俳句帖

遠山ゆりえ

第1話 真夜中の月

 真夜中の月はひとつと限らない


(『1Q84』のオマージュ又は乱視の作者の写生句)


 酔ひどれて真夜中の月独り見る


(若かりし頃、こんなこともあった……)  


 想ひ出も風も募りぬ真夜の月


(募っても欠けています。真夜の月ですから)

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