ブ男が何だってんだ。異世界では俺は開き直って我が道を行く

あのね!

第1話 俺上原北斗 


 俺上原北斗は幼少期からとんでもないブ男として生きてきた。良い事なんてなーんにもない。ちんちくりんのチビでデブで顔はまん丸でぼたもち顔。更には顔が大きいので大人になった今でも5頭身。


 本来ならば小さい時はドブスでも、大きくなったら見違える美男に変身する者も多くいるのだが、俺の場合益々ブ男ぶりが顕著になって、体が大きくなった分悪目立ちが著しい。


 だが、こんな俺でも取り柄と言うほどではないが、1つ長所を挙げるなら、それは成績が決して悪くないということだ。


 こんな俺が生き抜くには唯一の取り柄「頭が悪くない」それを武器に小学校から現在まで生き抜いてこれた。


 ブ男でちんちくりんでデブな俺は否応なしにいじめの標的に遭った。


「ブサメン!家畜以下のブタ🐖!デブゴリラ!」


 それでも…ニコニコ笑って生き抜くしかなかった。だって逆らえば100倍になって返って来る。なので自分を受け入れ低姿勢で懸命に生きた。


「そうですか?でも……それって底上げの協力をしているのだから、僕がいる事であなたたちは光り輝いて引き立っていますから喜んでください。僕が横にいる事で少々見劣りする人でもグッと引き立ちますから、束の間の優越感に浸れますよ😅」


「そうなんだよなあ。お前いいこと言うなあ」



 このように行く先々でいじられキャラで通っていた俺は、密かにいじめに遭わないための防御策を発案していた。それはボスに取り入る事だった。小学校低学年の学校1のボスは頭は空っぽで勉強が出来ない。限度の分からないバカなので滅茶苦茶な案を出して、底なしのいじめをするのが常だった。俺は悪目立ちのドブスでよくからかわれていた。


「オイ!ブサメンお前が通るとこっちまでブ男が移るだろう。チッ寄るな!寄るな!」


「そんなことを言われましても……ヘッヘッヘ😅生まれ持ってのこの顔ですので……えっへっへっへっ😰」


「何をー!💢そんな言い訳が通用すると思ってんのか?顔を洗ってじゃなくて、顔を整形して出直してこい!」


「そう言われましても……まーるいモンが必要でして🪙💰💴……ヘッヘッヘ😅我が家のような貧乏家族には無理でして……ヘッヘッヘ😰」


「口答えしおって💢💢💢今度テストがあるから予想問題と回答作ってこい!」


 こうして…テストの時期になると予想問題と回答をボスの為に書いたのだが、テストの日には朝早く待ち合わせをさせられカンニングの協力をさせられた。


 バカなくせして悪知恵は働く。テストの答えを書いた小さな紙をクルっと巻いて、シャーペンの中へ入れさせられた。それともう1つは、予想問題と答えを足首に書かされた。書いた部分は靴下で隠して、テスト中は足を組んで、足首を掻(か)くふりして答えをチラ見する。


 このように良いようにこき使われて、ボスの下部となって小中高と何とか生き抜くことが出来た。


 それは大人になっても同じで、奴隷下僕として生きることになれた俺はサラリーマンとなっても同じことの繰り返し。


(俺のようなブ男また目を付けられいじめに遭ったら厄介だ。俺の隠れ蓑となってくれる男は居ないものか?)


 気の小さい俺は出世とかそういう事より、今までのようにまたしても集団で外見をコケにされる恐怖に晒されていた。


 そんな時にほら吹きで口達者な空っぽ男が近づいて来た。


「俺はなあ。仕事が優秀と課長から誉めそやされて将来は有望なんだ。お前を出世させてやる。俺について来い!」

 その男は北斗と一緒の会社だったが、超大企業にコネ入社で入り込んでいたツワモノだった。その男の目的は頭が悪いのに親の見栄でコネ入社組になっては見たが、全くついていけない。そこで「ゴーストライター」を捜していた。


 それに引っ掛かったのが北斗だった。今まで下僕としてしか生きた事のない北斗はコロッと騙された。


「えええええぇぇえええええっ!こんな俺が……こんな優秀な男に声を掛けられ、更には願ってもない出世を協力してくれるなんて、嗚呼……俺ほど幸せ者はいない。今までは散々コケにされ『ブサメン!家畜以下のブタ!ゴリラ!』と、この上ない屈辱を味わってきたが、やっとその連中にひと泡を吹かせてやる時がやって来た。うっしっしっし😁」


 だがこの男の狙いは、バカなくせして超プライドの高い、実力を遥かに超えた出世が狙いで北斗に近付いて来た、とんだ食わせ物だった。超バカなくせして親がそれなりの権力者だったのでコネ入社できたのだが、その実は東京都最底辺の私立高校を卒業して、最底辺専門学校を何とか卒業したとんだバカだった。



 純粋で人を疑う事など皆無の八王子の山間部で育った田舎者だった北斗は、まんまと騙され、とんだ詐欺師まがいの男に目を付けられ、子分となって下部となって生きることとなった北斗だが、この「ゴーストライター」男、とんとん拍子で出世していき遊ぶ金欲しさに経理のお金に手を付けた。


「俺見ました。あの経理部の上原北斗君がお金を着服する姿をこの目で見ました」


「えええええぇぇえええええっ!僕はそんなことしてません」


「君は首だ!💢💢💢」


 人が信じられなくなった北斗は(ブ男だけじゃない。俺には横領罪と言う汚点がもう1つ増えた。こんな俺がどうやってこの世で生きていけよう。もう生きていけない)


 こうして…世をはかなみ電車に飛び込んだ北斗はとんでもない世界に転生した。


 もわん⛅ もわん⛅ もわん⛅


「ワーここはどこだ!」





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