冒頭から思わず「これはどういう状況なのだろう――」と引き込まれました。けれど読み進めるほど、その奇妙な光景の奥にある長い孤独と、ただ一つ残された願いが見えてきます。そして訪れる、決して起こるはずのなかった出会い。短い物語の中に、過去の痛み、使命、そして新しい物語が始まる高揚感までぎゅっと詰まっていました。一分で読める物語なのに、読み終えたあとには、この先へ続く大きな世界の入口に立ったような余韻が残ります。夏の日に起きた奇跡の幕開け。ワクワクしました。