私立渋沢学園高等学校ホラー研究部のメンバーは、慎重でしっかり者の部長深月、中二病全開でノリの良い雨音、大の怖がりの心春、ほわほわした雰囲気ながらたぐいまれな霊能力を持つ萌花の4人。
個性的な彼女たちのもとに、負けず劣らず個性的な顧問の教師五十嵐が、ある依頼を持ってくる。
何と、図書館で本を焼く「焚書の魔女」という幽霊を退治してほしいというのだ。
部の存続がかかっていると聞いた4人は調査に乗り出すが――。
何といっても、張り巡らされた伏線とその回収が秀逸です。探偵キャラの推理パートでは、何度「あっ、あの部分が……!」と膝を打ったかわかりません。
そして、そのさきに浮かび上がる“ある人物”の思惑、作品のキャッチコピーの意味、「焚書の魔女」の真の目的と死の真相。これには体が震え目頭が熱くなりました……!
「焚書」が重要なテーマのひとつということもあり、自由に言いたいことを言える世の中をこれからも守っていかなければならない、という気持ちも搔き立てられました。
コメディタッチでホラーの苦手な方も楽しめる、でもラストではしっかり感動させてくれる、骨太な青春ホラーミステリです。
舞台は私立渋沢高校の図書館。そこに、ある傾向の書物だけを焼くという『焚書の魔女』が現われます。
この怪異の謎を調査することになったのが、ホラー研究会の四人の女子高生たちです。
この四人、とにかく個性 (クセ?) が強くて手に負えません。緊張感のある場面でも、しょっちゅう脱線します。特に、部長の深月と副部長の雨音の掛け合いは漫才そのものです。もう楽しいのなんの……否、これはホラーです。
幽霊は何故本を焼くのか。何故その本なのか。
そして、この学校の過去にいったい何があったのか……?
物語が進むにつれて、現在の怪異と過去の出来事が徐々に繋がっていきます。
ホラー、ミステリー、コメディーといった多様なエッセンスが可愛い女子高生たちのキャラクターと相まって絶妙な新感覚で魅せる「ほらけん『焚書の魔女』」
作者、ふたろ・なち氏の手腕が光ります。
怖い話が苦手な方でも安心して読める作品です。また、謎解きが好きな方には、随所に散りばめられた情報をヒントに真相を追う楽しみもあります。
是非、深月たちと一緒に図書館に秘められた謎を追ってみてください。