家族に嫌われ、惨めな生活を送る侯爵令嬢アマリエ。彼女に救いの手を差し伸べたのは、「黒薔薇姫」と呼ばれ学園の生徒たちに持て囃される皇女パトリシアだった。
パトリシアの指導の下、アマリエが変わっていく学園ロマンス。
主人公アマリエをはじめ、主要人物がおおむね善良で、人を傷つけることを好まないため
殺伐とした雰囲気がまったくなく安心して読める学園ものだ。
アマリエがパトリシアによって、髪や服装を変えられ、美しく変身していくのだが、
その過程でパトリシアの弟、ローグヴァルトとの間にほのかな恋心が生まれ、
次第に仲は深まっていく。
ローグヴァルトはちょっと抜けているところがあるが、イケメンで善良な男で、
アマリエに対して正々堂々と好意を伝えるので応援したくなる。
アマリエも、戸惑いながらもその想いに応える様子が初々しい。
まあ侯爵令嬢ともなれば、皇家への輿入れは十分にありうる話なので、
身分から見れば、二人がくっつくのは割と普通ではあるのだが……。
パトリシアも策を弄する一面はあるが、基本的な行動原理は相手への好意なので、
嫌な気分にさせられる部分がない。素直なテイストの学園ロマンスが楽しめる。
シンデレラストーリーが好きな人、奥手な男女同士の恋愛が好きな人におすすめの一作だ。