえ、先輩」
永遠は意を決して彼を呼んだ。
「ん?」
藤先輩は永遠に顔を向けた。
「このまま、どこかに行ってもいいですか?」
永遠は自分の口から出た言葉に、自分でも驚いた。それは碧への反発心から来る衝動的な言葉だった。しかし永遠はもう後戻りできないと感じていた。
藤先輩は永遠の言葉に驚いた表情を見せた。しかしすぐにいつもの穏やかな表情に戻った。
「無理だったら、ここでバイバイでいいよ」
藤先輩は永遠に「選択の自由」を与えた。その言葉に永遠は自分でも驚くほど素直に彼の申し出を受け入れた。
「行きたいです」
永遠はそう言って藤先輩の顔を見上げた。藤先輩は永遠の瞳をじっと見つめると、優しく微笑んだ。
「分かった」
藤先輩は永遠の手をそっと握りしめた。永遠の手は震えていた。しかしその手は藤先輩の手にしっかりと握られていた。永遠は藤先輩の温かさに安心感を覚えた。
永遠と藤先輩はそのままタクシーに乗り込み、藤先輩の部屋へと向かった。永遠はタクシーの窓から流れる夜景を見つめながら、自分の心の中に生まれた新しい感情と向き合っていた。それは碧への愛とは違う何かだった。永遠はそれが何なのか分からなかった。ただこの新しい選択が、自分をどこへ導くのか知りたかった。
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### 第13話:『安心の部屋』
タクシーのシートに深く身を沈めた永遠は、窓の外を流れる夜の街をただぼんやりと眺めていた。藤先輩の隣にいることがまだ信じられない。碧との間にできた心の傷を癒したいという衝動的な気持ちから、彼と行動を共にすることを決めた。しかし、その選択が正しいのかどうか永遠には分からなかった。ただひとつ確かなのは、このままではいけないという焦燥感だけだった。
タクシーが止まり、永遠はゆっくりとドアを開けた。目の前にはシンプルで洗練された外観のマンションがそびえ立っている。藤先輩は永遠に先に中に入るように促し、自分はエレベーターのボタンを押した。彼のそのさりげない気遣いが嬉しかった。彼の行動ひとつひとつに、永遠は安心感を覚えた。
エレベーターが最上階に到着し、永遠は藤先輩の部屋のドアの前に立った。彼は鍵を取り出し、永遠に「どうぞ」と微笑んだ。永遠は少し緊張しながらドアを開けた。部屋の中は温かく清潔な空気が流れていた。小さな観葉植物が窓辺に置かれ、整った本棚には様々なジャンルの本が並んでいる。彼の部屋には女性の影が一切なかった。それは永遠にとっての安らぎだった。
永遠は碧の部屋を思い出していた。彼の部屋も清潔だったが、どこか生活感が薄く、永遠以外の女性の気配がそこかしこに感じられた。それは決して碧がだらしなかったわけではない。ただ彼の部屋は彼の部屋でしかなく、永遠が彼の日常に入り込む余地がなかったのだ。しかし藤先輩の部屋は違った。彼の部屋はまるで永遠を招き入れるために準備されていたかのように、穏やかで静かな空気が流れていた。
永遠はリビングのソファに腰を下ろした。柔らかいクッションが永遠の身体を優しく包み込む。永遠は目を閉じてその感触に集中した。碧の部屋で感じた冷たい絶望とは違う温かさが、永遠の心を満たしていく。永遠は心の中にあったざわめきがゆっくりと落ち着いていくのを感じた。
藤先輩は永遠の前に座り、「何か飲む?」と優しく尋ねた。永遠は「なんでもいいです」と答えた。藤先輩は永遠の返事に少しだけ考え込むような素振りを見せると、キッチンへ向かった。永遠は彼の後姿をじっと見つめる。彼の背中は碧よりも広く、頼もしく見えた。
永遠は碧の言葉を思い出していた。「今までの関係壊したくないから」。その言葉が永遠の胸に固い結び目を作った。しかし今、永遠の心は穏やかだった。碧との間にあった鎖が切れた今、永遠は自由になった。もう誰に気を遣うこともない。誰の顔色を伺う必要もない。永遠は新しい自分になれるのかもしれないと心の底から思った。
藤先輩は紅茶の入ったカップを永遠の前に置いた。温かい湯気が永遠の顔を優しく包み込む。永遠はカップを手に取り、その温かさを手のひらに感じた。その温かさは永遠の心をさらに温かく満たした。
「ゆっくりしてね」
藤先輩はそう言って永遠の隣に座った。永遠は彼のその言葉に心から感謝した。彼は永遠を急かすこともなく、ただ永遠のそばにいてくれた。永遠は藤先輩の存在に心の底から安堵した。
この部屋は永遠にとっての新しい安全地帯だった。そして永遠は、碧の優しさがもたらした檻から自分を解放する鍵をようやく見つけたのだと確信した。
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### 第14話:『湯気と、罪悪感』
藤先輩が淹れてくれた紅茶は、永遠の心を温めてくれた。永遠はティーカップから立ち上る湯気を眺めながら紅茶の匂いを深く吸い込んだ。彼の部屋には彼の香水の匂いがかすかに漂っている。その香りは永遠にとって新しく、どこか懐かしいような不思議な匂いだった。
永遠はティーカップを両手で包み込み、その温かさを感じながら目を閉じた。再び碧の言葉が永遠の脳裏に蘇る。「今までの関係壊したくないから」。その言葉と共に昨夜の出来事が鮮明にフラッシュバックする。碧の部屋のベッドの上で永遠は彼にすべてを捧げた。しかし、その行為は碧にとって単なる関係維持のためのものだった。永遠はその事実に深く傷ついていた。
永遠は碧との夜を思い出し、胸の奥にまた固い塊ができるのを感じた。それは碧への怒りであり、自分自身への失望だった。永遠は自分が処女を碧に捧げたことをどれほど特別だと思っていたか。しかし碧はそれを無価値なものにした。永遠は自分の存在意義を否定されたような気持ちになった。
「大丈夫?」
藤先輩の優しい声が永遠を現実に引き戻した。永遠は慌てて目を開け、笑顔を作った。
「はい、大丈夫です」
永遠はそう答えたが、心の中のざわめきは増幅するばかりだった。碧との夜がただの「日常」だったという確信が、永遠を苦しめる。永遠は碧の特別になりたかった。しかしなれなかった。だから永遠は、藤先輩との夜を「特別」なものにしたいと強く願った。
永遠はティーカップから立ち上る湯気と藤先輩の香水の匂いが混ざり合うのを感じた。それは甘くて危険な匂いだった。永遠は自分の心の中にある罪悪感と新しい自分への期待が混ざり合っているのを感じた。このまま罪悪感に苛まれてはいけない。永遠はそう自分に言い聞かせた。
藤先輩は永遠の顔色を伺うようにじっと永遠を見つめている。彼の瞳は優しさに満ち溢れていて、永遠は彼の瞳の奥に何かを期待しているような光を感じた。永遠は彼のその優しい眼差しに、自分の心の中の熱がさらに増していくのを感じた。
永遠はゆっくりとティーカップをテーブルに置いた。そして藤先輩の顔を見つめながら口を開いた。
「あの、先輩」
永遠の声は少しだけ震えていた。藤先輩は「うん」と優しく答えた。永遠は自分の心の中にある衝動を抑えきれなかった。
「私、先輩と」
永遠は自分の正直な気持ちを伝えるために言葉を探した。この瞬間、永遠は碧のことなどどうでもよくなっていた。永遠はただ自分の心を癒し、新しい自分に生まれ変わりたかった。藤先輩は永遠の言葉を静かに待っている。永遠は彼のその優しさに甘えたいと強く願った。
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### 第15話:『胸の中の、ストンと落ちる音』
永遠は言葉を探した。しかし、どんな言葉も永遠の心の中にある感情を表現するには不十分だった。永遠は言葉で伝えることを諦め、ゆっくりと立ち上がり、藤先輩の隣に座った。そして永遠は堪えきれずに彼の胸に顔を埋めた。
藤先輩の胸は温かかった。永遠は彼の温かさに安堵し、彼の香水の匂いを深く吸い込んだ。永遠の身体は震えていた。それは恐怖や不安ではなく、碧への怒りと自分自身への失望から来る震えだった。
「ひより…」
藤先輩が永遠の名前を呼んだ。その優しい声が永遠の心に深く響いた。永遠は自分が今何をすべきか分からなくなった。ただ彼の温かい胸の中で泣きたかった。
藤先輩は何も言わずに永遠の頭を優しく撫でた。彼の指先が永遠の髪を撫でるたびに、永遠の心の中の何かが少しずつ溶けていくような気がした。永遠は涙が溢れてくるのを感じた。それは碧の前では見せることができなかった涙だった。永遠は碧に弱さを見せたくなかった。しかし、藤先輩の前では永遠は素直に自分の弱さをさらけ出すことができた。
藤先輩は永遠を強く抱きしめた。永遠は彼の温かい腕の中で安心感を覚えた。碧との夜の出来事が永遠の脳裏に蘇る。碧の言葉が永遠の心を深く傷つけた。永遠は碧に復讐したいとさえ思った。しかし、藤先輩の温かい腕の中で永遠の心は少しずつ落ち着いていった。
藤先輩は永遠の耳元で「大丈夫だから」と優しく囁いた。永遠は彼のその言葉に、自分が求めていたものはこれだったのだと気づいた。永遠は碧に愛されたいと願っていた。しかし、藤先輩は永遠の心を癒してくれた。
永遠は藤先輩の胸に顔を埋めながら、自分の中のなにかが、ストンと落ちる音を聞いたと感じた。それは碧との間にあった罪悪感の塊が崩れ落ちる音だった。永遠はもう碧に囚われる必要はない。永遠は自由になったのだ。
永遠はゆっくりと顔を上げた。藤先輩は永遠の涙を指で優しく拭ってくれた。永遠は彼の優しい眼差しに心を奪われた。永遠は藤先輩にすべてを委ねたいと強く願った。
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### 第16話:『やさしい罠』
永遠は藤先輩の温かい眼差しに心を奪われた。彼の瞳には永遠を非難する光を一切含んでいない。ただ永遠の心の痛みを理解し、受け入れてくれているようだった。永遠は彼の優しさが嬉しくて、しかしそれが逆に自分を後戻りさせない甘い「罠」のように感じた。
「無理しないで」
藤先輩は永遠の頬を優しく撫でながらそう言った。彼の言葉は永遠の心をさらに揺さぶる。永遠は彼の優しさに甘えてはいけないと思った。しかし、もう後戻りはできない。永遠は碧への反発心と自分を証明したいという欲求から、身体を委ねることを決意した。
「してほしくて来ました」
永遠は自分の正直な気持ちを伝えた。藤先輩は永遠の言葉に少しだけ驚いた表情を見せた。しかしすぐにいつもの穏やかな表情に戻った。
「分かった」
藤先輩は永遠の言葉を静かに受け入れた。永遠は彼のその答えに心から安堵した。彼は永遠の気持ちを尊重してくれた。永遠は彼のその優しさに甘えたいと強く願った。
藤先輩は永遠の背中に手を回し、永遠をソファに押し倒した。永遠は彼の行動に少しだけ驚いた。しかしそれは決して強引なものではなかった。永遠は彼の優しさに包まれながら、自分の身体を彼に委ねた。
藤先輩は永遠の髪を優しく撫でながら永遠の唇にキスをした。永遠は彼のキスに身を委ねた。それは碧とのキスとは違う、温かくて優しいキスだった。永遠は彼のキスに自分の心が満たされていくのを感じた。
藤先輩は永遠の首筋に顔を埋めた。永遠は彼の吐息が自分の肌を熱くするのを感じた。永遠は彼の熱に身体を震わせた。藤先輩は永遠の震えに気づくと、永遠の身体を強く抱きしめた。
「怖くない?」
藤先輩の声が永遠の耳元で優しく囁かれる。永遠は碧との夜を思い出していた。碧も同じ質問を永遠にした。しかし、その質問の裏には不安と戸惑いが隠されていた。しかし藤先輩のその質問には、ただ永遠を気遣う優しさしかなかった。
「大丈夫」
永遠はそう答えた。永遠はもう怖くなかった。藤先輩の優しさが永遠の心から恐怖を拭い去ってくれた。永遠は碧との夜を忘れ、新しい自分に生まれ変わりたかった。そしてそのために、藤先輩の存在が必要だった。永遠は彼の腕の中でこの夜が永遠に続いてほしいと願った。
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### 第17話:『太ももを撫でる指』
永遠はソファに横たわったまま、藤先輩の顔を見つめていた。彼の瞳には永遠を非難するような色は一切なく、ただ穏やかで優しい光が宿っている。永遠は彼のその眼差しに自分の心を明け渡すことを決意した。彼の優しさは永遠の心を温かく満たしてくれたが、同時に永遠を後戻りさせない甘い「罠」のように感じられた。永遠は碧への反発心と新しい自分への期待を胸に、藤先輩に身を委ねる。
彼は永遠のスカートの裾にゆっくりと手をかけた。永遠は彼の指先がスカートの生地に触れた瞬間、身体がびくっと震えるのを感じた。そのわずかな震えに彼は気づき、すぐに手を離そうとした。永遠は彼のその気遣いが嬉しかった。碧だったら永遠の反応に戸惑い、どうすべきか分からずただ固まっていただろう。しかし藤先輩は永遠の小さな反応にも敏感に気を配ってくれる。永遠は彼の指を掴んで、自分のスカートの中に押し込んだ。
「大丈夫」
永遠はそう言って藤先輩の手を自分の太ももへと導いた。彼の指先が永遠の太ももに触れる。その感触は永遠が今まで感じたことのない感触だった。永遠は碧の指の不器用さを思い出し、藤先輩の指の滑らかさに驚いた。彼の指は永遠の太ももをゆっくりと撫で上がっていく。その「さわさわ」という音は永遠の耳に心地よく響き、全身の皮膚が粟立つような感覚を永遠にもたらした。
永遠の太ももは熱を帯びていた。藤先輩の指が永遠の太ももを撫でるたびに、永遠の身体はぴくっと震える。そして彼の指はゆっくりと永遠のショーツの縁まで滑り込んでいった。永遠は全身に電流が走るような感覚を覚えた。ショーツの縁に触れた彼の指先は、永遠の身体に快感の波を送り込む。永遠は目を閉じ、深く息を吸い込んだ。藤先輩の香水の匂いが永遠の鼻をくすぐる。その匂いは甘くて危険な匂いだった。永遠は自分の心の中にある罪悪感と新しい自分への期待が混ざり合っているのを感じた。もう後戻りはできない。永遠はそう自分に言い聞かせた。
藤先輩は永遠の太ももを優しく撫でながら永遠の顔をじっと見つめている。永遠は目を閉じたままで彼の視線を感じていた。彼は永遠の同意を最優先に考えている。永遠は彼のその優しさに心を奪われた。
藤先輩の指は永遠の太ももからゆっくりと股の間へと進んでいく。永遠は彼の指が自分のデリケートな部分に触れるのを待っていた。永遠の身体は熱を持ち、早く彼の指を受け入れたいと願っていた。永遠は自分の身体がこんなにも正直に反応していることに驚いていた。それは碧には見せることができなかった永遠の本当の姿だった。彼女はもはや碧を愛する永遠ではなく、ただ快感を求める一人の女性になっていた。
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### 第18話:『欲望の、ぬるぬる』
藤先輩の指先が永遠のショーツの中へとゆっくりと差し込まれた。永遠は熱を持った下腹部から何かが溢れ出すのを感じた。それは藤先輩を待ち望んでいた永遠の身体の正直な反応だった。彼の指は永遠の濡れた部分を優しく探り、その感触に永遠の身体は熱を帯びてジンと震える。
「ぬちゅ……ぬるっ……」
濡れた音が永遠の耳に届く。永遠は自分の身体がこんなにも濡れていることに驚き、恥ずかしさで顔が熱くなった。しかしその恥ずかしさは快感によってかき消されていく。藤先輩の指が永遠のデリケートな部分をゆっくりと円を描くように撫でる。永遠は背中がゾクゾクと震えるのを感じた。
藤先輩は永遠の反応に満足したかのように、永遠の耳元で小さく囁いた。
「すごく濡れてるね」
彼の声は優しくて、永遠の心をさらに揺さぶる。永遠は何も言えずに、ただ彼の指の動きに身を任せていた。藤先輩の指は永遠の濡れた部分をゆっくりと円を描くように撫でる。永遠は身体の奥から何かがこみ上げてくるような感覚を覚えた。
藤先輩は永遠のショーツを完全に脱がせ、永遠の太ももを大きく開かせた。永遠は恥ずかしさで目を閉じることができなかった。彼の優しい眼差しが永遠の身体をくまなく見つめる。永遠は彼にすべてを委ねることを決意した。
藤先輩の指は永遠の股の間をゆっくりと撫でる。永遠は彼の指の滑らかな感触に、自分の身体がもっと触れてほしいと願っているのを感じた。藤先輩は永遠の身体の反応を確かめるかのように、ゆっくりと永遠の中へと指を差し入れた。
「んっ…」
永遠は思わず声を出した。碧の指の不器用さとは違う、藤先輩の指の滑らかさに永遠は驚いた。彼の指は永遠の中をゆっくりと動く。永遠は身体の奥からじんわりと温かさが広がっていくのを感じた。
