oc用
ぷぁぷぁ
過激なファンが不破湊を監禁する話
目が醒めると、知らない部屋のベッドの上で俺は鎖をつなげられていた。ぼやぁと霧がかかった様に思考が安定しない中、人の影を目に捉える。
「あっ、起きたの?意外と早いなぁ…まあいいや、僕はようやくナンバーワンバーチャルホスト様の不破湊を手に入れたんだからね…!ハハハハハッ!」
狂ったように笑う人の声に顔を顰めつつ、引き攣った笑顔と少し震える声で話しかける。
「ねぇ、君って確か、よくホスクラに来てくれてる〇〇くんだよね??どうしてこんな事したの?にゃはは」
「わ、わっ!!!不破さんが僕の名前を認知してくれてる!?僕もう死んでもいいかも…え?なんでこんな事したかって??だって、僕だけの不破さんなのに、他の人と会わせて惚れられたら困るしね。それに、不破さんは僕の伴侶だから早めの同棲ってことだよ!」
手を握られて、そう嬉々として語る相手の目には狂気が宿っていた。こういう客には慣れてるはずなのに、なぜかその様子に恐れを抱いた。少し後ずさろうとするが鎖で繋がれている身体では上手く動けない。せめてもの抵抗で手を振り払う。
「えっ…?不破さん?なんてことするの?未来の旦那様にそれはないよねぇ?僕怒っちゃった。今日は何もしない予定だったけど気が変わった。旦那様に従わない嫁は”教育”しないと」
そう言われた直後、唐突に息苦しさと痛みを感じ頭が真っ白になる。
「…や゛め………っ…ぁ゛……ぅッ……」
声を出そうにも、蚊の鳴くような声と途切れ途切れの息しか出ない。喉に当てられた手は力を増していき、空気を肺に入れようとどうにか息をするが、ほとんど吸うことができない。意識が朦朧としてきたところでようやく手が離された。身体が酸素を取り入れようと荒い呼吸を繰り返す。その様子を相手は面白そうに恍惚とした表情で眺めてきていて気分が悪かった。
「不破さんのこんな表情が見れるのも、僕だけなんだなぁ!!!ねえ、もっとイイ表情見せてくれる?ハハハハハッ、精々頑張って足掻いてくださいね」
そういうと、相手は鳩尾にゲンコツを一発入れてきた。逆流しそうになる胃酸を飲み込みながら耐える。二発、三発と入れられるたびに肌に赤い痕が付き、嘔吐しそうになるのをえずきながらもギリギリで我慢する。
耐えていたものの、ドスッと強い一撃が内臓を捉え直撃する。強い嘔吐感に耐えられず、口元を押さえた手の隙間から吐瀉物がだらだらとこぼれ落ちてくるのを止められない。びちゃびちゃと落ちた吐瀉物は床に水溜りを形成して、酸味のある異様な匂いを発している。その様子に満足したのか、相手は殴るのをやめてニコニコとしながら俺を眺めている。
「ゔぁっ……げぇ…ごほっ…ぁ……っ…げぼっ…はぁっはあっ………うっ……」
視界は涙で歪み、口の中は胃酸の酷い味でいっぱいだった。
「ハハハハハッ、最高だよ、不破さん。素敵な嘔吐ショーをありがとう!!!大丈夫、大丈夫、不破さんは吐いたって汚くないから。こんな暴力とか、僕も本当はしたくないんだ。だけど、不破さんが言うことを聞いてくれないから、僕に抵抗するから仕方がなくしてるんだ。だから、もう"教育"されたくなかったらね、言うことはしっかりと聞いてね?分かった?」
相手は顔を近づけて話してきたが、涙で表情まではわからない。痛いのは嫌だと必死で頷いていると、急に両頬を手で包まれて、顔を相手の方へ向けさせられる。
唐突に、唇に温かみを感じた
これが相手から「キス」をされたという事実に気が付くまでに数秒を要した
「あぇ…?なんで?吐いちゃったし、ばっちいよ…」
「だ、か、ら!不破さんに汚いとこなんてないって!!」
そう言って抱きしめられる
唐突な優しさに理解が追いつかないが、途端に手首の鎖を思い出す。その冷たさや硬さと抱きしめてくる人の体温の温かさに余計に混乱する。そのギャップが怖くて、ただ怖くて、押し除けようとするが力が入らない。
恐怖で呼気が浅くなると、
さらに抱きしめられる。
身を捩って逃げようとすると、
もっとキツく抱きしめられる。
時には唇、頬、額、首、耳、鎖骨と、身体の肌が見える箇所にキスを落とされる。跡を付けたり、欲情を煽るようなキスではなく、ただ愛しむかのような優しい触れるだけのキスを。まるで、果実酒やカクテルのように甘いのに酔ってしまいそうなほどの毒性に、侵されおかしくなってしまいそうだ
クラクラする頭の中で、ふと何かが左手の薬指に触れる。顔に近づけてみると銀色のラインと中央に何か光るもの……
(指輪だ)
普通の女性なら、泣いて喜ぶだろうがこの状況では綺麗な指輪も自分をここに縛り付ける鎖にしか見えない。滑稽なものだ
「ハハハハハッ、アハハハッ!
これで、僕と不破さんは本当の家族になれたんだよ?明日は結婚式にしようかな、それとも式は挙げない方がいいかも…不破さんの綺麗な姿晒したくないし…不破さんはずっとここの部屋に居てもらわないと、僕といるのが嬉しくてドキドキしすぎちゃって逃げちゃうだろうし…鎖はもちろん付けててもらわないとだしね。あっ、そうだ、明日の結婚初夜を楽しみにしててね!天国を見せてあげるよ。ああ、不破さんは何の準備もしなくていいよ。僕が洗浄からぜーんぶお世話して見てあげるから、ね?」
おやすみ
朦朧とする意識の中で一つの結論を生み出す
『俺はコイツから逃げられない』と
oc用 ぷぁぷぁ @91-91-91
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。oc用の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます