第3章 因縁 ‐インネン‐
23
◆ ◆ ◆
気づくとそこは、
先の見えない空間。右も左も、足下も、何も見えない。
まとわりつく
ずるり――
背後から聞こえた音に、
ずる、り。ずるり。
後ろを確認する余裕はない。
足を止めたら最後。一気に枝折との間合いを詰めて、丸飲みにされる。
追いかけてくる音から離れたくて、ひたすら走る。
ずるり。ずる、ずる、ずる。
苦しくて、息が続かない。
ぜいぜいと
だが、もう足がろくに動いてくれない。
くずおれそうになりながら、枝折は感覚のない重い足を引きずるように動かす。
助けて――そう願ったら、救い出してくれるだろうか。
≪ツカ、マエ……タ――≫
枝折の心をせせら笑うかのように、嬉しげな響きがこだました。
◆ ◆ ◆
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