転生したらラブコメディ
茶電子素
第1話 転生初日の最初の5分
「おめでとうございます!あなたは異世界に転生しました!」
──目を開けた瞬間、俺は白い空間で金髪の超絶美少女に祝福されていた。
いや、待て。説明シンプルすぎ。
転生ってそんなに誰でも理解できるもんなの?……まあ俺は出来るけど。
「え、ちょっと待って。俺、死んだの?」
「はい。ロードローラーに轢かれて即死です!」
「即答!?(しかもロードローラー!?あんなゆっくりなものに!?)」
俺がツッコミを入れる間もなく、美少女はにっこり笑った。
「ちなみに私はこの世界の女神リリアです。そして──」
彼女は俺の手をぎゅっと握る。
「あなたの婚約者です!」
「展開早ッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!」
俺の絶叫が白い空間に響き渡った。
気づけば俺は異世界の街のど真ん中に立っていた。
石畳の道、行き交う人々、そして隣には当然のように女神リリア。
「さあ、ダーリン!まずは結婚式の準備をしましょう!」
「いやいやいや!転生0秒で婚約者ってどういうこと!?」
「だって、異世界転生モノはヒロインが早めに出ないと読者が離脱するらしいんですよ!」
「メタ発言やめろォォォ!!!」
俺が頭を抱えた瞬間、突然ドカーンと爆発音。街の外から魔物が襲来してきた。
「きゃー!ゴブリン軍団です!」
「出るの早ッ!まだ俺、ステータス確認すらしてないんだけど!?」
リリアは俺の手をギュッと握る。
「大丈夫!あなたにはチート能力があります!」
「おお、やっぱり!?どんな能力なんだ!?」
「──私の好感度が最初からMAXです!」
「戦闘に役立たねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
だがそのとたんに、ゴブリンたちが俺にひれ伏した。
「な、なにこれ!?」
「あなたが私(神)に愛されすぎて、その威光で魔物すら屈服するのです!」
「まさか、そんなアホ仕様のチート能力が……」
街の人々は拍手喝采。「勇者様だ!」「救世主だ!」「結婚式はいつですか?」
「いや、だから俺まだ名前も自己紹介もしてないんだけど!?」
リリアは俺の腕に絡みつき、満面の笑み。
「ではあらためて──私のダーリン、世界を救う勇者様!」
それにしても俺の異世界ライフ、あわただしいにもほどがある。
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