藤先輩は永遠の中にある温かさを感じ取ったかのように、永遠の指を優しく絡ませた。永遠は彼の行動にさらに興奮し、自分の身体を彼に押し付けた。永遠は碧との夜を思い出し、この夜が碧との夜とは全く違うものになることを確信した。
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### 第19話:『恥ずかしい悲鳴』
藤先輩の指は永遠の中でゆっくりと動き、永遠を快感の波に揺らしていた。永遠は彼の動きに身を任せ、自分の身体がどんどん敏感になっていくのを感じた。その時、藤先輩の口が永遠の胸に近づき、永遠の乳首をくわえた。
「ひゃっ……んぁっ♡♡♡」
永遠は思わず悲鳴を上げた。自分の身体がこんなにも敏感だということに永遠は驚いた。藤先輩の舌が永遠の乳首を転がす。その刺激は、永遠が今まで経験したことのない快感だった。永遠は全身が震えるのを感じた。
藤先輩は永遠の乳首を甘く吸い上げる。永遠は彼の口の動きに合わせて腰が勝手に動くのを感じた。永遠は藤先輩の腕にしがみつきながら、この快感から逃れることはできないと悟った。
永遠は自分の身体がこんなにも正直に反応していることに恥ずかしさを感じた。しかし、その恥ずかしさは快感によってかき消されていく。永遠は藤先輩にすべてを委ねていた。藤先輩は永遠の反応に満足したかのように、永遠の乳首をさらに激しく吸い上げる。永遠は自分がこんなに感じやすい身体だということに驚きながらも、快感に溺れていた。
藤先輩の口は永遠の乳首を吸い上げながら、永遠の中にある指をさらに深く動かす。永遠は二つの快感に挟まれ、身体が震えるのを感じた。永遠は息を弾ませながら、藤先輩の動きに身を任せた。
永遠は自分の心の中で碧のことを思い出していた。碧との夜は永遠にとって愛の証明だった。しかし、藤先輩との夜は愛とは関係なく、ただの快楽だった。永遠は性行為が愛と切り離された場所にあることを知った。この事実は永遠を罪悪感から解放し、碧への支配欲へと変わるきっかけとなった。
永遠は藤先輩の腕にしがみつきながら、彼にすべてを委ねた。永遠はもう後戻りはできないと確信した。
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### 第20話:『一つ目の、熱い波』
藤先輩の指先が永遠の濡れた熱の中心に深く入り込むと、彼女の身体は予測不能な反応を見せた。一本の指が内壁をゆっくりと這い、二本目がそれに続くと、背筋にぞくぞくと震えが走る。先輩の指は永遠がこれまで感じたことのない場所を探り当てたかのように、正確にそこを撫で上げた。すると腰が勝手に跳ね上がり、喉の奥から聞いたことのない甘い声が漏れ出る。
「ひゃっ……んああッ」
永遠は自分の口から出た声が信じられなかった。それは快感と驚きが混ざり合った悲鳴のようで、まるで別の誰かが発した声のようだった。先輩の指が一定のリズムでその場所をこするたびに、身体の内側がぎゅうっと締め付けられる。それは藤先輩の指を吸い込もうとするような官能的な収縮だった。
「んんっ……あぅっ……」
快感が波のように押し寄せては引いていく。一つ目の波が遠ざかると、すぐに二つ目の波が永遠の身体を襲った。熱い波が下腹部から胸へと駆け上がり、全身の毛穴が開ききるような感覚に襲われる。藤先輩は永遠の反応をまるで慈しむように観察しながらも、その手を止めることはなかった。彼の指がわずかに角度を変えた瞬間、永遠の脳裏に花火が弾けるような閃光が走った。
「あぁああぁああっ♡」
永遠は腰を大きく反らせ、身体を震わせた。全身の筋肉が固く強張り、子宮の奥まで電流が走った。それは初めて経験する、圧倒的な快感だった。涙が目の端からこぼれ落ちてシーツに小さな染みを作る。彼女は自分が泣いていることにすら気づかなかった。ただただこの波が永遠に続くことを願うばかりだった。それは碧と身体を重ねた時とは全く違う種類の感覚だった。あの夜感じたのは幼馴染との関係が壊れてしまうかもしれないという恐怖と、それでも彼と繋がっていたいという切ない喜びだった。しかし今感じているのはただ純粋な身体的な快楽。彼女の頭の中で「特別」という言葉が、少しずつ意味を失っていくのを感じた。
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### 第21話:『壮太とは違う、硬さ』
永遠が初めての絶頂の余韻に浸っていると、藤先輩は彼女の身体からゆっくりと指を引き抜いた。熱い場所が急に冷たい空気に晒されて、永遠は少し寂しさを感じた。彼は永遠をソファに座らせると、自分は一度立ち上がり、静かにズボンのボタンを外した。永遠はぼんやりとした頭でその動作を目で追う。
そして露わになったそれを見た瞬間、永遠は息を呑んだ。
それは幼馴染の碧のものとはまるで違うものだった。碧のそれは細身でどこか頼りなく見えた。しかし、藤先輩のそれは硬そうで、そして太い。血管が浮き上がり熱を帯びていて、今にも爆発しそうな力強さを感じさせた。永遠の喉がごくりと鳴る。
「まだいける?」
藤先輩は穏やかな声で尋ねた。彼の視線は永遠の瞳をまっすぐに見つめている。その目は優しく、一切の強制がない。しかし永遠の身体はもう彼の言葉に正直に反応していた。下腹部の奥がずんずんと重く脈打ち、先ほどまで絶頂の波に震えていた内側が、また彼を受け入れる準備を始めた。
永遠は自分の身体がまるで別の生き物であるかのように感じた。頭では碧のことを忘れなければいけないとわかっているのに、身体は藤先輩のこの圧倒的な存在感に抗えない。彼女はゆっくりと頷くことしかできなかった。
藤先輩は永遠の返事を確認すると、彼女を再びソファに横たわらせた。彼は自分のものを永遠の熱い場所にゆっくりと押し当てた。硬くて太いそれは、まだ中に入っていないのに永遠の内側を刺激し震えさせた。永遠の全身の皮膚が粟立ち、たまらない感覚が全身を駆け巡る。彼女は目を閉じ、これから起こる出来事をただ受け入れる準備をした。
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### 第22話:『特別じゃない、快感』
藤先輩のものがゆっくりと永遠の膣内へと入ってくる。それは碧の時よりもずっと強く、深く、永遠の身体を突き進んでいくようだった。永遠は全身の力を抜いてその感覚を受け入れた。彼は永遠の身体に負担をかけないようゆっくりと、しかし確実に奥へと進んでいく。永遠は彼の息遣いを感じた。それは決して荒々しいものではなく、どこか優しさを帯びていた。
「んっ…ぅ……」
永遠は思わず小さな声を漏らした。それは痛みの声ではなかった。むしろ快感と初めての感覚への驚きが混ざり合った声だった。藤先輩のものが永遠の身体の奥深くまで到達した瞬間、彼女は息を止めた。内側がぎゅうっと締め付けられる。それはまるで彼のものが永遠の身体の一部になったかのような一体感だった。
彼はゆっくりと腰を動かし始めた。最初は浅く、そして徐々に深く。永遠の身体は彼の動きに合わせて正直に反応する。内側がこすられるたびに熱い電流が走り、頭が真っ白になる。それは碧と身体を重ねた時とは比べ物にならない圧倒的な快感だった。
永遠は心の奥で衝撃を受けていた。碧との初めての夜は特別な行為だったはずだ。彼の身体を受け入れることで、二人の関係は「幼馴染」から「恋人」へと変わるのだと信じていた。それは愛を証明するための神聖な儀式だった。しかし今、藤先輩と身体を重ねて感じているのはただ純粋な性的な快感。愛や感情はそこには存在しない。ただ身体が求める快楽だけがあった。
「セックスって…特別じゃないのかもしれない…」
永遠の心の中にぽつりとその言葉が落ちた。それは彼女が今まで信じてきた価値観を根底から揺るがす、恐ろしい真実だった。この行為は愛を証明するものではなく、ただの身体的な欲求を満たすための行為なのだと。この感覚が碧の時よりもずっと気持ちいいのだと認めてしまった永遠は、自分の身体が持つ正直さに絶望し、同時に新たな発見をしたような不思議な高揚感を感じていた。
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### 第23話:『身体は、正直だった』
永遠の身体はもう自分の意志ではどうにもならなかった。藤先輩が腰を動かすたびに、彼女の身体は勝手に跳ね上がり甘い声を漏らす。ソファがぎしぎしと軋む音が二人の吐息と混ざり合う。永遠の頭の中は真っ白で、考えることも感じることもできない。ただただ波のように押し寄せる快感に身を委ねていた。
「んっ...う...もっと...」
永遠は無意識にそう呟いた。しかしそれは声にならなかった。彼女の喉から漏れたのはただの掠れた喘ぎ声だけだった。彼女は藤先輩のものが自分の身体の奥深くで脈打つ感覚を感じていた。それはまるで永遠の身体の芯を震わせるような強い鼓動だった。
その時、永遠の口から無意識のうちに言葉が漏れた。
「壮太より...ずっと...ずっと...」
その言葉が自分の口から出た瞬間、永遠ははっと我に返った。意識が飛びそうになっていた永遠は全身が凍りついたかのように硬直した。彼女は自分が何を言ったのか理解していた。そしてその言葉が真実であることも。碧との行為は愛を証明するものであり、感情的な意味合いが強かった。しかし藤先輩との行為は純粋に身体的な快楽だけがそこにあった。そしてその身体は、今この瞬間、碧との時よりもずっと気持ちいいと叫んでいた。
碧の「幼馴染の関係を壊したくない」という言葉は永遠を深く傷つけた。しかし今、藤先輩との行為を通して永遠は悟った。碧の言葉は決して彼女を遠ざけるための嘘ではなく、ただの彼自身の自己評価の低さからくる言葉だったのかもしれないと。そして永遠の「特別」は彼にとっての「日常」であり、この純粋な快感こそが「特別」なのかもしれないと。
永遠は自分の身体が正直に反応したことに気づき、胸の奥の罪悪感がスーッと消えていくのを感じた。そしてその代わりに碧への支配欲が心の奥底から湧き上がってくるのを感じた。
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### 第24話:『熱い精液、そして余韻』
藤先輩の動きが次第に激しくなり、永遠の身体は完全に彼に支配されていた。彼は永遠の背中に手を回し、腰を強く支えながら何度も何度も奥まで突き進んでくる。永遠はソファの背もたれに頭を預け、目を閉じ、快楽の波に溺れていた。
「ああ...ああああぁ...」
藤先輩は永遠の耳元で囁くように言った。
「僕から精液を出す場所は永遠くんが選んでいいよ」
永遠は言葉の意味を理解できなかった。いや、理解しようとしなかった。ただひたすらに押し寄せる快感に身を委ねていた。藤先輩の動きが止まった。永遠は身体の奥に彼のものがとどまっている感覚を味わう。そして次の瞬間、彼は永遠の身体からゆっくりとそれを引き抜いた。
「っ...」
永遠は口から出そうになった言葉を飲み込んだ。熱いものが永遠の身体から離れていく。そして彼は永遠の腹の上にそれを向けると、そのまま勢いよく中身を射出した。
「びゅるるっ…びゅるるるるっ…」
熱くて濃い精液が永遠の腹の上で弾ける感触。永遠は身体を震わせながらその様子をぼんやりと見ていた。それはまさに生物の証だった。そしてそれは決して永遠の身体の中に入ってくることはなかった。それは藤先輩の最後の優しさであり、永遠の身体を尊重した証だった。
永遠は快楽の中に沈みながらも、心のどこかに残る碧の存在を確信する。藤先輩の身体がもたらす快感は圧倒的だった。しかしそれでも永遠の心は碧だけを求めている。この夜の出来事は碧への復讐ではなく、碧を自分だけのものにするための道具なのだと永遠は確信した。
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### 第25話:『朝の決意、彼の部屋へ』
朝の光が窓から差し込み、永遠の部屋を明るく照らした。永遠は自分のベッドの中で昨夜の出来事を思い出していた。藤先輩との夜は永遠の心を罪悪感から解放し、新しい自分に生まれ変わるきっかけを与えてくれた。永遠はもう碧に囚われる必要はない。永遠は自由になったのだ。
しかし、永遠の心はまだ完全には満たされていなかった。碧への反発心は消えていない。永遠は碧に自分の新しい姿を見せつけたかった。碧に、自分がどれだけ特別な存在であるかをもう一度証明したいと強く願った。そのために永遠はすべてを話すことに決めた。黙っているよりも正直に話す方がいい。それが二人の関係を前に進める唯一の方法だと永遠は信じた。
永遠はベッドから起き上がり、シャワーを浴びた。冷たい水が永遠の身体を包み込み、決意を固くする。シャワーから上がり、碧に借りた服に着替える。その服は碧の匂いがして、永遠は無意識のうちにその匂いを深く吸い込んだ。
バスルームから出ると、永遠はスマホを手に取った。碧に連絡しようと指を動かす。しかし、指が震えてなかなか文字を打つことができなかった。それは碧への裏切りであり、自分自身への裏切りでもあった。しかし永遠はもう後戻りはできないと感じていた。永遠は震える指で「今から行くね」と入力し、送信ボタンを押した。メッセージはすぐに送られ、永遠の心の中の何かがストンと落ちる音がした。それは罪悪感か、それとも新しい自分への期待か。永遠には分からなかった。
永遠は財布とスマホだけを手に取り部屋を出た。エレベーターに乗り込み、永遠は自分の心臓が早鐘を打っているのを感じた。これから碧に会う。そしてすべてを話す。永遠は自分の心の中にある熱をどうすればいいのか分からなかった。
エレベーターが1階に到着し、永遠はマンションを出た。外はまだひんやりとしていた。永遠はコンビニへ向かい、アイスコーヒーを手に取った。冷たい缶が永遠の震える手を落ち着かせてくれる。永遠はアイスコーヒーを飲みながら、碧の部屋へ向かった。
碧の部屋のドアの前に立つと、永遠の心臓はさらに速く高鳴り始めた。永遠は深呼吸をしてインターホンを押した。ドアが開く音がして、碧の寝起きの顔が見えた。彼の瞳はまだぼんやりとしていて、永遠の顔を見て驚いたような表情を見せた。
「永遠……」
碧の声が小さく永遠の名を呼ぶ。永遠は碧のその声を聞きながら、自分がこれから話すことが彼の心をどれだけ傷つけるか、知らなかった。永遠はただ自分の心を癒すことだけを考えていた。
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### 第26話:『真実の告白』
永遠は碧の部屋に入ると、ゆっくりとソファに腰を下ろした。碧は永遠の前に座り、永遠の顔をじっと見つめている。二人の間には重い沈黙が流れていた。碧は永遠の顔色を伺いながら、永遠の言葉を待っている。永遠は自分の胸にできた固い結び目を感じながら、言葉を探した。
「あのね、碧」
永遠はゆっくりと口を開いた。碧は永遠の言葉に身を乗り出した。永遠は碧のその真剣な眼差しに心を奪われた。永遠は正直に話すことに決めた。もう嘘はつかない。それが二人の関係を前に進める唯一の方法だと永遠は信じた。
「昨日、コンパに行ったんだ」
永遠の言葉に碧の表情が少しだけ硬くなった。永遠は碧の反応に心を痛めながらも続けた。
「それで、サークルの先輩と……」
永遠は言葉を探した。どう言えばいいのか分からなかった。碧は永遠の言葉をじっと待っている。永遠は勇気を出して言った。
「…身体の関係を持ったの」
永遠の言葉に、碧の顔から血の気が引いていくのが永遠にも分かった。碧は何も言わずにただ永遠をじっと見つめている。永遠は碧のその表情に心を痛めながらも続けた。
「私、碧に、特別になりたかった」
永遠は涙が溢れてくるのを感じた。
「でも、碧は私をただの幼馴染だっていうから……私、自分がどれだけ特別な存在か分からなくなっちゃったんだ」
永遠の声は震えていた。碧は永遠の涙に気づき、永遠の頬に触れようとした。しかし、永遠は彼のその手を払いのけた。
「触らないで」
永遠の声は震えていた。碧は永遠の言葉に驚き、手を引っ込めた。永遠は碧の瞳をじっと見つめながら続けた。
「…藤先輩、すごく優しかった。碧とは全然違った」
永遠の言葉に、碧の喉がかすかに動くのが永遠にも分かった。永遠は碧がどれだけ傷ついているかを知りながらも、さらに続けた。
「碧との夜は、私にとって特別なものだった。でも、藤先輩との夜は、もっとすごかった」
永遠の言葉に碧の表情は完全に凍りついた。永遠は碧のその表情に心を痛めながらも続けた。
「…ねぇ、碧」
永遠は碧の瞳をじっと見つめた。
「私のこと、まだ幼馴染だと思う?」
碧は何も言えずに、ただ永遠をじっと見つめている。永遠は碧のその沈黙の痛みを深く感じた。
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### 第27話:『歪んだ欲情』
永遠の告白は碧の心に深く突き刺さった。碧は何も言えずに、ただ永遠の顔をじっと見つめている。永遠は碧のその沈黙の痛みに耐えられなくなり、碧の膝に手を置いた。その瞬間、永遠は碧の身体がかすかに震えているのを感じた。永遠は驚いて碧の顔を見上げた。碧の瞳はいつになく真剣で、彼の頬は少し赤く染まっていた。
「碧……?」
永遠は戸惑って尋ねた。碧は永遠の問いかけに答えず、永遠の膝に手を置いた。その手は熱くて、永遠の心をさらに不安にさせた。永遠は碧の顔をじっと見つめた。碧の表情は永遠が今まで見たことのない表情だった。それは苦しみと快感が入り混じったような表情だった。
永遠は碧のその表情を見て、何かを察した。永遠は碧の身体をゆっくりと見下ろした。タオルケットの下で、ぴくぴくっと何かが盛り上がっている。永遠はそれが何を意味するのかを瞬時に理解した。碧は永遠の告白を聞いて興奮しているのだ。
永遠は碧の歪んだ性癖を理解した。碧は永遠が他の男に抱かれる話を聞いて興奮するのだ。それは碧の自己評価の低さからくる歪んだ欲情だった。碧は永遠を失うことを無意識に恐れていた。しかし、永遠が他の男と関係を持つことで、碧は永遠を「唯一無二の存在」として認識できる。永遠は碧のその歪んだ性癖に心を痛めながらも、同時に優越感を感じた。
永遠はゆっくりと碧に近づいた。そして碧の耳元で小さく囁いた。
「もしかして、私と藤先輩の話を聞いて、興奮しちゃった?」
永遠の言葉に、碧の身体がぴくっと震えた。碧は永遠の言葉に何も答えず、永遠の顔をじっと見つめている。永遠は碧のその表情に心を痛めながらも続けた。
「ねぇ、正直に言ってよ」
永遠は碧の頬に触れた。碧の頬は熱くて、永遠の心をさらに興奮させた。永遠は碧のその歪んだ欲情に心を支配され始めていた。永遠は碧のその歪んだ欲情をすべて受け入れることを決意した。それが碧を完全に支配する唯一の方法だと永遠は信じた。
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### 第28話:『主導権を握る者』
永遠の言葉に碧は何も答えなかった。しかし、彼の身体は正直だった。永遠は碧の足元に跪き、タオルケットをゆっくりと剥がした。そこに現れたのは、バカみたいに硬く勃起した碧のものだった。永遠はそれを見て、怒りからゾクッとする快感へと感情が変わるのを感じた。永遠は碧の性癖を暴き、自分が「主導権」を握れることに気づいた。
永遠は碧のものをゆっくりと手に取った。それは熱くて硬かった。永遠は碧のものを撫でながら碧の顔を見上げた。碧の瞳は永遠への羞恥と快感に溺れていた。永遠は彼のその表情に優越感を感じた。
「ねぇ、これ、どうするの?」
永遠は挑発的に尋ねた。碧は永遠の言葉に何も答えられずに、ただ永遠を見つめている。永遠は碧のその表情に心を痛めながらも続けた。
「私、碧の「特別」になりたかった。でも、碧は私をただの幼馴染だっていうから……私、こんなにバカみたいに硬くなってる碧のものを見て、安心しちゃったんだ」
永遠は碧のものを握りしめた。碧のものが永遠の手の中でさらに硬くなるのを感じた。永遠は碧のその反応に心を痛めながらも、優越感を感じた。永遠は碧のその歪んだ欲情をすべて受け入れることを決意した。それが碧を完全に支配する唯一の方法だと永遠は信じた。
永遠は碧のものをゆっくりと撫でた。そして碧の顔を見つめながら言った。
「ねぇ、碧」
永遠の声は優しさに満ちていた。しかし、その優しさの奥には深い支配欲が隠されていた。永遠は碧のすべてを支配したかった。彼の身体も心もすべて。永遠は碧のその歪んだ欲情をすべて受け入れることを決意した。永遠はもう碧に囚われる必要はない。永遠は自由になったのだ。
永遠は碧のものをゆっくりと撫でながら彼の顔をじっと見つめた。碧は永遠のその眼差しに何も言えずに、ただ永遠を見つめている。永遠は碧のその表情に心を痛めながらも、さらに言葉を続けた。
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### 第29話:『口の中の告白』
永遠は碧のものをゆっくりと手に取り、顔を近づけた。碧は永遠の行動に驚き、身体が震えているのが永遠にも分かった。永遠は碧の瞳をじっと見つめながら、彼のものを口に含んだ。
「んっ……」
永遠は碧のものを口に含んだまま彼の顔を見上げた。碧の瞳は羞恥と快感に溺れていた。永遠は彼のその表情に優越感を感じた。永遠は碧のものをゆっくりと口の中で動かした。そして碧の耳元で小さく囁いた。
「ねぇ、“他の男のが中に入ったこのクチ”で……」
永遠は挑発的に囁いた。碧の身体がぴくっと震える。永遠は碧のその反応にさらに興奮し、碧のものをさらに深く口に含んだ。
「…んんっ…♡」
永遠は甘い声を漏らしながら碧のものを口の中で動かす。碧は永遠の行動に何も言えずに、ただ永遠を見つめている。永遠は碧のその表情に優越感を感じた。永遠は碧のその歪んだ欲情をすべて受け入れることを決意した。それが碧を完全に支配する唯一の方法だと永遠は信じた。
永遠は碧のものを口に含んだまま、碧の顔を見つめた。永遠は碧の瞳をじっと見つめながら言った。
「…私、碧がどれだけ私に執着してるか分かったよ」
永遠の言葉に、碧の身体がぴくっと震える。永遠は碧のその反応にさらに興奮し、碧のものをさらに深く口に含んだ。永遠は碧のものを口に含んだまま彼の顔を見つめた。永遠は碧の瞳をじっと見つめながら言った。
「…私、もう他の男は必要ないから」
永遠の言葉に碧の瞳から涙が溢れ出した。永遠は碧の涙に心を痛めながらも、優越感を感じた。永遠は碧のすべてを支配したかった。彼の身体も心もすべて。
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### 第三部:愛と欲望の再構築
#### 第30話:『聞かされる快楽』
永遠は口の中を満たす熱い感触にじっと耐えながら、碧の顔を見上げていた。彼の視線は永遠の顔ではなく、彼女が口にしているその場所に釘付けだ。瞳はとろけ熱に浮かされたように潤み、口元からは抑えきれない甘い吐息が漏れている。永遠はそんな碧の様子を優越感に浸りながら観察していた。自分の言葉が彼をこんなにも揺さぶるのだ。その事実がたまらなく心地よかった。
「……ねぇ、覚えてる?」
永遠は舌をゆっくり動かしながら囁くように問いかけた。碧の目が一瞬怯えに揺れる。
「あのとき先輩の部屋はすごく清潔でさ、観葉植物とか本棚とか、すごく綺麗に整理されてたんだ」
口の中では熱くて硬いものが脈打っている。永遠はそれが自分の舌と喉の奥を突き抜ける感触を楽しみながら言葉を続けた。碧の喉がごくりと鳴る。
「なんかそういうのってさ……すごく安心できるんだよね」
永遠は舌先で碧の先端を優しく転がした。
碧の体がびくりと震え、その下半身はさらに硬くなった。指で握っていたものがさらに膨張し、熱を帯びる。
「ねぇ…碧の部屋はさ、物が散らかってていつもちょっと埃っぽい匂いがするよね」
永遠は口の中のものを舐め上げながら言った。
「でもさ…それは碧の匂いがするから…すごく落ち着くんだ」
碧の表情が苦痛に歪んだ。永遠は彼のその表情に満足感を覚える。彼は今、快感と羞恥心と嫉妬が混ざり合った感情に溺れているのだ。
「先輩の部屋は綺麗だったけど…なんか物足りないんだよね…」
永遠はさらに挑発するように言葉を重ねる。
「…なんでだろうね」
碧は永遠の言葉に何も答えられず、ただ苦しそうに息を吐くだけだ。その様子を見て永遠は微笑む。
「…多分それはさ…先輩の匂いがしないからかな」
永遠は喉を鳴らし、奥まで含み込み、碧の根本からゆっくりと先端まで吸い上げた。
碧は「ん…っ」と甘い悲鳴を漏らし、腰を永遠の口元に押し付けた。
「…永遠…やめろ…」
碧の声は弱々しく懇願するようだった。しかし彼の身体は正直で、永遠の口の動きに合わせて熱と硬さを増していく。永遠はそんな碧の弱さを楽しむようにさらに言葉を続けた。
