虚無との邂逅 II

伝説ダンジョン深層――

黒い影が揺れる中、蓮は静かに歩を進める。

虚無獣が低く唸り、影兵たちが整列して周囲を警戒する。


「……奴か。」

目の前に立つのは、かつて失われた最強の存在。

全身を影で包み、虚無の波動を漂わせる。

瞳は蓮を認識し、冷たく光った。


◇◆◇


虚無獣が囁く。

「主よ、この力は…かつての封印者の影響を受けている。

無理に制御すれば、全てを喰らい尽くす危険もある。」


蓮は微かに頷く。

「……問題ない。俺が影の主だ。」


黒い靄が一気に広がり、影兵たちが戦闘態勢を整える。

だが、蓮は手を下ろす。

「まずは、力を測る。」


◇◆◇


謎の存在が一歩前に出る。

その影が、空間を歪ませ、虚無の力を放つ。

一瞬にして影兵の一部が吹き飛び、空間が裂ける。


「……やはり、強い。」

蓮は冷静に観察し、手を振る。

影兵たちは再び虚無の力で再生し、複合型影兵として反撃を開始する。


◇◆◇


「……これが、虚無の力の深層か。」

蓮の瞳が漆黒に輝く。

影兵たちが一斉に進化し、虚無の刃で敵の攻撃を切り裂く。

黒い霧が空間全体を覆い、二人の虚無の力が激しくぶつかり合う。


虚無獣が低く唸る。

「主よ、これが真の力の試練だ。

己の影を極めろ。」


蓮は冷たく微笑む。

「……なら、喰らえ。」


空間が歪み、影兵たちが敵の力を吸収し、さらに進化する。

謎の存在は一度退くが、その瞳は、蓮の力を認めたかのように光った。


◇◆◇


戦闘後、蓮は影兵たちを整列させる。

「……見えたな。まだ、俺の影は世界のどこにも届いていない。」


虚無獣が影の中で頭を覗かせる。

「主よ、奴は…お前の軍勢に加わる可能性を秘めている。」


蓮は静かに頷く。

「……なら、仲間になるまでは俺の力で示すだけだ。」


夜の深層ダンジョン――

黒石蓮――影喰(かげぐら)の名は、さらに深く、世界の恐怖と秩序に刻まれ始めた。

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