「世界を救う少女たち」の裏側で、こんな戦いが繰り広げられていたとは……!
王道魔法少女もののワクワク感と、大人の社会人リアルが完璧な配合でブレンドされた、最高の短編作品です。
夜な夜な怪異と戦う十三歳の娘・りんご。
傷をつくり、怪しまれながらも「友達の家で勉強してくる」と嘘をついて飛び出していく健気な姿は、まさに私たちが大好きな「魔法少女」そのもの。
……ですが、本作の主役は彼女ではありません。
玄関を見送り、静かに電話を取り出す母親・ひいろ。そして集結する「元・魔法少女」のママ友ネットワーク!
25年前、自分たちも同じように無償労働させられていたからこそ、娘の正義感や小さな秘密は温かく見守る。
でも──「タダ働きだけは絶対に許さない」。
弁護士になった元・仲間が分厚いファイル(過去の合意書)をドサッとテーブルに置き、妖精を正座させて「危険手当」「深夜活動加算」「装備補償」を淡々と詰め寄るシーンは腹筋崩壊モノです。かつて自分たちを働かせた妖精から「伝説の第一四七期」と恐れられているオチも含めて、テンポとギャグのキレが冴え渡っています。
現場で命を燃やす少女たちの熱いバトルと、リビングで繰り広げられる泥臭い(?)労務交渉。
この二重構造のギャップがとにかく心地よく、ラストのLINEグループ名変更からの一連の流れには「上手い!」と膝を打ちました。
そして何より、ひいろが交渉目録の最後に追加した《二十、魔法少女本人の意見を聞くこと》の一行。
ここがあるからこそ、単なるお仕事ギャグに留まらない、親から子への温かい眼差しとリスペクトを感じさせてくれます。
「魔法少女の保護者部」の次なる単価交渉、ぜひ続きが見たくなる傑作でした。超オススメです!