某週刊誌 2004年8月23日号掲載 「連続失踪事件の真相を探る」
■■県■■市で起こる連続失踪事件の真相とは――――。
2003年11月、2004年1月、4月、7月、と起こっている■■市の連続失踪事件。本誌読者の諸君ならこの事件の異質さに気付いているだろう。性別や年齢を問わず起こってるこの事件、編集部の独自取材によって得られた新事実と共にある可能性を提唱したい。
この事件が全国で怪事件と呼ばれる理由には、
・被害者全員が失踪時、一人で在宅していた。(自宅のドアや窓はきちんと施錠されており、誰かが侵入した形跡もない)
・自宅には被害者のものと思われる血痕が見つかっているが、建物から被害者や遺体は見つかっていない。
・被害者全員の自宅から祭壇のようなものに置かれたいり豆や雀のような動物の絵などが見つかっている。
などが挙げられるだろう。そんな中で本誌編集部は被害者にある共通点を新しく見つけた。
・「すずめさまへの捧げ」
被害者の新しい共通点、それは全員が■■市内の宗教施設「すずめさまへの捧げ」に通っていた、ということだ。
この「すずめさまへの捧げ」は雀さまの怒りを収めることを目的とし、雀さまへ捧げ物をするなどとして活動しているとのことだ。「雀さま」とは何なのか不明だが、被害者宅から見つかった祭壇と関係がありそうだ。というわけで本誌編集部は取材班を施設へ送り出し、内部への潜入を試みた。
・取材班の報告
取材班は「施設の取材」という形では内部に入ることができないと考え、入信希望者として潜入を試みたのにも関わらず、無念ながらも応接室で担当の方から「あなたはここに来る必要はない、見れば分かる」と追い返されてしまった。だが取材班は諦めず、近隣住民に聞き込みを行ったところ、この施設に通う人は全員身体中に発疹ができているようだ。見れば分かるとはこのことだったのだろうか。
以上の点から事件の被害者は全員が「雀さま」に捧げ物をしていたと考えることができる。もし、捧げ物とは祭壇に置かれた物でなく、自分自身を捧げているのだとしたら――――。本誌は引き続き真相解明に向けて調査を続ける。
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