耳の痒さ

春霄鈴都

第1話

ボクは、冴えない高校1年生だった。


「あの子」に出会うまでは。


ボクは、何をするにも平均か平均以下で、致命的なのが、自分以外の他人は、家族も含め興味を持てないことだった。


そのため、ろくに名前もおぼえていない。


故に、友達もおらず、家族との仲も仲が良いとは言えない状態だった。


そんな中、ボクに話しかけてきたのが「あの子」だった。


人の温かさに初めて触れたボクは、すぐに「あの子」とすぐに友達になった。


そして、今日も話しかけるため、近付こうとすると、「あの子」が、ちょうどボクの話をしていた。

「彼さ、いいんだよね、私の話いっぱい聞いてくれてさ。しかも、私の知らないこと・・・例えば、『噂をされたら耳が痒くなる』っていう噂とか。私、彼好きかも」と話していた。


あの噂は本当かもしれない。

耳が痒い。後、胸がくすぐったいような、むず痒いような感覚になった。

ーーー、この感覚は、何なんだろう?


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耳の痒さ 春霄鈴都 @sugihara0405

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