「ねぇ、碧…あの夜ね…先輩の指が…私の太ももをさ…」
永遠はそう言いながら口の中で舌を器用に動かした。熱いものがびくっと跳ねる。
「…こうやってゆっくり…上から…下まで…」
「じゅるっ…じゅぽっ♡」
永遠が口を大きく開け、碧のものを先端まで抜き差しする。碧の腰が大きく跳ね上がった。
「…ねぇ、碧…私の…どこを触って欲しかった?」
永遠は碧の顔を覗き込みながら優しく問いかける。碧の瞳は完全に潤みきっていて、永遠の挑発的な言葉に何も答えられない。
永遠は口角を上げ、碧のものを再び口に含んだ。
「…本当はさ…もっと奥まで入れて欲しかったんだ…」
「…っ…あああ…♡」
碧は顔を歪ませて甘く呻いた。永遠は彼の反応が面白くてたまらない。この男は自分の劣等感と、愛する女性の裏切りによって快感を得ているのだ。その歪んだ愛の形を永遠はすべて理解し、利用している。
「ねぇ…私ってさ…特別じゃなかったんだよね…」
永遠は最後にそう囁きながら、喉の奥まで深く含み込んだ。碧の身体が硬直する。
「…でもね…碧だけは私を…特別にしてくれるよね」
碧の呼吸が荒くなる。永遠は彼の先端から透明な液が漏れているのを舌先で感じた。碧の快感が頂点に達しようとしているのがわかった。
永遠は最後に強く吸い上げ、碧の弱さをすべて飲み込んでやろうと決意した。彼の心は今この瞬間に完全に永遠の手に落ちた。その確信が彼女の心を支配的な喜びに満たしていく。
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### 第31話:『飲まれる精液、広がる支配』
「ねぇ、もっと近くに来て」
永遠の言葉に碧は従い、彼女の顔に自身の股間を近づけた。目の前に広がるのは、硬く膨張した自身の性器。それは永遠の口内に深く入っていく。彼女の熱い吐息と柔らかな舌の動きが、碧の全身を震え上がらせる。
「どうしたの、怖いの?」
永遠は口の中で碧を弄びながら、嘲るように問いかける。彼女の口調には、これまでの愛らしさはなく、どこか冷たい支配者の色が混じっていた。
「ひより……っ」
碧は永遠の頬を両手で包み込み、引き離そうと試みる。しかし永遠の口は、まるで鎖で繋がれたかのように碧を離さない。むしろ彼女は、さらに深く、さらに強く吸い込み、碧の理性と自制心を一つずつ破壊していく。
「もっと、奥まで入れて」
永遠は甘く囁く。その声は、碧の耳をくすぐり、彼の性器の先端から透明な液がにじみ出る。
「藤先輩がね、こんなことしてくれたら、もっと気持ちいいんだって」
彼女は再び、藤先輩の名を口にした。その言葉が、碧の性器をさらなる硬さに変え、彼の身体をぴくぴくと震えさせる。永遠はそれを感じ取り、満足げに微笑んだ。
「ひより、やめろ……っ」
碧は震える声で懇願する。だが永遠は、その言葉を快感のサインだと受け取った。彼女は舌を巧みに使い、碧の先端を丁寧に転がす。
「藤先輩は、こんなことしてくれなかった。だから、これが特別だなんて思わなかった」
永遠の言葉は、まるで熱い精液のように碧の身体に染み渡っていく。彼の理性は限界に達し、身体は自身の意志とは無関係に跳ね上がる。
「いっ、ひより……っ、で、出る……!」
碧の声が震える。永遠は、それが合図だと知っていた。彼女は口を開け、彼の放出をすべて受け入れる準備をする。
碧の身体が大きく震え、彼の性器の根元が痙攣する。ドクドクと脈打つような感覚が、永遠の口の奥に伝わってきた。
「んっ……っ、あっ……」
永遠の口の中に、熱く濃い精液が放出される。びゅるびゅるっという音と共に、それは永遠の喉の奥へと注ぎ込まれた。
熱い精液が食道を通り、胃へと落ちていく感覚。永遠はごくりとそれを飲み込み、口を拭った。
「これ、あなたが私にくれた最初の贈り物だね」
永遠はにこりと微笑む。その笑顔は、どこか遠く、手が届かない場所から見下ろしているようだった。
「ひより……っ」
碧は永遠を抱きしめようと腕を伸ばす。しかし永遠は、彼の手を優しく払い除ける。
「まだ終わってないよ、碧。今度は、あなたの身体で証明して」
永遠は碧の膝の上にまたがり、彼の股間を自身のそれに合わせた。濡れた穴が、彼の熱を帯びた性器を求めて蠢く。
「ねぇ、今までの関係、壊したくないって言ったよね? もう遅いよ」
永遠は碧を見下ろし、優越感に浸る。彼の身体が震えているのを感じながら、彼女はゆっくりと自身の腰を動かした。
この行為は、単なる快楽ではない。それは碧の自己評価の低さ、そして彼の歪んだ性癖を暴き、永遠が彼を完全に支配するための儀式だった。永遠は、彼の弱さを受け入れることで、自分たちの関係を再定義する。それは「幼馴染」という安全な檻ではなく、「夫婦」という名の、決して離れられない鎖だった。
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### 第32話:『新しい関係の形』
永遠は碧の膝の上にそっとまたがった。ひんやりと冷たい肌の感触が太ももの内側から伝わってくる。彼女の視線は碧の顔から決して離れなかった。永遠の口の中で射精されたばかりの熱い精液がまだ喉の奥に残り、微かな粘りを主張していた。
彼は少しだけ顔を赤らめ下を向いていた。その姿はまるで初めて身体を重ねたあの夜の碧と重なる。だが永遠は知っている。この男はただ純粋なだけの幼馴染ではない。永遠が別の男に抱かれ、その快感を語ることでしか満たされない歪んだ欲望を抱えているのだ。
永遠は静かに息を吸い込み、ゆっくりと腰を上げた。すると碧のものが彼女の入り口からわずかに抜け、「じゅるる」という濡れた音が部屋に響く。碧の肩が小さく震えた。永遠はそれが快感からくるものであることを知っている。
もう何も怖くない。罪悪感なんてどこにもない。ここにあるのはただただ彼を支配する喜び。そして彼が自分を離さないと確信した安心感だ。
永遠はにやりと笑みを浮かべた。
「ねぇ、碧」
彼女は挑発するように囁いた。
「藤先輩のとはもう全然違う。もう私の身体はね、あなたのものしか受け付けないみたい」
その言葉に碧の肩が一層大きく跳ねた。彼の視線がゆっくりと永遠の目に向けられた。瞳は潤み、うっすらと赤く染まっている。
「嘘……だろ?」
彼の声は震えていた。
永遠は首を横に振る。
「嘘じゃないよ。だってこの身体が全部覚えているもん。この硬さ、この太さ、この熱さ……全部全部私だけのもの」
そして永遠は再び腰をゆっくりと下ろしていった。
「ねっ?」
「ずぷっ……」
一気に奥まで沈み込む感触。碧のものが永遠の内部をぐっと押し広げる。先ほど口に含んだばかりのそれが今度は身体の奥深くに納まっている。
「んっ……ふふっ」
永遠は碧の首に腕を回し、その耳元にそっと囁いた。
「簡単だったでしょう?私がこうしてあなたを求めるなんて」
彼は永遠の言葉に何も答えられない。ただ永遠をしっかりと抱きしめ、その腰を強く引き寄せた。
「ひっ……!ふぁっ……」
碧が腰を突き上げてきた。それは永遠の言葉に抗うかのように深く強く。まるで永遠の嘘を暴こうとするかのように。
しかし永遠の身体は彼に正直に反応した。彼女の膣の壁が碧のものを絡め取るように締め付ける。
「ふぅぅ……あなたって本当に……」
永遠はため息混じりに呟いた。
「私が他の誰かと寝た話で興奮するなんて変態なんだから」
永遠の言葉に碧の身体がびくっと震えた。彼は再び永遠の言葉に動揺した。しかし永遠は構わず続ける。
「でもいいの。だってあなたのそういうところも全部受け止めてあげる。だって私はもうあなたの妻なんだから」
「妻……?」
碧が永遠の言葉を鸚鵡返しに呟いた。その声にはまだ困惑の色が残っている。
永遠は彼の耳朶に舌を這わせた。
「そう。私たち夫婦。あなたも私ももう逃げられないの。幼馴染っていう檻から出てきてやっと夫婦っていう名の鎖を手に入れたんだよ」
永遠はそう言って笑った。その笑顔にはかつての無邪気さはない。しかしそれ以上の深い愛と独占欲が宿っていた。
二人の身体が溶け合うように一つになる。それはもはや優しさだけでは成り立たない危険で特別な関係だった。それでも永遠はそれが自分たちにとっての「愛」の形なのだと確信した。
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### 第33話:『初めての、本音』
永遠は碧の膝の上に座り、両腕を彼の肩に回した。彼の熱い視線がまっすぐ永遠を貫く。永遠はゆっくりと腰を揺らし、彼の内にあるものを迎え入れようとした。一寸ずつ少しずつ永遠の身体は彼のものを受け入れていく。その度に碧の顔から表情が消えていく。まるで痛みと快楽の狭間で思考が停止したかのようだった。永遠はそんな彼の様子を満足げに眺めていた。この男は今、自分以外のすべてを忘れ、永遠だけを見ている。永遠の身体だけを感じている。永遠はもっと深い部分で彼の存在を確かめたかった。もっともっとこの男を欲しかった。
「ふぅ……」
永遠は碧の耳元で甘く息を吐きかけた。その息は彼の耳朶をくすぐり、碧の全身を震わせた。碧は永遠を抱きしめる腕に力を込めた。永遠の背中に回された彼の指先は、まるで永遠を捕らえて離さないかのように彼女の身体に食い込む。痛いほどの力だったが、永遠はそれを心地よく感じた。
「ねえ……どうしてそんなに顔が青いの?」
永遠は楽しそうに碧の顔を覗き込んだ。彼の顔は永遠の言葉を聞いてもなお、無表情のままだった。ただその唇だけが小刻みに震えている。永遠はそんな彼を見て優越感を覚えた。しかしその優越感はすぐに別の感情へと姿を変えた。それは深い愛おしさ。自分以外の男と関係を持ったことを告白した瞬間、永遠は碧を失うかもしれないと心から恐れた。だが今、この瞬間、碧は永遠を求めている。彼の身体は、彼の心は、永遠を、永遠だけを求めている。
「とわ……」
掠れた声が永遠の耳に届く。その声は震えていた。永遠は彼の名前を呼ぶその声に、たまらないほどの愛おしさを感じた。
「俺の前から……居なくならないで……」
その言葉はほとんど聞き取れないほど小さかった。しかし永遠の胸にはしっかりと届いた。碧はいつも言葉を濁し、感情を隠してきた。その彼が今、永遠を失う恐怖を露わにしている。その事実に永遠の胸の奥から温かいものが込み上げてきた。涙が永遠の瞳に滲む。ああ、この人の中にも自分と同じ感情があったのだ。言葉にされなかっただけで、見えなかっただけで、ずっと前から存在していたのだ。
「……うん」
永遠は碧の言葉に、小さく頷いた。この歪んだ愛の形こそが、自分にとっての真実なのだと永遠は確信した。もう誰にも、この男を渡したくない。永遠はそう強く思った。永遠は碧の膝から腰を少し浮かせ、そしてゆっくりと深く沈み込む。
「ぬちゅっ……ずぷっ♡♡♡」
二人を隔てていた最後の境界線が溶け、碧のものが永遠の内側にずずっという鈍い音を立てて深く沈み込んだ。永遠の身体はそれに呼応するように、ぴくぴくと震え始める。永遠は目を閉じ、碧の存在を全身で感じた。この瞬間、永遠は碧と「夫婦」という名の鎖で結ばれたことを確信した。もう誰にも壊せない、二人だけの世界。永遠は満たされた気持ちで、碧の背中に回した腕に力を込めた。
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### 第34話:『涙と、確信』
「碧……」
わたしは彼の声が震えていることに気づき、胸の奥が締め付けられるような痛みを感じた。その声はいつもわたしに聞かせる穏やかな声ではなく、今にも消え入りそうで、まるで迷子になった子供のようだった。目の前の男はわたしよりもずっと背が高く、いつも頼りになる幼馴染だったはずなのに、この瞬間だけは、わたしが彼を守ってあげなければならないような錯覚に陥った。碧は目を伏せ、唇を固く結んでいる。彼の涼やかな横顔は、微かに汗ばんでいた。わたしは彼の頭に手を置き、その色素の薄い髪を優しく撫でた。彼の全身から発せられる熱がわたしの掌に伝わり、それがわたしの心に温かい熱を灯した。
「大丈夫だよ」
そう言ったわたしの声も震えていた。喜びなのか切なさなのか、自分でも分からない感情が喉の奥で塊となり、言葉を詰まらせた。わたしはなぜ泣いているのか自分でもわからなかった。藤先輩に抱かれた時も、涙は出なかった。壮太に傷つけられた時も、わたしはただただ絶望の淵にいた。でも今は、涙が止めどなく溢れてくる。この涙は、碧がわたしにとってどれだけ大切で、かけがえのない存在だったかを、改めてわたしに教えてくれた。
「ずっと、ここにいるから」
そう囁くと、碧はわたしの手を強く握りしめた。その力強さに、彼の心の奥底に眠っていた感情がほとばしるのを感じた。わたしたちの体は再び熱を帯び、わたしは碧の膝の上で腰をゆらゆらと揺らし始めた。碧は何も言わずに、ただその動きに身を任せる。彼の体はわたしの動きに合わせて、優しく、そして力強く反応した。
下腹部から込み上げてくる快感は、もはや言葉では言い表せないものだった。藤先輩の太く硬いものが膣に入ってきた時も確かに快感はあった。だが、それは純粋な身体的快楽であり、わたしの心とは切り離されたものだった。しかし、今の碧との快感は違った。彼の体温、彼の吐息、そして彼の震える声、そのすべてが快感と一体となり、わたしの心に深く深く染み渡っていく。
まるで、わたしの内側が彼の形に変形していくようだった。彼の大きさと硬さが、わたしの膣の壁にじんわりと押し付けられる。そして、その形に合わせて、じわじわと、だが確かに、わたしの膣が膨らんでいく感覚。碧のものが奥へ奥へと進むたびに、わたしの身体は震え、甘い悲鳴を上げた。それは快感の悲鳴であり、彼の存在を全身で受け入れたいと願う心の叫びでもあった。
碧は腰を動かし始めた。ゆっくりと、しかし確かなリズムで、わたしの体と彼の体を繋いでいく。その動きは決して荒々しいものではなく、まるで壊れ物を扱うかのような優しさだった。わたしの身体が熱くなり、汗が頬を伝って流れる。この熱は愛の熱であり、わたしたちの関係を再構築するための熱だった。
わたしは彼の顔を見つめた。潤んだ瞳に映るわたしは、いつものわたしではなかった。目の奥には愛と欲望が渦巻いており、それは碧の心の中を映し出しているようだった。彼の表情は苦しげでありながら、同時に恍惚に満ちていた。その矛盾した表情が、彼の歪んだ性癖と、わたしへの深い愛を物語っていた。
「もっと……」
わたしは無意識にそう口にしていた。
碧はわたしの言葉に、ハッと顔を上げた。その目に宿る光は、わたしをただの幼馴染ではなく、愛する女として見つめているものだった。その瞬間、わたしは確信した。
わたしが求めていた「特別」は、最初からここにあったのだと。
この歪んだ関係こそが、わたしたちにとっての「愛」であり、「夫婦」という名の鎖なのだと。
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### 第35話:『歪んだ愛の、完成』
永遠の口の中で何度も絶頂を迎え、その度に熱い液体を吐き出し続けた碧の身体はもう限界に近付いていた。しかし、永遠に支配され突き動かされるまま、碧は震える手で永遠の身体を抱き寄せた。永遠は碧の膝に跨がり、自身の腰をゆらゆらと揺らしながら彼の熱をもう一度その一番奥で受け止めようと準備をしていた。もう羞恥心も罪悪感も何もなかった。あったのはただ、碧を自分のものにしたいという強い欲求だけ。この歪んだ関係の先に自分たちが本当に求める愛があるのだと永遠は確信していた。
「ん……あおい……」
永遠が甘い声で名を呼ぶと、碧は一瞬怯んだように身体を硬くした。しかしその目には、先ほどの情欲の炎とは違う、もっと深く濃い光が宿っていた。それは恐怖でも支配欲でもない、ただ永遠だけを求める純粋な光。彼は永遠の腰を両手で強く掴むと、ゆっくりと永遠の内部へ侵入してきた。一度経験したはずの行為なのに、今度はまるで違う。熱くて太いそれが永遠の身体をゆっくりと満たしていく。
「ぁあ……っ」
息を詰めるような永遠の喘ぎ声が部屋に響く。碧は永遠の表情を真剣に見つめながら、彼女の身体が自分の熱にどう反応しているのかを確かめていた。永遠の膣内の壁が彼のものを締め付けるその感触が、彼にこれまでにない高揚感を与えているようだった。
「とわ……っ」
今度は碧が永遠の名を呼んだ。その声は震えながらも切実で、そして永遠の存在を確かめるようだった。永遠は彼の名前を呼んだその声に、自分でもなぜか分からない涙が溢れそうになるのを感じた。嬉しさなのか、安堵なのか、それともこの関係の歪さに胸が締め付けられたからなのか。ただただ胸の奥が温かくなった。
