第5話 二人でお風呂。
//SE ゴゴゴーと、勢いよく湯船にお湯を入れる音。
(嬉しそうに言う。)
「うちは、温泉引いてるんだよ。いいでしょー」
//SE キュっと、蛇口を締める音。
//SE ピチャっと、湯船に水滴が落ちる音。
(平坦に言う。)
「これでバッチリ。あったかいうちに入っちゃおう」
//SE するするっと服が脱げる音。
「ん? 私の話聞いてた? あったかいうちに、入っちゃおうよ」
//SE するするっと服が脱げる音。
(当然のように言う。)
「なんで動かないの? 君も入るんだよ。何回も湯を沸かすのもったいないでしょ?」
「はい? なに、恥ずかしがってるの?」
(平坦に少し震えながら言う。)
「先に脱いだ私は、とっても寒いんだが?」
(平坦に言いながら少し怒りを滲ませる。)
「けど、君が入るまで私はここで、冷えていくよ」
//SE 隙間風が拭く音。
(怒りながら言う。)
「この家、ボロいんだからね。風が入ってくるの」
「もう、我慢できない。私が脱がす」
//SE するするっと服が脱げる音。
(怒りが少しおさまった感じで言う。)
「早く入るよー」
//SE ペタペタと濡れたタイルを歩く音。
//SE 古い引き戸の扉を、ピシャっと閉める音。
(以下、風呂の中で、声にエコーがかかってる感じで。)
「早く入るとはいえ、かけ湯はしっかりね」
//SE カポンと桶が湯船に当たる音。
//SE かけ湯をしてお湯が流れる音。
(少しだけ予想外だったように言う。)
「ほぁー……、あっつい……」
//SE かけ湯をしてお湯が流れる音。
「それじゃあ、先に失礼しますねー」
//SE チャポンと、湯船に入る音。
(平坦に、気持ちよさそうに言う。)
「はぁーーー……。あったかぁいぃー……」
「いきかえるぅぅー……」
//SE カポンと桶が湯船に当たる音。
//SE かけ湯をしてお湯が流れる音。
(平坦に、楽しそうに言う。)
「ふふ、あっついでしょー?」
「まぁ、湯船は狭いから、君は先に身体洗ってねー」
//SE チャポンと、湯船に入る音。
//SE ザザザーと、湯船から湯が流れる音。
(平坦に、若干引き気味で言う。)
「……えっ。なんで、君まで一緒に入るのよ?」
「寒いっていうのは、わかるけども」
「湯船狭いって言ったじゃん。足伸ばせなくなっちゃうから……」
//SE ピチャっと、湯船に水滴が落ちる音。
(けだるそうに言う)
「まぁいいや……。無理矢理、伸ばすよー」
「ちょ……。なんで君も伸ばしてくるのよ……」
「まぁ、ダルいから、べつに良いけど」
「くすぐったいから、動くのは止めてね」
//SE バシャバシャと湯の中で動く音。
(抑えめに怒るように言う。)
「動くなって言ったじゃん。当たるから!」
「狭いし、バカーーー!」
//SE ピチャっと、湯船に水滴が落ちる音。
「じゃあ、私から身体洗っちゃう」
//SE ザザーと、湯船から出る音。
//SE 風呂の椅子を引きずる音。
//SE シュワシュワと泡立つ音。
//SE シャワーで流す音。
(疑う様に言う。)
「……なんか、私のこと見てる?」
「君も一緒に洗っちゃうと良いよ。湯船に入っててものぼせちゃうでしょ?」
//SE ザザーと、湯船から出る音。
「せっかくだから、私が洗ってあげるね。ほら、腕出しなー」
//SE 力強くゴシゴシと腕の辺りを洗う音。
(いたずらっぽく言う)
「君、絶対私のことジロジロ見てたから、お返し。痛めの垢すりね」
「ふふふ。逃げちゃダメ」
「次は、足だからね?」
//SE 力強くゴシゴシと足の辺りを洗う音。
(いたずらっぽく言う。)
「綺麗にしましょうねー。ふふ」
「なになに、恥ずかしいの?」
「昔は洗いっこしたじゃん、ほらほら?」
//SE 力強くゴシゴシと足の辺りを洗う音。
「あっ……。洗いっこじゃなかった。ごめん訂正……」
「揚げ足取りするの? 私のことは洗わなくていいから……」
//SE ゴシゴシと洗う音。
(今までに無いくらい慌てるように言う。)
「ちょっ、ばかばかばかー!」
//SE ゴシゴシと洗う音。
(楽しそうに笑う。)
「あははははは。くすぐったいからーー!」
//SE ゴシゴシと洗う音が徐々におさまる。
(少し落ち着く。)
「……ふぅ」
(淡々と、怒っているように言う。)
「……君のターンは終わりかな?」
「……よくもやってくれたね?」
(怒ったように言う。)
「次は、頭出せ。目潰れ」
「私は頭洗い終わってるから、君だけね?」
//SE 近くでシュワシュワと泡立つ音。
「痒いとこある?」
//SE 頭をシュワシュワと掻いていく音。
//SE 右から順番に左へとシュワシュワと掻く音。
(平坦に、優しそうに言う。)
「気持ちいいかな?」
「じゃあ、流すよー」
//SE シャワーで、泡を流す音。
(平坦に、優しそうに言う。)
「最後にまた湯船で温まろうか」
「ダルいから、また二人一緒に入ればいいよ」
//SE ポチャンと、湯船に入る音が二回鳴る。
「ふぃー……。気持ちいいねぇー……」
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