第二章

Prologue:『罪』



『――担架を! 早く!!』

『しっかりして! あぁ、なんてこと……!』



 ――大勢の人が、騒いでいる。



『うぅ……痛い、痛いよぉ……』



 ――担架で運ばれながら、血塗れの男の子が呻いていた。



『お、俺たちのせいじゃ……!』

『からかってただけなんだ! そしたらあいつが!』



 ――大人達に向かって叫んでいた男の子達が、瞳に恐怖を宿しながら指差した。



『あいつ?』



 ――そこに在った全ての瞳が、指先を辿ってこちらを見た。途端に、皆が口を揃えてこう言った。





『この、化け物め!』


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る