碧は永遠の腰に手をかけ上下に動かし始めた。ゆったりとした動きから徐々に速さが加わり、永遠の身体を激しく揺さぶる。永遠は腰を打ち付けるたびに「はぁっはぁ……」と甘い息を吐きながら碧の肩に顔を埋めた。熱いものが身体の奥深くまで入り込み、そして引いていくその度に、彼女の内部は碧の形に変形していくようだった。
「んあああああああああああああああああああっっっ♡♡♡」
熱く重いものが身体の奥に深く突き刺さる。永遠の身体が大きく跳ね上がった。そしてその瞬間、碧のものが永遠の内部で大きく脈打った。
「びゅるるっ…っ、びゅくっ♡」
熱くて濃い精液が奥の深い場所に叩きつけられる衝撃。永遠は全身を痙攣させながら彼の名を叫ぶ。
「ぁあぁあっ♡♡♡ っ、中っ……♡」
永遠は初めての膣内射精を受け止め、その熱い液体が子宮の入り口に流れ込んでいく感触を感じた。それは決して気持ちいいだけのものではなく、もっと深く内面を揺さぶるものだった。碧は永遠の身体を力強く抱き締めながら、彼女の耳元でかすれた声で囁いた。
「もう……どこにも行かないで」
その言葉は彼の自己評価の低さからくる歪んだ愛の言葉だった。しかし永遠にとってその言葉は、彼に「特別」な存在として認められた何よりの証だった。この行為こそが、自分たちにとっての特別なことだったのだ。幼馴染という檻から解放され、夫婦という名の鎖に繋がれたこの関係こそが。永遠は彼の背中に手を回し、力強く抱き締め返しながら心の中で確信するのだった。「“特別”って、最初からそこにあったんだ」と。
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### 第36話:貞淑な妻への回帰
永遠は自分の部屋でスマートフォンを手に取り、藤先輩からのメッセージを眺めていた。あれから数週間が経った今もなお、彼のメッセージは時折届く。内容は他愛のないものだったり、次のサークルの予定を知らせるものだったりするが、返信は一度もしていない。それは自分でも驚くほどの徹底ぶりだった。藤先輩とは、あの夜一度だけ身体を重ねただけの関係だ。もともと深入りするつもりはなかったし、彼もそれを望んでいなかったはずだ。それでも連絡が来るのは彼の優しさなのか、それとも永遠が知らない何かがそこにあったのか。そんなことを考えるのはもうやめた。もう必要ないのだから。
メッセージを読まずに通知を消し、スマートフォンをベッドサイドのテーブルに置く。壁に立てかけられた全身鏡に映る自分の姿を見た。小柄で華奢な身体に柔らかい曲線。茶色のセミロングの髪は少し伸びて鎖骨にかかっている。一見するとどこにでもいる普通の女子大生だ。しかしその瞳の奥には、今までとは違う光が宿っていた。それは以前のような迷いや不安ではなく、確固たる決意を秘めた光だった。
碧にすべてを話したあの朝から、二人の関係は一変した。以前のようにただの幼馴染として過ごす時間ももちろんあったが、そこには常に新しい「絆」があった。それは他の誰にも侵すことのできない二人の歪んだ秘密であり、永遠にとっては安心できる「檻」だった。そして永遠はその「檻」に閉じ込められることを何よりも望んだ。
永遠は部屋のクローゼットを開け、中の服を眺めた。コンパに着て行った少し露出度の高いワンピースや、藤先輩に太ももを撫でられたときに履いていたスカート。それらの服を手に取り、無表情でゴミ袋に詰めていく。過去との決別だった。もうこんな服は必要ない。碧だけが知っていればいい、自分の身体は彼だけのものであり、他の誰かに見せびらかす必要はないのだ。
碧との関係は、世間から見れば歪んでいるのかもしれない。しかし永遠にとっては、これこそが真実の愛の形だった。他の男に抱かれる話を聞いて興奮する碧の性癖、その欲望を満たすために自分を差し出す永遠。それは決して健全な関係ではない。しかしその行為を通して、碧は永遠を唯一無二の存在として受け入れ、永遠は碧の歪んだ愛を一身に受けることができた。
その歪みこそが二人の愛を強固なものにしたのだ。
永遠はベッドに座り、碧にメッセージを送った。「今から、行ってもいい?」と。返信はすぐに来た。「うん、いつでもおいで」簡潔で素っ気ない言葉だったが、永遠にはその中に確かな愛が感じられた。それは以前のような不確かな優しさではなく、永遠の存在を肯定し、彼女が自分のものであることを確信している者の言葉だった。
永遠は静かに立ち上がり、部屋を出る準備を始めた。彼女はもう「久遠永遠」という一人の女性として生きることをやめた。碧の「貞淑な妻」として生きることを決意したのだ。藤先輩との夜が与えてくれたものは、自由ではなく、碧という名の鎖だった。そして永遠は、その鎖を愛と呼ぶことを選んだ。彼女にとって「夫婦」という名の鎖は、永遠の愛を証明する唯一無二の手段だった。
永遠は扉を開け、碧の待つ場所へと歩き出した。彼女の足取りは軽く、その表情には一片の迷いもなかった。なぜなら、彼女はもう知っているからだ。自分の居場所は、碧の隣にしかないということを。そして、その場所こそが、世界で一番安全な場所であるということを。
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### エピローグ:『私たちだけの真実』
永遠は碧の部屋のベッドに横たわり、彼の温かい胸に顔を埋めた。もう外はとっぷりと日が暮れ、部屋の窓から見えるのは、街の明かりと、薄い三日月だけだった。碧の心臓の鼓動が、トクン、トクンと規則正しく永遠の耳に届く。その音は、いつかの雨の夜、彼の部屋に初めて泊まったときの、不安と期待に満ちた心臓の音とは違う。今はただ、穏やかで優しい、安心の音だった。
あの朝、すべてを告白した日から、わたしたちの関係は確かに変わった。藤先輩との夜をすべて話した時、碧の顔から血の気が引いていくのを見た。彼の瞳から光が消え、わたしをただの「幼馴染」としてしか見ていなかった事実を突きつけられた絶望を、わたしは彼の表情から見て取った。しかし、それと同時に彼の身体が興奮しているのを感じた時、わたしはすべての謎が解けた気がした。
彼はわたしを失うことを無意識に恐れていた。その恐怖心から、わたしを「幼馴染」という安全な檻に閉じ込めようとした。しかし、わたしが別の男に抱かれ、その行為を詳細に話すことで、彼の最も深い部分にある「歪んだ愛」が露呈したのだ。
「あなたって、本当に変態なんだから」
永遠がそう呟くと、碧の身体がわずかに震える。
「ひより……」
碧の声は弱々しく、しかしその震えの中には、永遠の存在を確かめるような切実な響きがあった。永遠は彼のその弱さに、深い愛おしさを感じた。
世間から見れば、わたしたちの関係は歪んでいるのかもしれない。しかし、永遠にとっては、これこそが真実の愛の形だった。他の誰にも侵すことのできない、二人だけの「夫婦」という名の鎖。永遠は、その鎖に縛られることを選んだ。そして、その鎖こそが、永遠の愛を証明する唯一の手段だった。
碧は永遠を抱きしめる腕に力を込めた。永遠は彼の温かい腕の中で、もう二度とこの場所から離れることはないだろうと確信した。
永遠は碧の耳元で囁く。
「ねぇ、あなたにとっての夫婦って、なに?」
碧は永遠の問いかけにしばらく答えなかった。沈黙が二人を包み込む。しかし、その沈黙は決して不快なものではなく、お互いの存在を深く感じ合う、愛おしい時間だった。
「……俺が、どれだけ醜くて、卑怯な人間か知ってても、お前がそばにいてくれること」
碧は永遠の言葉に、小さくそう答えた。永遠の胸の奥が、温かくなった。
「それは違うよ、碧」
永遠は彼の顔を見つめ、静かに言った。
「わたしの醜さを知っても、あなたがそばにいてくれること。それが、夫婦だよ」
永遠はそう言って、彼にキスをした。唇が重なる。それは、二人の歪んだ愛の形を肯定する、唯一の儀式だった。
わたしたちにとっての夫婦は、永遠に解けない、甘くて苦い鎖だった。そして、その鎖こそが、世界で一番安全な場所だった。
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幼馴染の檻、妻の鎖 舞夢宜人 @MyTime1969
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