ライブハウスで歌う少女と付き合うことになった、中学生の友斗。しかしそこにはかすかな違和感が。同じ頃、友斗の周囲の人々に、不気味な包囲網が。やがて友斗は、終わらせたはずの過去に直面させられる。不穏な空気を感じて集まった仲間たちに、癒えることのない傷を負った獣たちが牙を剥く。過去は変えられない、どんなに願っても悔やんでも。ならば前へ進め、心を満たすため、大切なところへ帰るために。立ちふさがるものをたたき伏せてでも――男の意地と矜持がぶつかり合う、ワルたちのバトルが今作でも開幕。互いに引き下がれない理由がしっかりと語られているためか、その迫力たるや並じゃない。そして苦い思いとともに成長する中学生男子。心身ともに手負いとなった男たちが帰るところは……。BL要素はありますが、詳しい描写はほとんどなく、心の絆として読み切れます。熱さと、やわらかな心のひだとが丁寧に描きこまれた、男のロマン。ちょっとスカッとしたいあなたに。
この物語は、ただの不良喧嘩ものでも、ただの青春ドラマでもありません。
読んでいて感じたのは、暴力や友情といった言葉だけでは語りきれない、人間の矜持と弱さ、そして愛情の物語でした。
まず圧倒されたのは、喧嘩シーンの描写です。拳や蹴りの描写は確かに生々しいのですが、それ以上に「肉の削り合い」ではなく、「魂の削り合い」に達しているのが凄くて! 痛みや緊迫感が伝わるだけでなく、そこに載る感情や覚悟まで描き切られていて、一瞬たりとも目が離せません。
普通なら、書くのにカロリーが要るから消耗して避けたくなるような領域なのに、思い切りそこに踏み込んでいて。
そのうえで見せるのは痛みや暴力ではなく、「負けられない理由」「守りたい誰か」「意地と矜持の突っ張り合い」です。
そして、特に自分の心を打ったところなのですが、見当違いだったらごめんなさい。それでも言いたくて。
この作品の凄さは、殴り合う男たちの熱だけじゃなく、読者を全力で熱いドラマに引き込みにきている作者さま自身のエンターテイナー魂にもあると思うんです。 物語の熱量と同じくらい、読ませる力・魅せる気迫が凄くて。
こんなの、簡単に書けるはずありません。だからこそ響くんです。
そして物語の魅力は、戦いの向こう側にある静かな優しさや寄り添いにもあります。
大切な人を思う気持ち、誰にも言えない愛情や孤独、赦されない道を選ぶ覚悟……。
それらが丁寧に描かれることで、どんな激しいシーンも、ただの暴力ではなく、ちゃんとドラマとして心に残って。
喧嘩シーンで泣き、会話シーンでまた泣く、そんな作品です。
さらに恋愛要素や家族の絆も絶妙で、特に、人を愛することの痛さと愛されることの救いが胸に染みます。
登場人物みんなが誰かのために戦っていて、それは拳だけでなく、歌や言葉や沈黙でも戦っている。そんな姿が、静かで、強くて、美しい。
読み終えた時、心に残るのは爽快な達成感というより、「ああ、生きてるって、こういうことなんだ」と思わせてくれる感覚でした。
刺さる人には刺さり過ぎる……そんな作品です!
熱い物語が読みたい人へ。
魂を込めた喧嘩と、本気の愛と、人間の弱さと強さに触れてみたい人へ。
全力でオススメします(๑•̀ㅂ•́)و✧
ライブハウスで歌を披露する、謎めいた女子高生・和奏に片思いする中二の友斗。
友斗が暴走族テンペストの元構成員だったことがきっかけで、報復請負組織ビーストと対峙する。
友斗が慕う余田明、その悪仲間の富田、宮沢、そして余田の恋人・日野誠司。
彼らが織りなす、拳で語る物語に目が離せない。
BGMにモーツァルトの鎮魂歌ニ短調 『Lacrimosa』が響き渡る中を、余田・富田・宮沢がビーストの男たちと喧嘩を繰り広げる様は圧巻。
また、余田明と日野誠司の愛の時間は、月並みな男女の恋愛ではありえないほどの純粋さと色気を併せ持っている。
こういう恋愛を書かせたら、右に出る者はいないと言われるアサカナ先生である。
恋のスパイス且つ重要な助言者となる信子ママがまた、いい味を出してる。
みんなも大好きになるはずだw
さあ、諸君(お前ら)準備はいいか?!
男同士の愛に酔いしれ、男たちの因縁のバトルに胸を熱くする時間だぜ!