第15話 ここから始まる大レースひしめきあっていななくは天下の異世界チート能力者

「昴君楽しそうだね」


 亜金君が、そう言って現れる。


「あ、亜金君」


 そうだった。

 コイツがいた。

 このギルド……

 女の子が多い気がする。

 もしかして、亜金君。

 すでにハーレムとかじゃないよな?


「子供たちにも懐かれているようだし、羨ましい限りだよ」


 そう言う亜金君の目が少し寂しそうだった。


「キック&バズーカー」


 そう言って可愛らしい女の子が亜金君の頭上から現れる。

 可愛い上に小柄で胸がでかい。

 どこかの大きなお友達には受けが良さそうな女の子だ。

 もちろん、俺の好みにピッタリだ。


「プレさん、痛いよ……」


「痛いと思うから痛いのよ。

 気持ちいいと思えば痛くないわよ?」


 少女は、可愛い顔して酷いことを言う。

 女の子ってみんなそうなのだろうか?

 万桜さんもたまに怖い時あるし……

 すると優心さんが笑う。


「昴君、もしかして女の子って怖いとか思っている?」


「え?」

「どうしてわかるの?


 まさか心がわかるとか?」

 俺は、冗談でそう言ってみると優心さんも笑う。


「わかるよー

 だって、私はシャーマンだもの」


「へ?」


 俺は、耳を疑った。


「シャーマンは魂と会話できるの。

 昴の魂の叫びが、聞こえたの」


「そっか……」


 待てよ、じゃ俺のハーレム計画のことも……


「知ってるよ?

 男の子ッて感じだなって思う」


 優心さんが、俺の心を読んでいる。

 しかも、全部筒抜け……


「なになになに?

 何の話?」


 万桜さんが、楽しそうに俺の体を揺らす。


「私と昴の内緒話だよー」

 優心さんが、小さく口に手を当てて笑う。


「えー。

 それは、なんかずるいー」


 万桜さんが、頬を膨らます。

 うん。可愛い。


「万桜ちゃんには、かみさまがいるじゃない」


 かみさま?

 誰のことだろう。


「私とアイツは、そんな関係じゃないし……

 それに、アイツは仕事仕事で私のこと滅多に相手してくれないし……」


「ほうほう。

 それで、異世界からやってきた昴に興味津々なんだねー」


「う……」


「心を隠しても無駄だよ。

 私には全てお見通しなんだから!」


 優心さんが、クスクスと笑う。


「だって、異世界と言えばチート級の能力者だと思うじゃない」


「異世界といえばチートなの?」


 そういうジンクスみたいなのこの世界にもあるのかな?


「そうだよ。

 ちなみに私の相棒、亜金も異世界から来てるわよ?」


 名前も知らぬ少女がそう言って笑う。


「相棒?」


 僕がその少女の方を見た。

 するとその少女が胸を張っていう。


「私の名前は、プレゲトン!

 亜金の愛刀プレゲトンよ?」


「刀?」


 この子の何処が刀なんだろう。


「まぁ、百件は一見に如かず!

 見てなさい!」


 プレゲトンさんは、そう言って亜金君の手を握りしめる。

 するとプレゲとんさんの体は光輝き、そして剣になった。


「ね?」


 優心さんが、頷く。


「えっと剣に変身したの?」


「逆逆。

 私は剣なの。剣が人に変身してるのよ」


 剣からプレゲトンさんの声が聞こえる。


「凄いね……

 亜金君は、チート級の能力なの?」


 俺が、尋ねると亜金君は頷く。


「うん。

 僕に触れようとするもの全てを武器に変えることが出来るんだ。

 一応チート級能力なんだけど。

 でも、この世界ではチート級の能力者って結構いるんだ」


「へ、へぇ……」


 恐らくここからはじまる大レースは、天下の異世界チート級能力者が沢山いるんだろうな……

 ってか、チート級能力者って結構いるのか……

 俺、この世界で生きていけるかな?

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