■閑話■~ジークのイチャイチャ師弟計画~
お師匠様に、甘えたい! その1
―――今日も俺の仕事は畑の水遣りから始まる。
水治癒魔法を湯水の如く使いシジール芋の畑を潤す。
シジール芋は紫の花を輝かせ、歓喜の声を上げている気がする。
芋の栽培を始めてから数年が経ち、自分なりに品種改良を重ねた結果、
俺の作る芋はこの街で最高品質の芋だと評判になった。
事実、シジール芋コンテストでは優勝を果たし、
その甘味と深い味わいから数多の食通を唸らせた。
俺の名前はジーク。
ゴードレア王国で有名な大魔導師の一番弟子にして、
芋の魔法使いの二つ名を持つ男だ。今日は、そんな俺の一日を紹介しようと思う。
朝
「おはようございます、師匠」
「おはよう、ジーク」
今日も可愛らしい緑服に緑髪のポニーテールをした、自慢の師匠に挨拶をする。
彼女の名前はグリーナ。この国で、知らぬ者はいない大魔導師だ。
「今日も師匠は可愛いですね」
「……ッ! な、な、何を言っているんですか? 私をからかっているのですか?」
師匠は褒めると喜ぶタイプだ。表情が崩れてすぐに分かる。色々な出来事が有り、思った事を言う性格になった俺は、師匠を心から褒めまくる事を習慣にした。
「本心ですよ。昔からずっと可愛いと思っていました」
「なっ、……あぅ」
顔を真っ赤にして周囲をキョロキョロし始める師匠の姿は本当に可愛い。
彼女は控えめに見ても美しく可愛い女性だ。少し眠そうな顔をしているが、
そこが可愛い。身長は150cmもなく俺のことを上目遣いで見上げており、
可愛くて抱きしめたい衝動に駆られる。
「し、師匠をからかうものじゃありません」
「からかってませんよ。ずっと好きでしたから」
「ぁ・・・う」
限界が来たらしい。彼女は茹で
我が家の庭の小屋にいる相棒、ライナーに挨拶をする。
「おはよう! ライナー。今日もよろしくな」
「モウ」
ライナーに荷馬車を引いてもらい、道具に
「あ、ジーク! 仕事に行くの?」
「ああ、行ってくるよ。プリシャ」
彼女は妹弟子のプリシャ。綺麗な金髪のショートカットが似合う美少女だ。
子供の頃からの付き合いで、俺にとっては妹みたいな可愛い存在。同い年だけど。
「今日もプリシャは元気で可愛いな」
「……ッ!? な、なによ突然。最近おかしいよ」
「思った事を言ってるだけだよ」
顔を赤らめるプリシャ。金色のヒヨコみたいに俺の後ろを付いて来ていた可愛い妹。彼女も大切な家族だ。もっと本音で接したいと思っている。
「……は、早く仕事に行かないと遅れるよ!」
「そうだね、行ってきます」
……そして、仕事を終わらせて帰宅する。
その後は皆で夕飯を食べ、魔法の研究や練習をして就寝。
昔は師匠と寝ていたが、今では一緒に寝てくれなくなったのが寂しい。
あんなに撫で回して可愛がってくれたのに。
なので、一緒に寝て欲しいと師匠にお願いしてみる事にした。
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