子供の頃から苦手な食べ物というものはあるものです。
ナスのスポンジみたいなものがキライ、キュウリの青臭さがダメ、トマトのえぐみが好きになれない。
食べられる人からすれば「贅沢な」と顔を顰める事も多いでしょう。
でも、ダメなものって大人になってもなかなか克服出来ないものです。
主人公はレンコンが苦手である。
三十になり、恋人の男性とも別れ、上司との折り合いも悪いOL。
少し落ち込んでいる時に、レンコンと巡り合うように家に持って帰った。
そして、教えて貰った通りに調理をすると……ここがミソなのですが、そこは読んで頂いてお腹を減らしてみて下さい。
嫌いなものを嫌いなままでも良いんです。
でも、少し見方を変えたり切り口を変えてみたり味付けを変えれば不思議とスゥーっと身体に落ちるように沁みていくものです。
やさしく、前を向いていこうという物語です。オススメです。
レンコンが苦手だ。
そんな「わたし」の独白から始まる物語です。
私も子供の頃、同じようにレンコンが苦手でした。
よく正月に出される煮物に紛れ込むそいつはうっすらと糸を引いており、よくわからない食感をしている変な野菜、というのが当時の印象です。
親はこんなに美味しいのにと言いながら食べていましたが、どうにも好きにはなれませんでした。
失恋をした次の日も否応なしにベッドから起き、仕方はなしに仕事へ向かう。
当たり前のように繰り返される日常は、何時もと何処か違う光景を、だからこそ鮮烈に浮かび上がらせる。
それでも、当たり前のように繰り返される日常の中で、小さくも確かに変わりゆく「わたし」を表現された、とても素敵で子気味よい結びとなっております。
拙い文章では御座いますがもし目に留まり、少しでも興味を持たれましたら、是非ともご一読ください。
すごくほっこりしました。
因みに今では私、レンコンがとても好きです。特に好きなのは天ぷらです。
是非、物語のレシピも試してみようかと思います。
素敵な物語を読ませて頂いた作者の春日七草様に感謝を申し上げます。