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鳥たちの楽園

鳥たちの楽園

朝陽遥

おすすめレビュー

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★★★
★12
5人が評価しました
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本文ありのおすすめレビュー

  • 馳月基矢
    361件の
    レビューを投稿
    ★★★ Excellent!!!

    「言葉」を盗む緋色の鳥がなぜ悪霊の遣いと呼ばれるのか

    ここではない世界を旅する彼が、静謐な語り口で紡ぐ見聞録。
    彼は読者に名前を告げないが、同じ彼が旅して生きた足跡は、
    『死者の沼』『雨の国』と本作『鳥たちの楽園』へと続いている。
    架空の土地の紀行文であるのに、物悲しいリアリティがある。

    大小さまざまな鳥が棲む深い森の奥には、言葉を話す鳥がいる。
    嘘かまことかわからない伝聞を頼りに、現地の案内人を雇って、
    彼は森へと足を踏み入れ、そして外界から閉ざされた村を知る。
    村の人々の言葉は、思いがけず、彼にゆかりのあるそれだった。

    彼が「まるで大昔の悲しいおとぎ話だ」と認識する某国の歴史は、
    別の人々の間では現在進行形の憎しみの根拠であり続けている。
    彼は後年、焚き火の傍らで養い子に、その後悔を語り聞かせる。
    だから彼は旅を続けるのだと、憂いのある風情がとても美しい。

    • 2017年5月3日 14:13