友人の子供の時の記憶

あれは確か…小学2年生の時だったかな。学年で遠足があったんだけど、普通は近くの公園とか行くじゃん。でもその時は雀神社に行ったんだよ、神社。その時も俺、公園じゃなくてなんで雀神社に行くんだ?って思ったからさ、先生に聞いてみたんだよ。そしたら先生は「公園より雀さまの方がお勉強になるから」って答えてきた。マジ意味不明だし、噓っぽい回答で怖かったからよく覚えてる。でもその時の俺はすぐどうでもよくなって遠足当日まで忘れてたんだよな。ま、この辺は良いとしてな、遠足当日、弁当食い終わって自由に遊ぶ時間があったわけ。で、俺を含めた3、4人の男子が神社の周りをぐるぐるぐるぐる走っててさ。そしたら、神社の本殿?の裏の林みたいなところの中に男の子が一人、反対を向いて立ってて。で、俺が「お前そんなとこで何してんの」って言っても何も言わなかったから、3,4人の中でも一番力が強い奴が落ちてた石をそいつに投げつけたんだよ。馬鹿だよな、ほんと。まぁ、俺らとそいつ、あんま年の差がなさそうだったし、着てる服が江戸時代の庶民が着てるみたいなのだったからさ。喧嘩になっても勝てると思ったんだろうな。んで、そいつ、ゆっくり振り向いたんだ。真っ暗だった、目が。もちろん、俺らは一目散に逃げて、石投げた奴なんか先生に抱きついて泣いてたよ。とにかくめっちゃ怖かった。あいつが追いかけて来なくて良かったよ。もし追いかけて来てたら確実に死んでたな、俺。てか、「追いかけて来たら死んでた」じゃなく、石投げた奴は死んだわ。遠足の数日後に。翌日から休んでたけど、何で死んだのかは伝えられてない。もう何が何でもあそこには行きたくない。俺は。

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