第37話 契約して魔剣士へ

「紅蓮の炎に満ちたりし灼熱の息吹よ。

 全てなる意思のもとに汝なる敵を焼き尽くせ!

 いでよ!プレゲトン!」


 赤い髪の少年は、そう言ってひとりの少女を召喚した。

 少女の目は炎のように紅く、金色の美しい髪を持っていた。


「私を呼んだのはジル……?」


「ああ、そうだ!

 あの男を焼き殺せ!」


 プレゲトンと呼ばれる少女が、静かに俺の方を見る。


「断るわ」


「なんだと?」


「そもそもアンタには、私を扱うだけの魔力はないわ」


「はぁ?

 契約はどうした?」


「そもそもアンタとは契約してないでしょ?」


 プレゲトンが、そう言って髪をかきあげる。


「もういい!

 俺が直接にアイツを処分してやる!」


 ジルと言ったっけ?

 そのジルが、俺の方を見て笑う。

 来るのなら来い!


「お前に俺を倒せるかな?」


 そう、俺の防御力は高い。

 俺の攻撃力は低いけど……

 倒せることはないだろう……

 でも、コイツの気をひきつけている間に子供たちを逃す時間くらいは……

 俺は、そう思って構えた。

 しかし、俺の考えは甘かった。

 ジルは、問答無用で俺ではなく子供たちの方に向けて炎の矢の魔法を放った。

 ここからでは、間に合わない。

 そう思った時だった。

 ひとつの光がその炎をかき消した。


「ギリギリセーフ?」


 亜金君だった。


「亜金さん、遅いですよー」


 ソラが、そう言って笑う。


「万桜さんたちは、別の場所で敵と戦っているよ」


 亜金君が、そう言った。


「つまり、これ以上の増援は見込めないってこと?」


「うん」


「ち……

 虫けらどもが増えた所で……」


 ジルが、小さく笑う。

 するとプレゲトンも笑う。


「あら?貴方……」


「ん?」


 亜金君は、首を傾げる。


「私と契約して、魔剣士にならない?」


 なんかギリギリアウトなセリフが俺の耳に入ってきた。

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