「朝日も、見たいですね」
カチャ──と鳴り、私の固く握られた拳を解くように、指が絡められた。
息をのむ彼女の心が伝わってくるような、緊張の一瞬。この緊迫感がたまらない。長い月日を歩んだ思いがあればこそ、この一瞬の出来事は、永遠(とわ)にも通じる意味の重さとなる。
彼女ばかりでなく、彼にも同じように心の内に秘めて来た思いがあったのだと、それを感じさせる最後がなんとも粋で、魅力的です。
きっとこの二人の関係はこの先も長く続くのだという予感を残しながらのラストシーン。素晴らしい読後感に思わず頭が下がります。この体験をもっとたくさんの方にしてほしい、そんな感想を持ちました。