第2話 折半+デー(ry
瀬野ゆかなを断罪した後。
俺はゆかりとゆかなを断罪する為に作った隊を解散。
それから俺達は先輩後輩に戻る筈、だったのだが。
「先輩」
「ゆかり?どうしたんだ」
「はい。一緒に帰りませんか?」
和幸は部活。
それで俺は帰っていたが。
だけどまさかそう誘われるとは。
そう考えながら俺は驚く。
ゆかりはニコッとしながら俺を見る。
「構わないが...お前は良いのか?俺と一緒で」
「はい。構わないです。全然オッケーですよ」
そう言いながら俺に笑みを浮かべる。
俺は「そうか」と言いながらゆかりと歩き始める。
その際に俺はゆかりの顔をチラ見した。
正直、ゆかりの事を...どう思いたいんだろうか俺は。
彼女は別人と捉えたいんだがな。
「先輩」
「なんだ?ゆかり」
「私の顔は黒と茶で髪色が違うだけで顔はゆかなと瓜二つですよね」
「...ああ」
「私の事はどう思います?」
その言葉に俺はなにも言えなくなる。
それから俺は数秒間考えてから顔をゆかりの方に向ける。
ゆかりはどんな言葉でも受ける又は罰を受ける、と言わんばかりの顔をしていた。
俺は顎を撫でてから「すまないが今はお前を認識出来ない」と告げた。
ゆかりはその言葉に安心した様な顔をする。
え?
「心から安心しました」
「どういう意味だ?」
「だって考えてみて下さい。恨みの相手と瓜二つの人間がここに居ます。そんな感情にならないとおかしくありませんか?」
「...確かにそうだが」
「先輩の感情はおかしくないです。間違ってないですよ」
「...なんでそんな事を聞いたんだ?」
「私は...その。一応聞いておこうって思ったんです」
一応か。
そう考えながら俺はゆかりを見る。
ゆかりは俺を見つつ「すいません。試す様な言い方などをしてしまって」と言う。
俺は「いや。良いよ。別に構わない」と返事をする。
ゆかりは「ありがとうございます」と言いながら俺を見た。
「...でも本当にごめんなさい。先輩を試す様な事をしてしまい。なんだか申し訳無いです」
「まあ...気になったんだから仕方がないじゃないか。俺は別に構わないしな」
「...先輩は優しいですね」
それから俺達は歩く。
途中でゆかりと分かれる道に差し掛かるまで会話が無かったが別れる際にゆかりが声を発した。
「先輩」と。
俺はゆかりを見る。
ゆかりは真っ直ぐに俺を見ていた。
「ゆかり?」
「私なんかをいつも相手にしてくれてありがとうございます。私は...ゆかなの双子なのに」
「お前はゆかなとは違う。あくまで俺の賛同者であり大切な仲間だったからな」
「...ありがとうございます」
ゆかりは俺を見てから笑みを浮かべる。
それから「先輩。もし良かったらなんですけど毎日お弁当作って良いですか?」と聞いてきた。
上目遣いをする。
なんだって?
俺はゆかりに「それはどういう...ま、毎日!?」と慌てる。
ゆかりは「はい。是非なんですけど」と言葉を発する。
「お前...毎日作ったらって流石に...」
「大丈夫ですよ。先輩。お弁当を作ってもダメージ無いぐらいなんで」
「だがお前...流石にそれは。食材費払うよ。やっぱり」
「...分かりました。じゃあ先輩。もし良かったらなんですけど費用を払うだけじゃなくて私と買い物してくれませんか」
「え?それぐらいならお安い御用だぞ。幾らでも付き合うよ」
「ありがとうございます。先輩がそう言ってくれるから嬉しいです」
「...俺に出来る事がそれぐらいしか無いしな」
「あはは。そんな事無いですけどね」
そう話しながら俺達は笑い合う。
そして踵を返すゆかり。
それから俺に向いた。
頭をゆっくり下げてくる。
俺は手を振りながら彼女を見送る。
そして俺はゆかりを見送ってから空を見上げる。
不思議なもんだな。
☆
彼女は俺の浮気した屑の代わりになろうとしている様な感じだった。
俺は彼女を見送る際になんだか複雑な思いになった。
それから彼女を見送ってから自宅に帰る。
そしてポストを見てから家の中に入る。
母親、父親は仕事で不在。
だから今はこの家に居るのは俺のみとなる。
「...しかしまあ」
さっきのゆかりの言葉。
あれがマジだったら...なんというか申し訳無い。
なんでいきなりあんな感じになったんだ?
分からないが先程の...あの質問が影響しているのか?
俺は考えながら鞄を床に置いた。
それから冷蔵庫から取り出した麦茶を飲む。
「やれやれ」
そんな呟きを放ちながら俺は息を吐く。
それから天井を見上げてからテレビを点ける。
気晴らしにアニメでも観るか。
そう考えながら俺はAmazo◯プラ◯ムを開いた。
心の考えは暫く胸に居座った。
付き合っていて愛していた後輩が他の男と浮気したので断罪した。その後の話で断罪したその後輩と瓜二つのもう一人のもう片方の双子の後輩に好かれた様なんだが...。 楽(がく) @tanakasaburou
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