青春の『青』は、少し曇った色をしていた。
- ★★★ Excellent!!!
現在→過去→現在と、主人公たちの半生をなぞる形で進んでいく本作。
現在の少し鬱屈した入りとは一転、過去は学生らしい晴れやかなところから始まります。
しかし、綺麗なだけが青春ではありません。
苦悩や嫉妬、挫折などが絡み合い、物語に深みを出しています。
そして物語にたびたび現れる「青陰」。
最初は恐怖の対象でしかなかったですが、物語が進んでいくうちに……。
青春は綺麗ばかりではないけれど、それゆえに青春は綺麗で美しい。
そんなことを思う短編でした。