連載小説『真理子』

夏樹 良

第1話

真理子🙍‍♀️


 真理の子と書いて、マリコと読む。と言っても、間違ってもシンリコと読む人は、いない。よくある名前と言えば、そうかもしれない。林真理子。高橋真理子。加賀まりこ・•・と著名人でも数えきれない。彼女が自分の名前を意識して、その道に進んだのか。或いは、名前が持つパワーが無意識のうちに彼女をその道に進ませたのかは、わからない。

 彼女は、某大学の文学部哲学科の学生だ。カントに傾倒している。僕は、哲学をやるような女の子というのは、珍しい、めったにいないと思っている。あなたの周りで、哲学をやっていたり、哲学に興味を持っている女の子っている?どうですか?ほら、ねっ!いないでしょう。これは、僕の偏見かもしれないけど、女性は、本能的、生理的、体質的に哲学思考は、苦手だと思う。あなたはどう思う?実際、稀に、キュリー夫人のような物理・化学者はいても、歴史的な物理学者や哲学者には、女性はほんとんどいない。女性が本能的に持つ母性や生理がそういった思考に向いていないのかと思う。こんなことまで言うと偏見どころか、女性蔑視と言われかねないから、もうやめよう。

 そういうことで、真理子のような哲学志向の女の子は、貴重で掛け替えのない存在だと思う。男にはできない女性ならではの哲学的発見をするかもしれない。例えば、今までどんな哲学者も切り込んでいかなかった角度からの哲学的探究をして、世界の思想の発展、進化に貢献するとかね。ようするに、ひとことで言うなら、彼女は、哲学界の逸材で宝ということかな。ちょっと褒めちぎり過ぎだね。真理子も、好きな彼氏でもできて、結婚して、家庭を持てば、母性が家族に発揮されることになって、結局、ただの主婦になってしまうかもしれないのに。ただの主婦とはなんだっ!って怒られちゃうね。(汗笑)

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