内容としては、異能力を宿した少女たちと、それを操る人間たちによって繰り広げられるバトルアクションになります。
とはいえ、生死のやり取りというのではなく、あくまでも大会の優勝を競うのがバトルの趣旨であり、主人公の九都征十郎が、かつて惜敗した宿敵への雪辱を期し、並み居るライバルたちを打倒しながら、頂点へ駆け上がっていくという、たいへん王道のストーリーになっています。
登場人物全員に、きちんとバックボーンが用意されているので、いずれのキャラにもドラマがあり、感情移入することができます。魅力的な登場人物たちによる人間ドラマが、この作品の最もおもしろいところだと思います。
主人公の九都征十郎は、かなりの荒くれ者で、人によっては苦手に思ってしまうかもしれませんが、彼の人となりに慣れてくると、へこたれず常に前向きなその姿が頼もしく感じられてきます。うじうじしたヘタレ主人公が嫌い、という方には、まさしく理想的な主人公かもしれません。
そんな征十郎を始めとして、登場人物は軒並み魅力的なのですが、個人的には、主人公に執着する実力者・霊界堂美夜が非常にお気に入りです。
彼女との戦闘シーンは、作者様の筆が一段と冴えており、大変迫力ある攻防が見られますので、まちがいなく一見の価値アリです。
また、シリアスとコメディのバランスがよく、登場人物たちの日常会話では、思わずクスっとくるようなやり取りが散見されて、バトルに胃もたれするようなこともなく、最後まで一気に読みきってしまうことが出来ました。
乱筆に任せていろいろと書きましたが、総括してみれば、良く出来たエンタメ小説だと思います。迫力のあるバトル、可愛い女の子、相棒との絆、宿命のライバル、このへんのワードに少しでもピンと来た方は、ぜひ読んでみてください。