名もなき剣に、雪が降る― 新選組異録
妙原奇天/KITEN Myohara
目次
目次
第一章 京の影法師(第1話〜第6話)
第1話「浪士組上京」――江戸を発った浪士組。名簿に載らぬ影・沖田静と、流れ者の矢野蓮が出会う。
第2話「流山から京へ」――壬生に屯所を定め、名簿外の裏役目が始まる。背を預ける距離を学ぶ。
第3話「壬生浪士組の血試し」――内通者・瀬川の炙り出し。殺さずに“使う”策を知る。
第4話「新選組誕生」――会津預かりとなり改称。光(総司)と影(静)の配置が定まる。
第5話「粛清の刃」――神田屋平蔵の排除。“見えない後始末”の冷たさを蓮が噛みしめる。
第6話「京の闇に潜む者」――“白装束”の噂を道具化。逃げ道を先に潰す影の作法が固まる。
第二章 血の粛清(第7話〜第12話)
第7話「壬生狼の恐怖」――壬生狼の異名と、芹沢派監視の密命。
第8話「局中法度」――掟が刃となる。証拠の帳面=“筆で殺す”現実。
第9話「芹沢鴨の影」――暴威の記録を積み、決行の夜を待つ。
第10話「宴の果てに」――粛清、裏口封鎖。死は“公式には病”。
第11話「血に染まる誓い」――血を洗わず刻む。影の誓約が蓮の骨に入る。
第12話「沖田静の影」――総司と静、光と影の双鏡。影は光より長生きしないという予感。
第三章 池田屋の夜(第13話〜第18話)
第13話「京の炎」――御所焼き討ちの企図を掴み、逃路遮断の設計へ。
第14話「密偵の道」――囮と屋根上の攪乱で数を読む。
第15話「池田屋潜入」――裏口を締め、火花を断つ。
第16話「池田屋騒動」――正面突入の裏で“出さない戦い”。
第17話「戦火の余韻」――功は記録され、影は白紙に吸われる。
第18話「名を持たぬ者」――名を消して自由を得る、という静の論理。
第四章 禁門の変(第19話〜第24話)
第19話「長州の報復」――火付けの芽を先に潰す裏任務。
第20話「禁門の炎」――炎天下の斬迫。剣の無力と必要を同時に知る。
第21話「焼け落ちる京」――助けと任務の板挟み。
第22話「名を刻む者、名を消す者」――勝者の名と、救われた無名の命。
第23話「土方の冷徹」――「影がいるから光が立つ」と副長。
第24話「鴨川の夜」――“背を預けられる二人”の宣言。
第五章 薄氷の誓い(第25話〜第30話)
第25話「池田屋の影響」――噂が怪異となり、蓮は白紙に沈む。
第26話「隊士の裏切り」――山南敬助の脱隊と切腹。名を消す残酷。
第27話「沖田総司の病」――労咳の兆し。影が光を代行し始める。
第28話「幕府の行方」――正しさは記録者のもの、という矛盾に立つ。
第29話「江戸の記憶」――故郷の墓前で、名より背を選ぶ決意。
第30話「影の誓い」――「お前でいい」。背を預け合う誓詞が結ばれる。
第六章 動乱の渦(第31話〜第36話)
第31話「鳥羽伏見の戦い」――鉄と火の敗走。生き延びる決断。
第32話「江戸への退却」――人であることを捨てる覚悟/捨てない覚悟。
第33話「江戸防衛」――上野前夜、密偵を沈める影。
第34話「江戸の影」――“勝者に寄る世間”の冷気と北行の決意。
第35話「北行の道」――視線に凍える街道。影は負けないという強弁と真実。
第36話「名残の別れ」――留まる自由/追う必然。名なき別離。
第七章 蝦夷地の夢(第37話〜第42話)
第37話「函館の砦」――五稜郭の線引き。時間を“延ばす”という名。
第38話「五稜郭の夜」――誘い道の施工、海霧の信号。
第39話「函館戦争勃発」――弁天・千代ヶ岱・五稜の呼吸で噛み返す。
第40話「血に染まる雪」――赤が白を食い、影の決意が固まる。
第41話「土方の最期」――一本木関門。副長の最期の命と涙。
第42話「背中を預けた者」――降伏前夜、名ではなく距離を確かめる。
第八章 名もなき剣(第43話〜第48話)
第43話「五稜郭陥落」――白旗の下でも刃はなお光る。
第44話「静の影」――捕虜列にいない白。町の噂に化ける影。
第45話「最後の突撃」――“亡霊”の夜、二人の併走。
第46話「影の消失」――誘い道の果て、白が風に解ける。
第47話「蓮の手記」――読む前に消える紙片で“在った”を刻む。
第48話「名を遺さぬ者へ」――宛名は風、差出人は影。歩幅だけを遺す終章。
付録
軍の記録と年表(幕末〜箱館戦争・編制・主要作戦)
地誌・用語メモ(五稜郭/一本木関門/弁天台場ほか)
影の記録と公式記録の対応表(作戦別裏面史)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます