怖い話　ヒトコワ

アモア

はじめてのアルバイト

某飲食店で週3～４日、半年ほど続いてる

制服は毎回洗濯済みが支給され着替える

靴だけは初日に買って専用置き場へ

＿＿＿半年経っても、私の靴は汚れない

新品みたいに綺麗なまま

油汚れも付かず、靴もすりほぼ減らない

私は「いい買い物したな」くらいに思ってた。

ある日、休憩時間にぽろっと同僚に言った

「なんかさ、半年経つけど靴だけは全然汚れないんだよね」

同僚の子が、スマホから目を離して私を見た

「.......あんた、知らないの？」

「え？」

「その靴、いつもロッカー室で誰かが拭いてるって話　みんな知ってるよ」

背筋が冷えた

「....誰が？」と聞いたけど、同僚は小声で「言えない」とだけ。

次のシフト、わざと２時間早く出勤

恐る恐るロッカー室へ向かい覗いた。

私のロッカーの前で社員の男性がしゃがみこんでいた。

ゴム手袋をした手で私の靴を丁寧に拭きながら、小さくつぶやいてる

「.....ほら、今日も綺麗だよ。君に汚いものを履かせないよ」

気づかれたのか、急に立ち上がりこっちを向いて笑った。

「大丈夫、僕しか触ってないからね」

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい