冬陽

動くものはすべて静止する

この雪はあたたかい

降る雪のひとつひとつに陽が差し込み

幻燈のように


でも僕はまだ動けずにいる

あまりに幻想的であるからだ


冬の山形は時折このような姿を見せる

悲しいくらい美しく人々を窒息させ

雪は深く降り積もる


透き通る空気

白銀の景色にしては人の心を奪い去る


凍える指先を吐く息であたためる

ふと甘酒が欲しくなる


冬陽は静止した時間だ

山形の永続だ


日向の暖かさがそこにはある

ひとひらの希望のように見えるが絶望である


陽射しの斜線がやって来る

白い息と共に僕は待つ


白い炎ではある

凍える頬ではあるが確かに陽のあたたかさが

そこに

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