どこまでも純粋で優しい想いにあふれたお話

ニコラは何所までも純粋で優しく、だからこそ傷ついている姿に胸がきゅうっと痛みました。
生きることに疲れて、外の世界を地獄と言ってしまう傷ついたニコラ。
だけど、ニコラが関わってきた全ての人のことを、優しいいい人と言い切れる素敵なニコラ。
そんな彼だからこそ、読んでいて応援したくなりました。
ニコラの世界にセヴランが現れて、互いを大切に想う姿がみれて、本当に嬉しかったです。
ニコラが大切な人のために祈りを捧げるシーンは、情景も想いも全てが美しくて。
ニコラはどこまでも優しくて、でも、現実の世界はそれだけではすまなくて、ニコラは臆病になるけど、それを救ってくれるのは、外の世界に連れ出してくれたセヴランで。
箱庭のような二人の暮らしとおとぎ話のような世界観。
けれど、そこで生きている人たちは、みんな私たちと同じく悩み苦しみ、一生懸命で。だからこそ、相手のために頑張れて、相手を好きと思えることはいつでも共通する素敵なものなのだと思わせてもらえました。
とりとめの無いレビューですが、とても優しくて、温かく、皆さまにおすすめしたいです。