影を裂く者たち

ギルド本部――。

エリスは深刻な顔で上司に報告する。


「……影喰(かげぐら)が伝説ダンジョンを制覇しました。

このまま放置すれば、ギルドの権威が揺らぎます。」


上司は書類を叩きつける。

「……奴はただの冒険者ではない。

今度は精鋭だけではなく、複数の討伐隊を組織して対抗せよ。」


◇◆◇


一方、蓮はダンジョン内で影兵たちと訓練を続けていた。

影熊狼兵、影狼兵、影熊兵、そして虚無獣。

伝説級の軍勢は、さらに進化しつつある。


「……そろそろ、奴らも動くだろうな。」

虚無獣が低く唸る。


「主よ、準備は整っているか?」

蓮は冷たく微笑む。


「……奴らの出方次第だ。俺の影は逃げも隠れもしない。」


◇◆◇


数日後、ギルドは中級~上級の精鋭数十名を送り、ダンジョン周辺に展開させた。

目標はただ一つ――影喰(かげぐら)の捕捉。


「……影の痕跡はある。だが、姿は見えない。

奴、相変わらずだ。」

「気をつけろ。何か、計り知れない力を持っている……」


蓮はその様子を、遠くから影の中で観察していた。


「……ああ、来るなら来い。」

影兵たちが静かに群れを形成し、虚無の気配が周囲を包む。


◇◆◇


ギルド内では派閥争いも絡んでいた。

一部の上層部は「影喰を制御するチャンス」と考え、

別の派閥は「完全に排除すべき脅威」と判断している。


エリスは眉をひそめる。

「……このままでは、影喰はギルド内の政治にも影響を与えかねない。」


◇◆◇


ダンジョンの奥で、蓮は一歩前に出る。

黒い影が波のように広がり、軍勢が動きを止めることなく整列する。


「……奴らに、俺の力を見せてやる。」


影兵たちが一斉に走り出し、黒い靄がギルド精鋭の前に押し寄せる。

虚無の力が空間を裂き、戦いの序章が始まった。


――影喰(かげぐら)、その名はもはや、単なる噂ではなく、制度そのものに挑む存在となりつつあった。

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