第7話 魔王軍


 80階層、ボス、ドラゴナイト。

「こいつ硬いぞ!」

「そうですか!『火遁・業火球の術』」

「『テンペスト』」

 業火球にテンペストで風を送ると青い炎に変わる。

『グギャァァァア』

 と苦しむドラゴナイトに背後から斬る。やはりダガーじゃ仕留められないが、

「うぉぉぉぉ!」

 と同時にコタロウが突進して縦に斬ると半分になってドロップに変わる。

「よし!80階層も突破だ!」

 コタロウはもう立派な勇者だな。


 久しぶりにモノリスを使い外に出る。

 突然の陽の光に目が一瞬暗くなるが慣れてくる。

「そとだな」

「やっと出られた。あのままだとモグラになっちゃうよ」

「あはは、だな」

 と笑いながら街へと戻り宿を取る。


 久しぶりのシャワーに気持ちが良くて長く浴びていると。

“どんどんどん”

「はぁーい」

『なんだ。まだシャワー浴びてるのか』

 とコタロウの声がしたので急いで体を拭いて下だけ履くと、

「どうしたんだ?」

「いや、またモスが食べたくなったから来たんだ」

「あはは、どうぞ」

 と髪を拭きながらネットスーパーでモスを頼むと、コタロウが待ってましたと箱から出しながらポテトを食べている。


 そしてようやく服を着ると、恥ずかしそうにエリナとカレン達、ネアが来ていて、

「あ、お見苦しいところを」

「い、いや、私達もいまきたとこだから!」

「そうそう、裸なんて見てないし」

 もう見たと言ってるようなもんじゃないですか。


「あ、私達もモスを」

「あぁ、どうぞ」

 とネットスーパーの画面をエリナに向ける。

「あ、ありがとう」

「ん?いつものことだろ?」

「ありがとうって言ったの!ただそれだけだし」

「分かった、ビックリするから声は普通でな」

 と言って俺は収納からビールを取り出す。

「酒飲めるっていいよなぁ、大人って感じで!」

「そうか?大人になったら嫌でも飲むと思うぞ?」

 そりゃ忘年会だの歓迎会だので。


「え?まだお酒飲めないの?」

 ネアが聞いてくる。

「こっちと違うんだよ、あっちじゃ20歳からだな」

「ええー!こっちは15歳からだよ?」

 なら飲んで……よくないな。

 カレンとクオンはもう飲めるのは知っているのでビールを渡す。

「ネアは幾つだ?」

「ん?21歳」

 見えないな、背も胸も成長期は過ぎたんじゃないかな?

「ん?何か文句でも?」

「いや別に、ほれ、これも美味いぞ」

「おー、冷たい、あっちのお酒か」

 ネアは器用に開けると飲んでビックリ、

「美味いね!こっちのエールはぬるいのがいけないのかな?」

「かもな?タクミに冷たくしてもらってみなよ」

「えー、賢者様を使うの?悪いよ」

 と、一応立場的に言ってるがやりそうだな。

「それよりモスおいしー!」

「あ、私のこれ?いっただきます!」

 3人がモスを食べてるのに、タクミは来ないな?と思ったら、

「あ!人がゆっくりしてたらみんなもう食べてるし」

 やっぱりタクミも来て、吉牛を頼んで食っている。

「それより魔王ってのはまだ聞かないけどどこら辺にいるんだ?」

「さあ?案外近くまで来てるかもしれないね?」


 すると、“カーンカーンカーン”と鐘の音が聞こえるので外に出てみると、

「魔王軍が迫って来てます」

 言った側からかよ。

「どっちからだよ!」

「あっちです!」

 兵士と一緒に門に行ってみると遠くから大勢のモンスターが来ているが、雰囲気がなんか辺だな。

「先制攻撃だ!『テンペスト』」

「うぉ!すげえじゃねーか!」

 と竜巻に巻き込まれたモンスターが倒れて行く。

 あれ弱ってないか?

「なぁ、ここまでくるのにどれくらいかかるんだ?」

 兵士を呼んで聞いてみると、

「さぁ、ここまでくるのに国を一つ跨がないといけないですから」

 んじゃ多分勝ったからこっちにきたのか、逃げながらここまで来たのかわからないな。


 タクミはバカスカ魔法を撃ちまくっているが、なんとかここまで来たのはボロボロのモンスター達。


「我は魔王軍親衛隊長のガルドだ」

「あのさ、もうボロボロじゃねーか!帰れよ!」

 コタロウの言う通り鎧も欠けツノも折れ剣でなんとか立っているようだ。それに人間と変わらない。

「我は引かぬ!魔王様のためにもな!」

「クッ!じゃあ」

 とためらうコタロウに、

「俺がやる『火遁・業火球の術』」

『グギャァァァア』

 と倒れる騎士。

「まだまだ、『テンペスト』」

 嵐を起こして他のモンスターや兵士を倒して行く。

「ま、待てよ!俺もやれる!」

「無理しちゃダメですよ、こういうのは大人がやる事です」

「でも!」

 と言っているが人間に近い魔王軍を倒すのはやはり精神衛生上よくないからな。

「魔王だって人かもしれません、だからそれまでは私達に任せてください」

「わ、わかった」

「兵士の皆さん!いまです!総攻撃です」

「「「「うおおぉぉぉぉぉ!!」」」」

 と兵士がモンスターや魔王軍を倒して行く。


「それにほら、兵士にも活躍してもらわないとね」

「あ、ありがとう」

「どういたしまして」

 

 魔王軍第一陣は敗れ去りモンスターは肉になってその他の兵士は敵だとしても、きちんと弔う。

 魔王がなんなのかいまだによくわからないけど、これは戦争なのだと思う。

 とりあえずここまでやって来た魔王軍に何故そんなに人間を憎むのかを聞いてみたいもんですね。

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