このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(184文字)
ベテラン冒険者・ヤウルと、才能あふれる若手三人の物語。まず印象に残ったのは、戦闘シーンの分かりやすさと迫力でした。人物がどう動いているのかが自然と頭に浮かび、漫画や映像を見ているような感覚で楽しめました。また、冒険者の仕事、食事や土地の産業など、冒険の外側にある「暮らし」もしっかり描かれていて印象的です。若者たちを導くヤウルですが、彼らとの出会いによって、自身にも少しずつ変化が生まれていく。ベテラン主人公ならではの味わいが感じられる作品です!
若い冒険者に追い抜かれても笑って見送り、自分はもう黄昏だと思っていたヤウルが、「冒険」に戻っていくのが熱かったです。特に、あれだけ突っかかってきたガウルが実はずっとヤウルに憧れていたと知る場面はしんどい。遺された脚本を手にして、消えたと思っていた火がまた燃え出す感じがたまりません。最後に最上位の依頼書を剥がして「俺と一緒に」と笑う姿、やっぱりこの人はまだ終わってなかったんだなって嬉しくなりました。