ラギ大陸での3回目の大戦を京国側から描いた物語。
主人公山本は、兵学校を卒業したばかりの技術者。
彼が遊びで設計した大型爆撃機“白雷”が、彼の知らないところで制作されて、輸送中に盗まれた。
あんな設計図が実現できるわけがない、机上の空論だと思っていた山本だが、どこで誰の手によって作られ、どうやって盗まれたかを追う。
白雷はこともあろうに60年前から戦争を繰り返してきたリヒトの手に渡り、その空爆を皮切りに第三次大戦が開戦する。
前の対戦から33年間、京国から抑圧されてきたリヒトたちが立ち上がるいわゆる革命戦争だが、本来なら圧倒的な京国の兵力に太刀打ちできるはずはない。
しかし、京国の将軍府の動きが鈍く、どんどんリヒトの侵略を許してしまう。
終盤で明かされるその理由は驚愕の内容だった。
新しく複座型の戦闘機に添乗した山本が旋回訓練をさせられる場面は、読んでるこっちが酔いそうなくらい迫力があった。
これも他の二つの物語と同時に読むべき作品です。
一つの戦争を三つの視点から描き、同時に毎日連載を更新できるSB亭さんてすごいと改めて感じさせられた。
そこにはもともと、思惑や計算など一切なく、ただ純粋な「夢」があるはずだった。
主人公・山本武蔵は「その機体」が使われることになるなど想像もしなかった。ただ「技術」として突き詰めた先の芸術のように、無用の長物のように飾られて終わりになるようなおmののはずだった。
戦争が終わって三十三年後。平和だと思われていた時代に、山本は「白雷」なる爆撃機の設計を完成させていた。
しかし、急激に運命は変わった。
先の大戦で敗北し、国として消滅していた「リヒト」。その残存勢力が彼の作り出した「白雷」を強奪する。
技術者の夢は、世界を傾かせる悪夢へと変貌する。
試作中の新型機。それは「主人公」が乗って大活躍でもすると期待されるもの。しかし、それが奪われたことにより、最悪の敵へと変貌する。
だからこれまでも多くの「歴史」の中で強奪が行われたり、強奪しようとして失敗するというようなことが繰り返されてきた。
……そう、有名な「歴史」事件。
古くはサイクロッ〇ス隊による「ガン〇ムN〇ー1」の強奪失敗。そしてデ〇ーズ・フリートによる「アト〇ック・キャノン」を搭載した新型G〇ー02の強奪。更にはザ〇ト勢力による四機のガ〇ダムが強奪された事件まで、枚挙にいとまがない。
果たして、戦力を奪われた側はどうやってそれに対抗するのか? その一方で、「使われるはずのない机上の空論」がいかに優秀だったかが「自国の危機」という形で証明されてしまうという皮肉。
彼らの戦いは一体どんな結末を迎えるのか。同時連載の「アウサーシュタットの女たち」、「フェアフェームテ・パンツァー」と共に見届けていただきたい!