日常の中に潜む小さな違和感を拾い上げていく青春ミステリーです。
主人公は周囲をよく観察し、何気ない言葉や出来事から答えへ近づいていける人物。一方で、自分が何を感じ、何を求めているのかとなると、簡単には答えを出せません。
この「外の世界は読み解けるのに、自分自身のことになると分からない」という構図が、作品タイトルの『解読不能』と綺麗に重なっているのが印象的でした。
また、謎解きだけで物語を引っ張るのではなく、友人との会話や新たな出会いを通して、主人公の価値観や内面が少しずつ揺れていくところも魅力です。
派手な事件を次々に解決していくタイプではなく、日常の違和感と高校生らしい迷いを丁寧に積み重ねていく作品。
「謎の答え」だけでなく、「主人公自身がどんな答えに辿り着くのか」まで追いかけたくなる物語でした。