アフロ博士とヒャッハー&ツッパリ

夢月みつき

本文「アフロ博士とモヒカン&リーゼント」

 ある晴れた早朝に博士はその偉業を成し遂げた!

 彼はアフロ博士、髪形がアフロヘア―だからそう呼ばれている。


 博士の研究室の寝台には二体のアンドロイドが寝かされていた。

 見た目は人間の姿となんら、変わりはない。



「つっ、ついに出来上がったのじゃ!超高性能のAI搭載アンドロイド、名はヒャッハーとツッパリじゃ。さあ、お前達、目を覚ますのじゃよ」



 アフロ博士は、AI搭載アンドロイド、Mohicanモヒカン型ヒャッハー30号と同じく、Pompadourリーゼント型ツッパリ29号に目覚めの言葉を掛けた。



 ヒャッハーとツッパリは目をぱちっと開けると、むくりと起き上がり、その眼に初めて博士の姿を映した。


 まず、悪党のような姿の革ジャンと革のズボンを履いたアンドロイド、モヒカンヘアーのヒャッハーが博士に挨拶をした。



『アフロ博士えっ、おはようだぜ。ヒャーッハーッ★』


 ヒャッハーは、鼻ピアスとアクセサリーをジャラジャラと揺らしながら、挨拶をした。



「おお、おはよう。ヒャッハー。うんうん、わしの名前呼びと挨拶がきちんと出来ておるな。良きかな、良きかな」



 つづいて、詰襟つめえりの学ランを着崩し、黒サングラスを掛け、どでかいリーゼントヘアーのツッパリが博士に挨拶しようとした、が―――



『アフロ博士、おはよう…と見せかけてッ、嬉しいから、おはようのハグ~~!!』


 博士は思いっきり、ツッパリに愛情表現のハグをされた。

 しかも、力加減が出来ていない力いっぱいのハグを。


『あっ、ツッパリ!抜け駆けだぞ』悔しがるヒャッハー。


『博士、好き好きぃっっっ!!!』



 バキバキ!


「ギャアアッ! ツッパリ、やめるんじゃ、わしの骨が、骨が~!!」


『ごっ、ごめんよ、博士、好きすぎてつい…』


 しょんぼりして、博士から離れるツッパリにアフロ博士は困った顔をしながら「もう~、ツッパリはヤンチャなんじゃから…嬉しいけど、気を付けておくれよ」と伝えた。



『はぁい、は・か・せ』


『うう、ツッパリ、博士とイチャイチャしやがって』悔しくて歯ぎしりするヒャッハー。



 アフロ博士は、昼食に生卵、納豆ご飯とワカメのみそ汁、きゅうりの漬物の和食を食べた。

 そして、二体のアンドロイドに、一般常識を覚えさせる為に町に、外出をすることになった。




 アフロ博士は二人のアンドロイドを連れて町へとやってきた。

 すると、ちょうど、ブティックに入ろうとしているカップルが目に入った。

 ケツアゴのゴツイ女性(?)が男性に寄り添っている、



「ダーリン、好き好きぃ~♡」



 バキバキ!


 熱烈なハグをする彼女と目をひん剥いて絶叫する彼氏。


「ギャアアッ、ハニー!骨が折れる、俺の骨がぁあああ!」



 それを見ていたツッパリとヒャッハーは博士に抱き着きたくてウズウズし、羨ましくなって来た。



 嫌な予感を覚えたアフロ博士はそっとその場を離れようとする。

 すると、二人が後ろから声を掛けて来た。

「博士、ハグ……♡」


「博士え……♡」


「ヤバい、逆効果だ。命がいくつあっても足りん!」



 博士は真っ青になると全速力で逃げ出した。

 しかし、追いかけて来たヒャッハーとツッパリに、愛の抱擁をされたアフロ博士の悲鳴が街に響き渡った。



 次の日、アフロ博士はナース型のアンドロイドに付き添われて病院へ行った。


 おわり




 最後までお読みいただきありがとうございました。

 後でこちらに再掲載する予定です。


「夢の月コメディ劇場短編集」

 https://kakuyomu.jp/works/16818093085174942474


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

アフロ博士とヒャッハー&ツッパリ 夢月みつき @ca8000k

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