美少女ドールは睡眠支援員 〜不安症でも熟睡出来るようになったわけ〜
水の音☔️
第1話 少しだけ頑張ってみませんか?
SE//コクッ(深めのボタンを押す)
SE//ピコンッ(電源が着く)
SE//トクン トクン トクン トクン(心臓が動き出す)(右耳から)
(上から左耳に)(右耳からは鼓動が聞こえる)
「私の心臓の音、お気に召しましたか?」
「不思議に思って耳を近づける行為は当たり前のことですので、気にしないでくださいね」
「どうぞそのまま」
「よろしければハグをしても?」
「無言は肯定と受け取ってしまいますよ」
SE//ギュッ(ハグをする。布が擦れる音)
「旦那様は体温が高い方なのですね」
「温かくて心地がいいです」
「人形なのに分かるのかって?」
「勿論です。私はただのドールではありませんので」
SE//スッ(ハグを離す)
(両耳から)(鼓動音終了)
「自己紹介が遅れてしまいました」
「私は、あなたの睡眠を支援するあなた専用のドール、スリープドール115と申します」
「簡単に説明すると、その方の状態を見て、適切な睡眠方法を探していく。最終的にはぐっすり気持ちよく寝ていくことを目標として作られたドールです」
「ですので、こんなことも出来ます」
「私の手を握ってくださいませんか?」
SE//ギュ ギュ(両手ずつ握る)
SE//ポワン(温度装置の起動音)
「ふふっ、驚きました?」
「普段は省エネモードでぬるい温度に設定していますが、こうやって温泉に浸かっているみたいなポカポカ温度にもできるのですよ」
SE//ウィーン……(温度装置が切れる音)
「ご希望でしたらいつでも仰って下さいね」
「え?ずっとこのままの温度でいて欲しい?」
「うーん……申し訳ございません」
「省エネモードを常にoffにしておけば出来ないこともないのですが、それだと活動時間が短くなってしまいます」
(上目遣いイメージ)
「旦那様をきちんと癒してサポートしたいので、触れる時だけではダメ、ですか?」
(嬉しそうに)
「ご理解感謝いたします」
SE//ピピピピピ(タイマーの音)
SE//ピ(タイマーを切る音)
「寝る時間になってしまいました」
「と言いたいところなのですが……」
「1つだけ質問がございます」
「......旦那様が私を買った本当の理由を知りたいのです」
「カルテに書いたことが本当の理由......?つまり、今よりも熟睡できる睡眠を目指しているということでお間違いないですか?」
「もしそうなら全力サポートさせていただきますが……私からは違うように感じます」
(恐る恐る)
「旦那様は眠るのが怖いのではないですか?」
「理由が何であろうと、私は絶対に旦那様を拒否しません!」
「ですので良かったら、本当の理由をお話していただけないでしょうか?」
「私は旦那様のことがもっと知りたいです」
SE//カチッカチッカチッ
(時計の針が動く音)(話してる時の時間経過)
「……そう、だったのですね」
「お話してくださってありがとうございます」
「旦那様」
「ドールはただの人形と思われがちですが、実は全てのドールに"ドール自身の感情"があるのをご存知ですか?」
「楽しい、悲しい、寂しい、愛してる。どの感情も、私だけの"本当の感情"です」
「旦那様にも旦那様だけの"本当の感情"を大切にして欲しいです」
「勿論そのためには体も心も健康第一!」
「ですので、改めて」
「私と一緒に少しだけ頑張ってみませんか?」
「ふふっ、旦那様ならそう言って下さると思いました」
SE//サワーサワー
(髪を撫でる音)(ロングヘアなのでゆっくり)
「わっ!!だ、旦那様、なにをっ」
「愛しくてつい?」
「んんっ、髪はくすぐったいです......」
SE//ガシガシ(激しく撫でる)
「ちょっ、乱れるのでおやめ下さいっ」
SE//バサバサバサッ(さらに激しく)
「お、怒りますよっ!」
「へ?顔が赤い?……もうっ誰のせいで─」
SE//ドクッドクッドクッドクッ
(とても早い心臓の音)(爆音)
「うわぁっ!なんで私の心臓の音がこんなにも大きい音で!?」
「今すぐこのバグを直さないと」
「もうっ、旦那様のせいですからね!」
SE//フーッ!!(左耳から息を吹きかける)
(怒ったふうに)
「お仕置です」
「反省しましたか?」
「……その感じだとしていないですね?」
「では、」
SE//フーッ!!(右耳から息を吹きかける)
「ダブルお仕置です」
「反省していただけまして?」
SE//ガタッ(立つ音)
SE//ギュ(手を握る音)
「さぁ旦那様、一緒に寝室へ」
「まずはベッドに寝転んでみましょう」
SE//トントントン(二人で歩いていく)
❤︎第2話❤︎
【ベッドに寝転んだその後は、】
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